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イベント記録 やたいだん きのコさん編(2/3)愛されるためにキャラクターを演じている話

この記事はモテアマス三軒茶屋で2023年3月3日に行われたオンライン対談の記録になります。

語り手紹介

高橋かずひろ(以下かずひろ) カオスライフ発起人、3月3日にはグットニート養成講座を受けていた。

きのコ ポリアモリーな文筆家として、恋愛・セックス・パートナーシップ・コミュニケーション等をテーマに発信している。
SNS:https://twitter.com/kinoko1027

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自分をコンテンツ化する

かずひろ
 愛されるっていうか、いろんな人に知られちゃっていると、どこの場所に行っても作ったキャラクターを演じないといけない。僕も結構ネットで知り合って直接会った人の中でも真面目な仕事してる人に「マジ恋あれどうなんですか?脚本はあるんですか?」って聞かれた時に「え、すごい、こんな人にウケるんだ。キャラクターを演じなきゃいけないのかな。」みたいな気分になる時はありますね。仕事と愛の関係だと私の周りにいる人の界隈と話す時だと自分の作ったセルフイメージを演じなきゃいけないのかなという気持ちの時は結構あります。

きのコ
 そうですね。自分をコンテンツ化していてキャラがウケていて、そのまま時間が経っておもしろがられたりしていくと、やっぱり演じるっていうほど嘘ではなかったとしても、ある程度「こういうキャラクターでしょう」とか「こういう風に振る舞うはずだよね」っていう期待みたいなものを感じたりして、やっぱりそうしなきゃみたいな、そこで本当は「もっとこうしたいと思ったんだけどなー」みたいなズレが発生したりはありますね。

かずひろ
 そうですね、意外と何かこうその人たちが僕のイメージを勝手にこしらえてるみたいなところで、僕からしたら普通の活動をしても「あれ?かずひろ、そんなことすんのかよ?」みたいなことを言われて、こっちとしては「普通に作戦立てただけなんだけど?勝手にうまくいっていない人のイメージ作らないでくれよ。」みたいな事で意見が衝突してぶつかり合いが発生したりとか結構あったりします。
 意外と僕も仕事してないってだけで何もできない人みたいに思われていたこともあって、マジ恋にはそれで起用されたけど、企画を流行らすために「あれしよう、これしよう」って動いていたら、「そんなにできる奴だったっていうことも知らなかったよ。」みたいなことを言われる事態は結構発生していて、、

他人に「あなたはこういう人のハズ」を求めてしまう

きのコ
 「あなたはこういう人のハズ」って圧をかけられることを私は「お神輿にのせられる」と表現していて。
 やっぱり「ポリアモリーな私」をずっとやっていると、私の場合すごく周りから「マイノリティであり、いろんな差別や偏見と戦う立場にいるソーシャルグッドな人物」を求められるというか、クリーンな神格化をされがちみたいな所はすごくあって。「ポリアモリーはすごくコミュニケーション能力が高くて、誠実で真面目で他人に向き合っている」というすごい人たちみたいに思われがちだし、確かに私はコミュニケーションを頑張っているけど、結構わがままだったり理不尽だったり嫉妬に狂ったりする自分っていうのも大事にしたいし、発信したりするんです。
 そういう美しくない自分、醜い自分っていうのも発信していると、周りから「きのコさんはそういうこと言っちゃダメ」って言われて、それに対して抵抗したりはしますね。周りからの「あなたってこういう人のはずだよね、あなたってこういう風に振る舞うべきだよね」っていうのは、かずひろさんであれ私であれ感じている圧なのかなって気がします。

かずひろ
 キャラクターを演じなきゃいけないといけない仕事だとアイドルがそうかな?と思うんです。極端な例だと「○○ちゃんはうんこしない。」みたいな感じで、好きになるのは勝手だけど神話を作りすぎだろうって思っちゃって、

きのコ
 そうですね。アイドルって「偶像」が語源じゃないですか。アイドルを本当に偶像にしてしまうというか、偶像崇拝はやめてほしいって思うんですけれども、なんでみんな他人に「あなたはこういう風にあってほしい」を求めちゃうのかなって。勝手に期待してから「アイドルがうんこしてる」とか「アイドルが誰々と付き合ってどうのこうの」とか「あんなに信じていたのに裏切られた、可愛さ余って憎さ百倍」とバッシングに転じる、そういう現象がすごくよく見られるなと思っていて。
 それはやっぱり芸能人やアイドルに起きがちだけど、今のSNSの社会だと一般人もそれに巻き込まれがちだなって。相手の求めるものを演じないと愛されないって、自分をコンテンツにする系のビジネスモデルにおいては「演じないと愛されない」っていうのが発生して「いや、やべーな」って思いますね。
 最近の例だとりゅうちぇるさんが「夫であることを放棄している」とか、「父親であるくせにLGBTとか言い出してどうなんだ、性自認があやふやなのって許せない」って言われていて、イクメン・パパキャラとして愛されていただけにめちゃくちゃバッシングされて、それはそもそもそんな期待をする周りが絶対におかしいって思っていて。
 なんか期待をして偶像化して、それ故にその人間そのものを見なくなるというか、そういう人の違う一面が出てきたときに、めちゃめちゃバッシングして憎むという表裏一体が、SNSですごく激しくなっていると思っていて。このようにアイドル(偶像)を演じることで愛されても別に嬉しくないですよね。恋愛的にも仕事的にもこのようには愛されたくない。

かずひろ
 そうなんですよね、楽しい時に活動していておもしろいなーって思っていても、でも疲れた時に「疲れた」と言い出したら「なんで疲れたり倒れたりすんだよ。」って言われたりとかが結構あって、人間だから疲れたり考え方変わるのは当たり前だと僕は思うんですけど、

コンテンツ化してきた自分を捨てづらい

きのコ
 そうなんですよね、アイドルとか芸能人であれば、その職業としてのアイドルをやめるとか「普通の女の子に戻りたい」が一応成立するというか、そういう風な儀式をすることで、”生きなおし”がやりやすいと思うんですけど。私とかかずひろさんみたいな「完全に虚像を演じきってるわけでもないが、ある程度求められる振舞いもある人間」って、そういうリセットもさせてもらいづらい感じもあって、すごくしんどいなーって思いますね。
 本来は別に自分でやりたくて始めたことなので、それまでコンテンツ化してきた自分を100パーセント完全に捨てるのも苦しい自分もやっぱりいて、そこの折り合いがつけづらいなという、職業アイドルとかよりもはるかに「コンテンツ化してきた自分を捨てづらい」ということが抱えている問題じゃないかという気がしています。

かずひろ
 そうですね、僕も意外と「ニートだけどたくさん動きます。」みたいなキャラクターを知らず知らずのうちに作っていて、その作った自分を演じてきた部分があるのかな。「たくさん動けてすごいね。」といわれる自分を演じつつ、自分の作った役に飽きてきた感もあります。
 このキャラを演じていると「意外とそれもできたのかよ。」とか「あんまりできない人だと君の事を思っていたのに意外と色々できた。何だったんだよ!」みたいに言われる事がよくあって「一つの事はできると言ったけどこれしかできないとは言ってないよ。」と言いたいです。
 作ったキャラクターなしで僕の事を理解してもらうのは、これまであれをやったりこれをやったりと飛び飛びで動いてきたんで、理解してもらいづらい所もあって結構大変だし一長一短です。

きのコ
 そこはすごくあります。やっぱりオンラインでのコンテンツ化した自分の発信とかSNSというツールとかのやばさみたいなものはすごくあるんじゃないかな。
 SNSだとかオンラインでの発信は、自分のある側面を切り取ってデフォルメして見せてしまうもの、平面的に自分をキャラ化して見せてしまいやすいツールだと思っているんですけれど。人間だと当然いろんな側面をもっていてSNSに書けないことだっていっぱいあるし、むしろSNSに書けないことの方が多い気がしているんですけど、そういう多面的で立体的な私がSNSではキャラ化されて偶像化されて「このキャラでやるべきだ」を作られてしまう。そのキャラを演じて仕事的に愛されても恋愛的に愛されても、平面的に愛されて苦しい、愛されているのは自分じゃないって感じてしまうと思うと、やっぱり恋愛の”愛され”であれ仕事の”愛され”であれ、自分の人生を豊かにする愛され方ってやっぱりオフラインなんじゃないの?っていう気がしていますね。
 オンラインでどんだけ人と出会って繋がって儲けたとしても、完全にキャラクター性の全くない”愛され”ってない気がしていて、オフラインの方がまだ納得のいく”愛され”があり得るのかな、と思ったりしました。

かずひろ
 今オフラインでつながっている人でも、元はオンラインで「モテアマスという変わった場所があっておもしろいですよ」という情報をつかんで足を運ぶようになって、このように対談をするようになったりとか、初めのきっかけはオンラインが結構多いなーっていうのがあると思うんです。
 オンラインとオフラインの繋がりっていうと、画面上で僕の姿を見ただけで何も行動を起こさない人にとってはただ一瞬のキャラクターだけ見て終わりとか勘違いがあったりとか、これつまんないで終わっちゃうみたいな感じで、なにこれ?ってなって終わっちゃうけど、直接出会うアクションをしてくれた人の中ではオンラインの情報を見てくれて「なにかしらやばいって見てたけど、意外と出会って喋ったら普通の人だったんだ。」みたいなことが発生していて、それでもオフラインで会ってくれる人でもなかなか意見が合わなくて、意見が合う人を見つけるためにオンラインでの情報発信に頼っちゃったりとか、

続く

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対談会場 モテアマス三軒茶屋
2023年3月3日
語り手 高橋かずひろ きのコ

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