モテアマスって何がすごかったのか?
三軒茶屋のインドとも言われる伝説のシェアハウス、モテアマス三軒茶屋の最後の一か月が終わった。
一人また一人と退去していく住民たち、個性豊かな爆破住民(片付けをする代わりに無料で最後の一か月を住める人々)、栃木県岩船山でのリアル爆破撮影(実際に戦隊ものみたいにナパーム爆破をバックに写真を撮った。爆破までのタイミングの合わせ方が難しい。)
そしてクラファンの申請がプラットフォームにはじかれる伝説を作った最後のモテアマス7.9周年爆破フェスではさんざんどんちゃん騒ぎをした後で、結婚の報告をする人が3組出てきて爆破婚姻届けが作られたりと本当に普段のモテアマス以上にカオスな一か月だった。爆破で全国に散っていく皆さん、お幸せに!
僕にとってのモテアマスとは「人生が変わった場所」であり「いろんな人の生き方の見本市」のような場所だった。
いつのまにか「モテアマスってどんな場所ですか?」ってよく聞かれるようにもなった。モテアマス側の人間として見られていたことに気づいた。そんな時に答えが詰まる。
「インドみたいな場所です。」という万能の言い訳を使っても良いが毎回それだと芸がない。かといってモテアマスのリビングの空気感ややっている事を言葉で説明するのは難しい。冒頭の最後の一か月の説明も初めてモテアマスを知った人には「なんじゃこりゃ?」といった感じだったと思う。
三軒茶屋の社員寮の巨大シェアハウスに人がいっぱい集まってワチャワチャしているけれど何をやっているのか分からない、何を考えているのか分からないけどとにかく楽しそう。みたいなイメージがある。
モテアマスに住民第一号のカズキタさんが入居してから爆破(終了)までのほぼ8年間、シェアハウスやオンラインサロン、何かのサークルや同好会も含めて「何かをやろう。」といった感じのコミュニティが作られてはつぶれてを繰り返してきた。そんな中でモテアマスをコミュニティとして考えると少なくとも人間関係では大成功だった。それは人数やイベントの盛り上がりだけではなくて
シェアハウスにおもしろい人が途切れない
あの人がいた時は楽しかったよね~みたいな言われ方をするコミュニティは意外と多い。
モテアマスは波もあったが、少なくとも僕が知る範囲では「冬の時代」が無かった。
モテアマスの住民や関係者がカップルになったり結婚してもコミュニティが寂しくならない。
メンバー同士が恋愛したり結婚するのはごく自然な事だけど、どんなコミュニティでも集団内で活躍している人同士が恋愛するケースが多い。恋愛や結婚をすると「恋愛関係や家庭の維持」にエネルギーが注がれてコミュニティにエネルギーを注ぐのは二の次になってしまう。子供が生まれたらもっとそうなる。
モテアマスでは恋愛や結婚がたくさん発生していたが、それがきっかけでコミュニティに貢献してくれる人が減ってしまう悲劇は起きなかった。
モテアマスは構造が強い
主任のカズキタさんはもちろんすごい。カズキタさん複数人いる説が出るくらい毎日動き回っている。もっとすごいのは周りのメンバーがカズキタさんのペースにくっついて動けている事だと思う。リーダーがすごいのではなくて構造が強いのだ。
何か大きなことをやる時にみんなでやるから「動ける人、おもしろい事を形にできる人」が常に少しずつ育っている。
僕の主観でモテアマスがうまくいった理由を考えてみると、、、
やる人間を大事にする。やる集団と仲良くする。
何かおもしろそうな活動をしていたり、これから始めそうな人を大事にしている。モテアマスの周りのコミュニティもみんな行動力がある。モテアマスと令和市(仮想の自治体)で不平等条約を結んだりする出来事もあったけれど、普段仲が良くないとこんなシャレはできない。
何かをやる人間、何かをやる集団と付き合ってきたおかげでモテアマスには動ける人が集まってさらに動けるようになっていった。他のコミュニティだと「行動力のある人は怖い。乗っ取られる。」って考えるところが結構多い。
新しい人にチャンスを与える
新しい住民が「何かをやりたい」と言い出した時に「いいじゃん、やろうよ!」って返してくれる。これがすごい。普通は新人を大事にしないといけないと口で言いつつもついつい「おとなしい新人」ばかり大事にしてしまう。これではおもしろい人は入ってきてくれない。モテアマスで人が進化する事が多いのはここが理由の気がする。
とまあ、モテアマスがあの巨大コミュニティを育てていった工夫やテクニックは他にもたくさんあるし、それをまとめた本を今書いている。
モテアマスが特にすごかった事を考えると今のところ人間関係周りだと
やる人を大事にして動けるコミュニティと関係を作る。
新人にチャンスを与える。
この二つが大きいかな?と思ってしまう。
ほぼ8年間お疲れ様でした。
モテアマスの概念が広がっていく本当の爆破はここからです。