#34 デジタル化による効率化 ーペーパーレス会議の導入とそのメリットー
1 はじめに
最近、校務DXに伴い、ペーパーレス会議を実施している学校が増えてきました。令和5年12月27日に文部科学省が発表した調査結果によると、「職員会議等の資料をクラウド上で共有しペーパーレス化していますか」という設問に対する回答では、ペーパーレス化している学校が半数以上である67.5%を占めています。一方、全くペーパーレス化していないと回答した学校はわずか12.6%にとどまりました(図1)。
文部科学省(2023)「GIGAスクール構想の下での校務DX化チェックリスト ~学校・教育委員会の自己点検結果~〔速報値〕」
https://www.mext.go.jp/content/20231227-mxt_jogai01-000033278_001.pdf
紙媒体の良さも十分に認識されており、そのためになかなかペーパーレス化に踏み込めない学校もあるのではないでしょうか。そこで、今回は紙媒体の利点を活かしつつ、ペーパーレス化に向けた取り組みを紹介いたします。
2 準備から会議までの流れ
2.1 会議前
① 起案文書をPDFデータまたは紙媒体で教務主任に提出します。
・最初は教務主任がデータを集約することが良いと考えますが、先生方が慣れてきた段階で、データのアップロード場所(フォルダ)を指定し、提出していただく方法に変更すると、より効率的です。
② 教務主任は起案文書をOneDriveにアップロードし、共有します(図1)。
・紙媒体の起案文書は、スキャンしてPDFデータに変換します。
※OneDriveの活用方法については、以下のURLをご参照ください。
#09 【OneDrive】校務のクラウド化
https://note.com/takayuki_wayama/n/nea24f36ce907
③データファイルのリンクをコピーし、Teamsで共有します(図2)。
④紙媒体で記録したいページがあれば、各自で印刷して準備しておきます。
・PDFファイルのため、閲覧画面と印刷画面がずれることがありません。
2.2 会議中
① 参加者はPDFデータを閲覧します。
・必要であれば、タブレット端末にPDFデータをダウンロードし、アプリを活用してメモを取ることもできます。
② 記録者は会議録に綴じ込むための資料として、紙媒体に記録します。
・紙媒体の資料はサッと手に取りやすいため、職員室に1冊あると便利です。
2.3 会議後
① 修正があれば、PDFデータまたは紙媒体を教務主任に再提出します。
② 教務主任は再びデータをアップロードし、共有します。
3 3つのメリット
時間やコストの削減
印刷や製本の時間や手間がなくなるとともに、紙やインク等にかかるコストも削減することができます。
アクセスの容易化と会議の効率化
ペーパーレス化により、会議資料へのアクセスが容易になります。そのため、時間や場所に制約されずに事前に会議資料を確認できるため、会議を効率よく進めることができます。
データの管理と保管の効率化
デジタル化されたデータは、検索や整理が容易です。パンパンになったフラットファイルの中から時間をかけて資料を探す必要はありません。
4 おわりに
ペーパーレス化による効果は、時間やコストの削減、アクセスの容易化と会議の効率化、データの管理と保管の効率化など多岐にわたります。本校でもこの取り組みを進めることで、効果的な情報共有と効率的な業務遂行が可能になりました。
今後も新たな課題に挑戦しつつ、技術の進化を活かしてより質の高い業務プロセスを構築していきたいと考えています。ペーパーレス化は、持続可能な環境への貢献や業務の効率向上など、様々なメリットをもたらしますが、その実現には組織全体の協力と調整が欠かせません。引き続き、より効果的なデジタル化を進め、児童だけでなく教員の情報活用能力の向上にも努めていく所存です。
今後も、授業改善や働き方改革に向けて、効果的な活用方法を模索していきたいと考えています。
子どもたちの深い学びの実現、教員の働き方改革の推進に向けて、ともに頑張りましょう。