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#33 ICTを活用した小学校理科学習 ー光と電気の比較で生まれる深い学びー

1 はじめに

 GIGAスクール構想において、ICTを活用した小学校理科学習が注目されています。Excelを利用したデータ入力から自動集計、そしてグラフ化までを行うワークシートを作成し、豆電球と発光ダイオードを比較する学習を実施しましたので、ご紹介いたします。
 授業で使用したワークシートを用意しました。ダウンロードして、お試しください。




2 学習のテーマ

①豆電球と発光ダイオードの明かりのついている時間を条件を整えて調べる。
【思・判・表】
電気の性質や働きについて見いだした問題について,予想や仮説を基に,解決の方法を発想し,表現するなどして問題解決している。
〈発言分析・記録分析〉

②豆電球と発光ダイオードで、使う電気の量に違いがあるのか、結果を基に話し合う。
【思・判・表】
電気の性質や働きについて,観察,実験などを行い,得られた結果を基に考察する中で,電気の量と働きとの関係について,より妥当な考えをつくりだし,表現するなどして問題解決している。
〈発言分析・記録分析〉

3 授業の流れ

①豆電球と発光ダイオードで、使う電気の量に違いがあるか予想し、ワークシートに入力する。

②豆電球と発光ダイオードの明かりがついていた時間を3回ずつ計測し、Excelの個人シートに明かりがついていた時間を入力する。
【個人シート入力のメリット】

 児童が個人シートに明かりがついていた時間を入力することで、観察や実験結果が具体的な数値として表現されます(図1)。このプロセスにより、児童は自分の行動の結果を客観的に捉えることができ、自己評価や自己理解の促進につながります。

図1 個人シート

③集計シートに反映された数値やグラフから違いについて考察する。
【自動集計のメリット】

 入力されたデータが集計シートに自動的に反映されることで、時間の節約やデータの整理が容易になります。これにより、児童は集計作業に費やす時間を減らし、より多くの時間をデータの分析や考察に充てることができます(図2)。
 また、集計されたデータがグラフ化されることで、豆電球と発光ダイオードの違いを直感的に理解することができます。さらに、グラフを通じて児童同士や教師との対話が促進され、相互の意見交換や議論を通じて、深い理解や発見が生まれます。

図2 自動集計シート(数値・グラフ) 

4 学びのポイント

 データの集計と可視化を通じて、豆電球と発光ダイオードの性能差や利用場面についての理解を深めます。リアルタイムでのデータ分析とグラフ化により、児童は自らの考えを即座に形にし、仲間との議論を通じて新たな発見をする能力を養います。友達との協働的な学びを通して、コミュニケーションスキルや協力の重要性も実践的に身につけることができます。
 また、児童には、データを単なる数字として捉えるのではなく、それを通して物事の本質を見抜く力や環境への影響を考える意識を育むことにもつながります。

5 おわりに

 今回の学習を通じて、豆電球と発光ダイオードの性能や利用に関する理解を深めると同時に、データの集計と可視化の重要性を体験しました。リアルタイムでのデータ分析やグラフ化は、児童が自らの考えを形にし、仲間との議論を通じて新たな発見をする力を育む上で貴重な経験となりました。また、友達との協働的な学びを通してコミュニケーションスキルや協力の大切さを学び、データを単なる数字ではなく物事の本質を見抜く力や環境への影響を考える意識を育んでいくことができました。
 
 今後も、授業改善や働き方改革に向けて、効果的な活用方法を模索していきたいと考えています。
 子どもたちの深い学びの実現、教員の働き方改革の推進に向けて、ともに頑張りましょう。

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