今、この瞬間に思っているのが心
ものごとを悪く考えるのではなく、「人は正しく清く念じるもの(考えるもの)」だという良い方向での前提の上で、初めて会った人同士がどのようにコミュニケーションを取るのかを例に取って、心の特徴やはたらきを眺めてみましょう。
[前提]汚れた心も、清らかな心も、どのような言い分も、ともに真実だとする。一人の人間の心は、そのときの状況・環境によって変わっていくものです。
1. お互いに非常に広い海のような心を持っているものとして接する。初めての人同士では、お互いに、いろいろと聞き、理解しようとします。
2. 互いに慣れてくると、自分の感情や思いを表現する。相互に慣れた人同士では、感情や思いを率直に表現するようになります。
3. 互いに思いの全てを出して、省察して正しい方向にしようとする。すべてを出し切ると、いろいろな情報で混乱した状態になります。いわば葛藤の状態でもあるので、振り返りながらまとめていこうとするのです。
[結果]1から3の流れに従ってまとめ上げると、心が整った状態になる。この状態のことを、清らかな心と呼んでいます。
初めて会った人同士のコミュニケーションでは、その瞬間に全精力を使って互いのことを知ろうとします。ここに挙げた特徴は、互いをよりよく知るプロセスといってもいいでしょう。また、初めて会った人の「人」を、もの、こと、に置き換えても同じように思い、考えていくのだと分かります。