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ヘルムート・ヴァルヒャのCDに関する備忘録、後半。

前回の記事の続き、ヴァルヒャの音源情報まとめ後半(ユニバーサル編)。

ヴァルヒャはEMI(現ワーナー)ではアンマー・チェンバロ(モダン・チェンバロ)での録音を残して、それに対してアルヒーフ等(現ユニバーサル)では、オルガンやヒストリカル・チェンバロでの録音を残している。

ヴァルヒャのオルガン演奏は、モノラルとステレオで2回行われている。国内CDではポリドールから単体CDでちょくちょく出されていたが、ボックスセットとなるとステレオ録音(2回目の全集録音)は1984年に12枚組CDで発売されたもの(Archiv:419 904-2)がおそらく最初になる。モノラル録音(1回目の全集録音)はLPでは14枚組(Archiv:MAV 9911/24)がおそらく最初。モノラル録音のCD化(10枚組)は1992年に日本で出たのが最初(POCA-9002/11)。
EMIでのチェンバロ演奏同様、90年代前半にはアルヒーフ等の録音もデジタル・リマスター化がなされている。ここで初CD化となる『Orgelmeister Vor Bach』も登場(これの内、ブクステフーデと一部の演奏は「Galleria」というシリーズで2枚発売された)。

以下、所有しているオルガン作品のCDリスト。
・Bach: The Organ Works(Archiv:463 712-2)
 ※ステレオ録音12枚組。
・Bach: Organ Works The 1947-52 Recordings(Archiv:474 747-2)
 ※モノラル10枚組、海外初CD化。
・バッハ以前のオルガンの巨匠たち(POCA-2081/3)
・The Early German Organ School(Archiv:00289 479 5849-51)
 ※『バッハ以前~』の海外初CD化、50枚組ボックスのもの。
・Das Schaffen Johann Sebastian Bachs(Archiv:00289 477 8431)
 ※グラモフォンから出た55枚組ボックスのもの。一部録音がステレオ、モノラル全集共に未収録なので入手。

モノラル録音に関してはDocumentsという廉価版レーベルからもかなり安い値段でボックス発売されているが、これは低音に一切補正をかけていないのでそのまま聴くとかなりスカスカに感じる(アルヒーフから出ているものはステレオ録音と極端な差が無いようにリマスタリングで補正がかかっている)。
ステレオ録音に関しては基本的に問題ない音質だが、「Das Schaffen ~」のBWV 552だけが妙に音圧が強い上に高音がきつい(このトラックだけPre-emphasisでもかかっているんだろうか?)。

ヴァルヒャのヒストリカル・チェンバロの録音は2つある。『平均律クラヴィーア曲集』の2回目録音と、『ヴァイオリンとチェンバロのためのソナタ』である。
後者はヘンリク・シェリングとの演奏になり、ヴァルヒャ唯一の協演作品になる。この演奏は90年代以降廃盤でプレミア価格がついていたが、2015年にタワーレコードの「プレミアム・クラシックス」企画とはいえやっと手軽な値段で買えるようになった(自分もこれで初めて買って聴けたので本当にありがたかった)。更に海外では2018年にシェリングの44枚組ボックスにも収録されたが、こちらは他音源に不備があったとかで発売中止になってしまった(汗)

・平均律クラヴィーア曲集全曲(UCCA-3150/3)
 ※これも以前は若干プレミアがついていた、所有しているのはおそらくアンコールプレス品。
・ヴァイオリン・ソナタ全曲(PROC-1809/10)
 ※タワーレコード企画CD、レーベルとしてはデッカ表記。
・6 sonate Per Violino & Cembalo(Decca:483 4208/9)
 ※シェリングの44枚組ボックスのCD、ジャケットにはフィリップスのロゴ。

現ワーナーのリマスターと異なり、同じチェンバロ演奏でもユニバーサルは音量を上げないリマスタリングがなされている。ただしシェリングとの協演作はリマスターが異なり、海外デッカ盤は若干音が大きく聴こえるようにリマスタリングされている。

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前回の記事と合わせて、CDで入手可能なヴァルヒャの音源はこれで全部になる。『Musik Auf Historischen Instrumenten (FSM 123007/08)』もCD化されるような日が来ないだろうか…?( UωU)

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