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自#002|卒業式のBGMから想うこと(自由note)

 3月17日は、地域のホールで卒業式でした。私の職務は警備。生徒の中学時代のヤバいお友達が、トイレの下駄を履いて、原チャに乗って、ホールの入り口に突っ込んで来たら、体育系部活の顧問の主任と、あとラーメンをいくら食べてもスリムで痩せている筋トレ命先生と、三人で、身体を張って、侵入者をdefenceするみたいな、そんな昭和時代の学園ドラマじみた仕事は、勿論なくてホールの外で、窓の外の景色を眺めながら、立っていました。司会のマイクの声は、ロビーの天井に設置してあるスピーカーから聞こえて来ます。新型コロナウィルスの影響で、保護者は参加できず、プログラムも、大幅に短縮した卒業式でした。卒業式が、実施できただけでも、luckyだと考えるべきなのかもしれません。

 呼名の時のBGMは、自分がアレンジして、編曲して、ピアノを弾いて作ったので、良かったら聞いて欲しいと、音楽の先生に言われたので、日ごろは、hearで、ぽへーっとしてBGMを聞き流しているんですが、呼名が始まってからは、listen toモードに入りました。

 最初の曲はグレイ。幕張で20万人を集めた時よりも、ずっと昔の96、7年くらいの曲です(あとで聞いた話では、X Japanでした)。
「この子(生徒)らぁ、まだ生まれてないきね」(会話になると、ちょいちょい土佐弁になってしまいます)と、思ったんですが、これは担任のA先生が、ハードロッカーなので、配慮してあげたのかもしれません。後半は、校歌をアレンジして弾いています。低音が、ちょっと重たい感じです。まあ、そこが校歌っぽくて、dignityがあるってことかもしれません。

 次のクラスは、中島みゆきさんの糸。私立高校で世界史の教師をやっているMくんと云う教え子がいて、彼が中島みゆきのコアなファンです。授業のエンディングは、すべて中島みゆきです(もっとも頻度は少なくて、月イチ程度らしいです。私と同じように、エッセーのようなプリントも書いて配っています)。夜会のDVDを何枚か、貸してもらって、見たこともあります。私は、若い頃、車に乗っていて、カーステレオでニューミュージックを良く聞いていました。中島みゆきの「悪女」くらいなら、カラオケに行っても歌えます(まだ、一度もカラオケに行ったことはないんですが)。糸は、良かったです。この曲が好きだと云う気持ちが、伝わって来ました。

 サウンドは、基本、低音部が重くて、高音部がぺかぺかです。これは、ピアノ奏者の問題ではなく、ピアノ自体の限界です。スタンウェイとか、ベーゼンドルファだと、きらきらの音色のrangeが広がるんだろうと想像しています。音楽祭のリハーサルは、隣の私立高校のホールを借りて、そこのピアノ(スタンウェイ)を使って、実施したんですが、中音域の音色が華やかで、低音部もヤマハほどは重くないと感じました。

 翼をくださいが流れた時、long long time agoの自分の中学校の卒業式も、確かこれ流れたなと、思い出しました。

で、次が流浪の民。何回聞いても、金太郎飴のように、同じパターンの中学校の貯金バージョンだった音楽祭の「流浪の民」の演奏が、脳裏に蘇って来ました。

森山直太朗さんのさくらの曲は、ちょうどさくらも開花して、季節感あふれるjustな選曲でした。

 最後のクラスの呼名をした時、代表生徒の女の子が、大きな声で、はっきりハイと、さわやかに返事をしました。そこまでは、except one、ひょうきんな男子を除いて、みんな蚊の鳴くような(蚊が本当に鳴くかどうか、寡聞にして知りません)声だったんですが、最後に彼女が、ぴしっと締めてくれて、引き締まりました。何ごとも、終わりは大切です。ところで、最後に流れたのは、スティービーワンダーの「I just called to say I love you」。「おーっ、スティービーワンダー、キター!!」と、「エルメス、キター!!」みたいに熱くなりました(エルメス、キター!!、をもしかしたら知らない?)。

 呼名の後は、式辞、送辞、答辞の三点セット。来賓祝辞、祝電披露、議員紹介、PTA役員紹介などなどは、一切なし。何と、48分で終了しました。「しゃくとして、これベストじゃきに」と、思ってしまいました。階段ですれ違った同僚に、
「まっこと、短こうて、感動したけん」(いや、実際は標準語を使いましたが)と、声をかけました。長いよりは、短い方が、断然いいです。

 最後のエンディング曲は、あった方が良かったような気がします。この日の流れだと、最後は、スティービーワンダーの「Conversation Peace」で、きまりです。youtubeの音楽は、音質が悪いので使いたくないんですが、i tune系の配信ですと、CDとさほど変わらない音質なので、問題なしです。配信を使えば、瞬時に、justの選曲をすることが可能です。

 本当でしたら、私はこの後、イベントが目白押しでした。毎日、毎日、とんでもなくhardなイベント続きで、その一番、最後が今年の3年生の卒業コンサートでした。そこで、3年生も卒業するし、私も終わると云う段取りでした。3年生は、まあ今日で終わりだとして、自分自身の終わりがなくなってしまいました。卒コンの最後に、腹心の教え子のYくんにアコースティックギターを弾いてもらって、ボブマーリーの「Redemption Song」を歌うつもりでした。Yくんには、1月の上旬に、「Redemption Song」のスタジオ録音バージョンと、ライブバージョンの2つの音源を送ってありました。微妙にKeyも違ってますし、曲の雰囲気も異なっています。その場の雰囲気で、どちらのバージョンで行くか、決めるつもりでした。気持ちがhighになっていたら、ライブバージョン。何となく湿っぽい雰囲気になっていたら、スタジオ録音バージョン。「Redemption Song」は、ボブマーリーが、最後、死ぬ前に歌った(36歳で癌で逝去しました)、いわばswan songです。まあ、私は、今のとこ死ぬ気は全然なくて、にくまれっ子は、このあともはびこるつもりですが、軽音部の顧問としては、いよいよ、The Endなので、この曲を歌って、ピリオドを打ちたいと思っていました。

新型コロナウィルスにしてやられたわけですが、そもそも、誰の人生も、そう思い通りにはならないものです。ダグラスマッカーサーのあの有名なセリフみたいな展開になってしまいました。

 Old soldiers never die.They just fade away.
(老兵は死なず、ただ消え去るのみ)

これは、朝鮮戦争の時、極東軍の司令官をトルーマン大統領に解任された時の台詞です。

 卒業式が終了して、学校に帰って来たら、停電でした。電気施設の検査をやっているんです。窓が大きくて、広い、4階に上がって、本を読みました。新しい校舎の4階の北のエレベーター前の空間の音響が、とんでもなくすぐれているんです。naturalな空間リバーブがかかっています。英語の音読などをすると、たちどころに効果が現れます。一度、ここで、アコースティックライブをやっておきたかったなと、a little、後ろ髪引かれる気持ちです。

広い窓の遠景に冠雪した富士山が見えます。3階の教室からも、図書室からもきれいに見える筈です。「富士の高嶺を遠く見て」の校歌のフレーズ通りの景色です。イケメンたちが、富士山を背景にして、次々に自撮りして、インスタに上げれば、学校のPRに貢献しそうです。



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