自#005|生きている間は、じたばたしながらも、教え子たちを見守ってあげたい(自由note)
修了式に生徒が、登校しました。修了式は、放送で実施しました。私は今の学校に11年間、勤めましたが、離任式のようなイベントもありません。もしあれば、Mr.BIGの「To be with You」を歌うつもりでした。グランドで、マイクを使わず、ご近所から苦情が来るくらいの大声を張り上げて、歌う気持ち満々でした。が、それもなくて、職員室で賛数仙人が書いた、「難関中学に合格する算数脳の鍛え方」を読んでいました。一応、自称、教育系ブロガーですから、入試全般についての幅広い知識が必要です。
2年生の部活の部長が、OBが来ますと言って来ました。部活はアコースティックギター部と云うバンドの部活です。私はリタイアするので、OBたちに、現役の後輩をサポートしてやってくれと、頼んでおく必要があります。
4階の講義室で、2年生と喋りました。「塾に行く必要はありますか?」と、聞かれました。中学受験ですと、塾は必須です。中学受験のカリキュラムをきちんと持っているのは、大手の進学塾だけです。首都圏ですと、Sapix・日能研・四谷大塚・早稲田アカデミーの4つです。大学受験の場合、予備校や塾がカリキュラムを持っているわけではありません。大学に合格するためには、カリキュラムを自分自身が、志望校に合わせて、こしらえる必要があります。自己管理ができれば、予備校・塾は不要です。現役と、進路の話をしている時に、今年卒業した部長と、大学1年、2年の元幹部たちが来てくれました。OBが、歴代の部長が書いた色紙と、初代の学年の卒業生が書いてくれたメッセージと、小さなブーケと、写真をくれました。SNSを駆使して、準備してくれたんだ思います。写真は、初代から7代目までの部長と私が、GBのステージ前に並んでいるスナップと、今はなき、legendの地学室の集合写真です。
初代のOBたちが書いてくれたメッセージを読むと、結構、多くの卒業生が、音楽の世界で仕事をしています。過去の10世代の中で、音楽的には一番、才能のある学年でした。音楽業界でなくても、ほとんどのOBたちは、音楽を人生の伴侶として、日々、過ごしているんだろうと、勝手に想像しました。
アコースティックギター部が、この先、少々、弱体化することはあっても、続いて行って欲しいと願っています。私が望んでいるのは、ライブをやって欲しいと云うことです。一年生の時期部長のRくんと、日大の合同練習(来日祭)に行った時、少し話をしました。
「ライブをやって欲しい。ライブは、高校時代にしかできない」と、彼に伝えました。Rくんは、高1です。ライブなんて、高校を卒業しても、いつでもやれると考えているのかもしれません。が、違います。余計なことを一切考えず、ライブをやり切れるのは、高校時代限定です。高校を卒業して、大人になると、いろんなことを考えます。配慮も、気配りもできるようになります。高校時代は、配慮も気配りも不要です。ライブをやり切ればいいんです。機材が少々、壊れるとかって、ライブだったら当たり前です。配慮や気配りは顧問がやればいいんです。私は、35年間、ずっとそれをやり続けて来ました。何も考えず、ライブをやって楽しかった、これは高校時代にしか経験できない財産です。私が面倒を見た10世代の学年は、すべてライブを経験しています。発表会ではなくライブです。私は、10世代だけではなく、35年間、ライブを生徒にやらせ続けてあげたと、言い切れます。UKロック的な生き方を貫いたと思っています。英語で言う所の「I did it!」いや生徒と一緒にやり切ったわけですから「We did it!」です。
今年の2月のU-16のフェスで、どっかの高校のバンドが、ハッピーエンドの曲を演奏しました。明らかに70’sの音色です。16歳の高校1年生が、70’sの音色を出すのは、正直、まか不思議でした。が、音楽が本当に好きなら、70’sも60’sも時空を超えて、shareできるわけです。
途中から、現役の高1も講義室に入って来ました。私は、久々にずっと喋っていました。最近は、喋らなくなりました。ネットデビューはしましたが、今まで書いていたプリントを、ネット上で書いているだけのことです。You Tuberになりましたが、You Tubeの動画を撮る時しか、スマホは使ってません。若い人とは、過ごして来た文化が違います。聞いている音楽も、かけ離れています。最近見た映画だと「スマホ落としただけなのにパート②」と「地獄の黙示録」。「地獄の黙示録」は、これで4回目でしたが、やっぱり感動しました。「スマホ①」の方は、2日後くらいには、もうパート①と内容がかぶってしまっています。
昔は良かったとは言わないことにしていますが、最近のトレンドには、ついて行けません。職場に通う最寄り駅の近くには、タピオカ屋が、4店もあるのに、いまだに「Tapioka, What’s?」って感じです。
ブレイディみかこさんの「ぼくイエ」を読みました。保守党政権の引き締めの結果、英国社会の貧富の差は、より一層、二極化してしまっています。これ、さすがにヤバいだろうと、思ってしまいそうなほどの公教育の崩壊現象が起こっています。これが、将来の日本の未来予想図なのかどうかは解りません。が、生きている間は、何やかやじたばたしながらも、教え子たちを見守ってあげたいと云う気持ちもあります。
二代目の部長が色紙にこう書いています。
オレだ。何かあったらいえ
長く生きる方が今の時代パンクだぜ、そうだろ
66期 Y・U
Uくんにあとを任せられるのは、まだ天文学的数値の未来の果ての果てって感じもします。が、将来、教員になって、軽音部の黄金時代を築き上げて、後夜祭でダイブをやってくれるような熱い顧問になるまで、生き延びて、活躍ぶりを見届けたいと云う欲もあります。
新型コロナウィルスとか、正直、1ミリも怖くないです。が、OBも現役も、ニシモリさんはもう年寄りなんだから、そこは、やっぱり警戒しなきゃいけないと心配してくれています。4月12日に、33歳~34歳頃に面倒を見た教え子たちが、退職祝いライブを実施してくれる筈でしたが、7月12日に延期になりました。それは、結局、年寄りの私のことを心配してくれているからです。心配してくれている教え子たちには、素直に感謝しています。超満員の映画館には、出向かないようにするつもりです。取り敢えず、このコロナウィルス時代を、無事、乗り切ります。
去年、東工大の大学院に進学したOBに、在学中、「東大を目指せ」と、言ったことがあります。現役で早稲田に行きますたが、東大を目指せるpotentialを充分に持っていた生徒でした。やっぱり、できるだけ上の学校に行っておいた方が、見える景色が違って来るんです。
職員室に戻って来たら、ほとんど喋ったことがない社会科の若い先生に、
「先生は、いつも勉強をされていて刺激を受けました」と言ってもらいました。確かに、私は他の先生方よりは、多分、より長時間、勉強しています。基本、世間話とかしませんし、アルコールも飲まないので、翌日、二日酔いで、gdってるってこともありません。勉強していると云う後ろ姿は、あまり生徒には見せてなかったかもしれません。3年生も含めて、部活の現役のみなさん。自分は、まったくのノー勉などと云う自慢は、絶対にしないで下さい。1、2年生であっても、少なくとも、英語だけはきちんとやっておくべきです。