自#195|谷間(自由note)
フィンランドのサンナ・マリン首相が、胸の谷間が見えるジャケット姿で、雑誌に登場したことが、波紋を広げていると、新聞に記事が掲載されていました。マリン首相は、35歳です(四捨五入するとアラフォーですが、見た目アラサーです)。写真を見ると、多少、凝った首から胸にかけて広がっているネックレスを身につけ、黒ジャケットの襟は、かなり下まできれいなV字を描いていて、ブラウスや下着は着用してません。上半身は素肌で、ジャケットだけを羽織っています。恋人やパートナーにジャケットの襟から、いつでも胸に手を入れて下さいと、セックスアピールしているようなポーズだと、見られなくもないんですが、たとえそうであっても、それは、個人の自由だろうと云う気がします。この服装は、国会での答弁の場のスタイルではなく、ファッション雑誌に掲載するためのそれです。正直、何の問題もないと思います。スマートで、カッコ良くて、Sex and the Cityに登場してもいいような、gorgeousな服装です。今週の週刊朝日に出ていた、ドン小西の「イケてるファッションチェック」の金正恩朝鮮労働党委員長のファションポイントは、1 DON(満点は5DON。五段階評価です)だったんですが、マリン首相のきわどいVネック、ネックレス、肩にかかるさらさらのきれいな髪…等々を総合すると、4 DONくらいは獲得しそうな気がします。フィンランドの森の奥の湖のようなblueの瞳と、整った鼻筋、白いきれいな歯なども加味すれば、満点の5 DONに多分、届きます。
一部のソーシャルメディアに、「下品」「不適切」「安っぽい「信頼を落とす」「目立ちたがり屋」などと批判が出たそうです。私は「えっ、これってもしかして、イケてないアラフォーの井戸端会議?」と思ってしまいました。森と湖、妖精とサンタクロースのいるfantasticな国でも、井戸端会議と云うものが存在するんだと、認識を新たにしました。フィンランドは、教育と民主主義の先進国と言われていますが、案外と底が浅いかもと、遠い異国の人間にまで、疑念を抱かせたと云う意味では、このSNSに投稿して批判をした人たちは、フィンランドの信用を、幾分なりとも失墜(しっつい)させてしまったと言えそうです。
まあですが、日本でしたら、これくらいのディスりは、日常茶飯事です。ホリエモンは、notorious minority(うるさ型の少数派)と名付けて、この人たちを自分のSNSでブロックしたら、SNSが快適な状態になったと、いつだったかインタビューに答えていました。が、日本のうるさ型(notoriousと云うよりfaultfinder、あらさがしをする人と云った方がより的確です)は、決して、minority(少数派)ではありません。誰か、それなりにpowerを持っている人が批判すると、多くの人は、それにすぐに同調してしまいます。バッシングが始まると、大衆は、ほとんど何も考えず、それに加担してしまいます。
マリン首相は、みた目、チャーミングなんです。上半身しか写ってませんが、上半身のバランスはいいし、まあ、脚もそれなりに細いんじゃないかと勝手に想像しています。マリン首相が、日本のイケてない女芸人のような外見でしたら、正直、何の話題にもならず、スルーされたと思います。見た目チャーミングだと云うことは、やはり、嫉妬、妬みを掻き立てる、重要なモチベーションになってしまいます。人間性の弱さは、洋の東西を問わず、少しも変わらないと云うことだなと、simpleな真実を、あらためて再確認してしまいました。
V字の谷間の見え具合について、法で規制するのは、らしくないし、国家権力が、そこまで入り込むと、息苦しい感じがします。これはやはり、エチケットの問題です。国会答弁の場で、このV字はふさわしくないとしても、ファッション雑誌では許されると云った常識的なエチケットは、本当でしたら、北欧のような自由と民主主義の先進国では、確立している筈です。が、社会に対して、世の中のあり方に対して、不満を持っている人は、いつの時代にも、どの社会にも、ある一定数は確実にいます。この人たちは、当然ですが、不満のはけ口を求めています。井戸端会議くらいでしたら、その場だけのワイワイガヤガヤで、無事に終わってしまうんですが、SNS上で井戸端会議的なことをやってしまうと、世界中にいる不満を持っている方が、付和雷同的にそれに乗っかって来てしまうと云うことも、考えられます。
マリンさんを擁護しようとする人たちは、マリンさんと同様の格好をして(つまり上半身裸体に深いV字切れ込みのある黒ジャケットを羽織って)写真を撮り、ハッシュタグ「# サンナ(マリナ)とともに」をつけて、インスタグラムに投稿しているそうです。上半身裸で釣りをしたり馬に乗ったりしているロシアのプーチン大統領とか、花柄の赤い短パン姿で、真冬にジョギングしているジョンソン英首相とかはどうなんだ、みたいな話題も出てたりして、こうなるともう、ノルウェー首相のV字谷間をきっかけにして、みんながお祭り騒ぎをしているだけだと云う気もします。まあしかし、Far East、極東の片隅で、V字切れ込みネタで、ノートを書いている私も、最末端あたりで、お祭り騒ぎに加担してしまっているとは言えます。
V字谷間を離れます。昨日、脚について書いたので、自分は女性の脚に興味関心を持てる人間なのかどうかを、検証するために、行き帰りの電車の中で、視界に入る限りの脚を積極的に観察してみました。脚が太い女性は、一人もいませんでした。私がJuvenileの頃、大根足とかカブ足の女子は、普通にいたと思います。社会人になって、長い間、高校の現場で過ごして来ましたが、「この脚は、めっちゃ太くて、ちょっとヤバくないか」と感じた女の子は、少なくともここ20年くらいはいなかったような気がします。まあ、そもそも関心がなくて、注目もしてなかったんですが、いくら注目してなくても、極端に太ければ気がついた筈です。
K高校の担任時代、修学旅行中、ずっとスケッチをしていました。バスガイドさんのスケッチをしていて、「あっ、足太い」と思いながら、リアリズムで、イラストを描いてしまいました。バスガイドさんが、「えっ、スケッチしたんですか。見せて下さいよ」と懇願したので、素直に見せたんですが、太く描いた足が気に入らなかったのか、その後は、一度も口を聞いてくれず、無視され続けました(これは盛ってなく、まんま実話です)。この修学旅行は、20年くらい前のことです。この20年間、このガイドさん以外に、太い足の女の子を、見たことがなかったかもです。日本人の体型が、変わって来たんだろうと想像しています。あっ、おばさんで足の太い人はいますが、まず間違いなく、身体全体が太ってしまっているので、足だけを取り出して、太いとか細くないと云ったコメントは、できないと思います。昨日、たった一日だけのwatchingでしたが、私は女性の足にはまったく興味、関心を持たない人間だと、あらためて理解しました。Sex and the Cityを見る時、その分、面白さは逓減してしまいそうです。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?