自#067|化粧は正しさじゃない(自由note)
昨日、次女と二人で、吉祥寺のB美容室に、ヘアカットに行きました。Hさんと云う美容師さんに、もう33、4年くらい私は、髪を切ってもらっています。愛娘の次女も、ここ4、5年くらい、Hさんにヘアカットを頼んでいます。1年に3回くらい、二人で一緒にB美容室に行きます。
私が、初めてHさんに髪を切ってもらった時、Hさんは、シャンプーさんからカットにstep upしたばかりの頃で、二十代の前半だったと思います。33、4年が経過しましたから、今は、50代の後半の筈です。が、見た目は若いです。40代にも見えません。30代半ばくらいで、20歳以上も若く見えます。アンチエイジングの方法論とかスキルとかは、確かに存在するとHさんを見ていると信じられます。
マスクは、オリジナルのものをキッチンペーパーで拵えて、それを顔に貼り付ける仕組みでした。一回限りの使い捨てマスクを使用することによって、感染防止の効果を上げようとする試みだと思います。
私とHさんとは喋りません。33、4年も通っているわけですから、どういう風にcutするのかは、理解してくれています。私は、一切、何も喋らないで、cutの作業中は、目を閉じて、音楽を聞いています。他の美容室に行かないので、解りませんが、B美容室では、洋楽しか流れません。洋楽の歌モノです。JazzのVoは、一度も聞いたことがありません。ハードロックは、以前、たまに聞きました。ガンズ&ローゼズが、一世を風靡していた頃です。基本は、ポップスです。昨日は、30'sのポップスが流れていました。大恐慌のあとの割とゆるゆるした癒やし系です。ピーターボクダノヴィッチ監督の「ペーパームーン」では、30'sのジャズが流れていましたが、あれのポップス版のようなものです。
音楽だけが流れていて、ゆったりと癒やされる、まあそういうことを、多分、私は美容室に求めています。が、つなぎで入って来てくれる若い美容師さんや、シャンプーさんには、めっちゃ話しかけられます。シャンプーさんですと、「お湯加減どうですか?」とか「お痒いところありませんか?」とか「力加減はどうですか?」と云った定番の質問もして来るので、まあ、こっちも、のべつまくなしで、何やかや答えなければいけません。美容師になって苦労している教え子もいますし、そう無愛想な応接をすることもできません。
ところで、シャンプーさんに、オーガニックシャンプーを勧められました。この日の朝、オーガニックに関して、懐疑的なノートを書いたりばかりだったので(オーガニックそのものに懐疑的になっているわけではなく、オーガニックで植物を育てることは、ほとんど不可能だろうと云う意味で、懐疑的なんです)。当然ですが、オーガニックシャンプーに対しても、懐疑的になりました。
そもそも、私はシャンプー、リンスの類いを使用しません。高1の途中で、シャンプーやリンスとは、say-goodbyeして、石鹸で髪や身体を洗うようになりました。旅行をすると、旅館やホテルには、シャンプー、リンス、ボディソープぐらいしか置いてない施設が多いので、石鹸は持参しています。私の親友のHも禿(は)げていますし、60代半ばになると、髪は薄くなりますが、私は、髪の量は、若い頃と、さほど変わってません。白髪は多くなりましたが、髪は減ってません。それは、シャンプー、リンスを使わないことも、ひとつの理由だろうと、推測しています。石鹸は、オーガニックだとは言えませんが、シャンプーよりは、はるかにオーガニックっぽいです。美容室のオーガニックシャンプーが、どういうものなのか多少、興味はありましたが、値段も高く(倍以上です)そこらに氾濫しているオーガニックには、基本、懐疑的ですから、オーガニックシャンプーは、あっさりスルーしました。
美容室を出て、帰りに本屋で、アエラを買うと、オーガニック美容家の吉川千明さんのインタビュー記事が掲載されていました。吉川さんは、オーガニックで、エステをされているそうです。自宅のパソコンの前に座っている写真が、最初のページに出ています。床に犬がいて、テーブルの脚をかじっている感じがします。犬なんだから、それもありかなと思います。吉川さんは、バランスボールの上で正座をしています。簡単にできることではないです。背中はまっすぐ伸びています。背筋を伸ばす高価な椅子を買うよりも、修練と工夫をすれば、バランスボールの方が、背筋は伸ばせそうです。美を追究している姿勢は、バランスボールに正座しているスナップ写真からも伝わって来ます。
オープニングでは、吉川さんと、植物療法士の森田敦子さんのトークイベントの様子が紹介されています。冒頭、森田さんが「快感はとても大切」と、オーガズムの話を始めます。吉川さんが、「女性ホルモンも関係している大切な話ですよね」と、合いの手を入れます。そして、自分自身の更年期の体験を語ります。聞いている更年期を迎えた、あるいは、これから迎えようとしている女性たちが、耳をダンボにして、listen toしています。二人は、膣の乾きや痛みを、どうケアするのかと云ったことを、柔らかな口調で語り続けます。場所は、アロマの香りのする百貨店のイベント会場です。二人は、性を美容のボキャブラリーで、肩肘張らず、さらっと語っています。対談のイベントが終わると、女性客たちが、物販で置いてあるオーガニックな化粧品を、次々に購入して行きます。
女性の不調、月経や更年期の話を率直に語り、更年期後、どんな風に美しく自分を保って行くのかを語ります。アンチエイジングの可能性を語り、美しくあり続けることの夢を語っています。生徒たちに、将来の夢をさほど(いやほとんど)語れてない高校の教員もlisten toすべきtalkの内容かもと、思ってしまいました。
「化粧は正しさじゃない。ちょっと不良っぽい。だから好き。女性は柔軟に生き延びて、自分を活かし、自分をケアする力をつけて欲しい」と、吉川さんは言ってます。小さい頃、お母さんの鏡台に並ぶ舶来の化粧品を毎日試して、マスカラをつけたら目が大きくなり、口紅をつけたら顔が明るくなると、わくわくしたそうです。跡見学園に通っていた頃は、レブロンのピンクのリップに青いシャドーをつけていたそうです。お化粧が大好きだった中二病時代の自分を、いつまでもheartの奥に、持ち続けている、情熱あふれるエスティシャンだと、私なりに理解しました。
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