【受験ノート】青山学院大学
国際系学部(学科)が増え続けています。「柳の下に何時もどじょうは居らぬ」と、広辞苑には掲載されていますが、国際(Global)と云う錦の御旗の下には、何百匹でも何千匹でも、どじょうがうじゃうじゃいると云う勢いで、国際系学部・学科が雨後の筍(たけのこ)のように林立しています。つい最近ですと順天堂大に国際教養学部、千葉商科大に国際教養学部、関東学院大に国際文化学部、青山学院大に地球社会共生学部が、新設されました。
青学の地球社会共生学部は、相模原キャンパスに開設されましたから、相模原線沿線の方は、原チャで山を越えて通学することができます。青学にはすでに、国際政治経済学部があって、勉強もhardで、青学の中ではガチで、英語教育に力を入れまくっている学部なんですが、海外に留学する学生は、ほとんどいません。ちなみにMARCHクラスで、海外への留学生をそれなりの数、送り出しているのは法政だけです。海外留学を制度として義務づけない限り、今どきの学生は、海外留学などしないと云う、ごく当たり前の事実に気がついて、青学は新たに(GSC)地球社会共生学部(School of Global Studies and Collaboration)を創設したんです。TOEICは、1年終了時、3年終了時に強制的に受験させますが、TOEIC800点を越えないと進級させないと云った思いきった本気のシステムは、まだ導入できない様子です。パンフレットを見ると、点数の伸びを確認するとかと云うTOEIC対策です(進級させないとかと云うシバリをかけない限り、学生は本気で勉強しません。青学の国際政治経済学部の学生が勉強するのは、勉強しないと進級、卒業ができないからです。今どきの学生は、自主的に勉強したりはしません。そこは、やっぱ荀子の性悪説に立つべきでしょうと、思ってしまいます)。
GSCでは、IELTS (International English Langage Testing System)も受験させ、IELTS(アイエルツ)対策も実施するそうです。IELTSはブリティッシュカウンシルが実施している、イギリス・オーストラリア・ニュージーランド・カナダなど、旧大英帝国圏の大学に留学を考えている方のための、英語能力判定テストです。イギリスやオーストラリアの大学に進学するためには、IELTSのスコアが要求されます。ところで、GSCでは、2年後期or 3年前期に半年間、留学することが義務づけられているんですが、留学先は東南アジアなんです。東南アジアの多くの国を(マレーシア・ミャンマー・シンガポール)旧大英帝国が、支配していたからだろうかと、深読みしてしまいます。本格的に勉強するとなると、やはり1年間の留学を義務づける必要があると思います(早稲田の国際教養学部も秋田の国際教義大も1年間の留学を義務づけています)。留学先として、チュラロンコン大・チェンマイ大・タマサート大などが予定されているそうです。シンガポールにはYale-NUSカレッジと云うエール大学の分校のような大学があります。東南アジアのトップクラスの学校です。ここへ留学できるとかと云うのであれば、めちゃすげえウリになるんですが、まず難しいです。
相模原キャンパス内の学生寮で、留学生と異文化体験ができると、アッピールしています。これを一番、最初にはじめたのは、立命館アジア太平洋大学(APU = Ritsumeikan Asia Pacific University)です。留学生と寮で部屋をshareして、一緒に生活するので、自ずとグローバルな体験ができるシステムですと、APUさんは、アッピールしていました。何年か前に、「辛口大学選び」の案内本が、日本人の学生の半分は寮に入れない、寮に入れない日本人学生は、結局、日本人学生同士でつるんでいて、これっぽっちもグローバルじゃないと、暴露しました。90'sの高校生留学がトレンド、だった頃、「えっ、コイツが?」みたいな英語力のカケラもない生徒が、英語圏の国の高校に留学で出かけました。AFSのような昔からの伝統のあるちゃんとした交換留学を推進している組織ですと、日本人の留学生は、その学校に一人だけなんですが、そこらの業者が斡旋する場合ですと、同じ学校に何人も複数、日本人の留学生がいます。そうすると、当然のことながら、その日本人留学生同士でつるんでしまって、結局、英語力もたいして身につかず
「1年間、いったい何してたんだ?」と、こちらが首を傾げてしまう留学経験者が、たくさんいました。英語を絶対にしゃべらなきゃいけないと云う環境に置かれない限り、日本人は努力しません。日産の元CEOのカルロスゴーンは
「英語を話せない社員はクビだ」と、かつて言い放ちました。そうすると、そこらのおっちゃんまで、英語を話すようになりました。
「英語教育は、性悪説に立って、厳しく義務づけない限り、学生は積極的に学んだりはしない」と、きっぱり腹をくくって、学生を鍛えるべきなんです。
GSCの東南アジア留学の良いところは、さほど費用がかからないと云うことです。東南アジアの物価は、日本とは較べものにならないほど安いので、当然、学費も信じられないほど低額です。相手大学の学費はかからないと、パンフレットには書いてあるんですが、青学の高い学費を払っているんですから、当然です。
英語力をつけさせるために、ネイティブ講師による1クラス20人以下の能力別クラスの授業を、週5× 90分でやると、パンフレットではいっていますが、卒業生が出て、就職実績が出てからでないと、評価は難しいと言えるでしょう。
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