【詩】執着
あなたとの出会いは
道を曲げました
私の人生は
果てなき樹海へと
一直線になりました
あれは欲情でした
一瞬でも
見てしまったばかりに
あなたの顔を
腕を
背中を
生命を
いっそのこと
目を潰してしまえば
樹海のなかで
朽ち果てることもできたのに
あなたへの想いは
すべて風化したのに
別れたあの日の
傷だけは
今でも残っています
あなたは他人でした
私が勝手に
自分のなかに
あなたを取り込んでいたのです
あなたとの分離は
肉体に
激しい痛みをもたらしました
今もそこは
痣になって残っています