【詩】ばか
誰かと一緒にいるというのは
さみしいことだね
あんたが教えてくれた
死んだんだってね
あたし泣かなかったよ
あんたがいなくなったから
ようやくさみしくなくなった
ほっとしたよ
いつ消えたのか
何があったのかはわからないけれど
生きることに向いていなかったもんね
だからちっとも驚かなかった
ねえ、秋が来たよ
彷徨う道にはいつも風が吹いている
あんたに抱かれるたびに
あたし死ぬかと思った
これが最後
これで最後って
感じていたからなのかな
幸せって死ぬことなんだね
あんたに殺されたいって
ずっと思っていたのに
先に死ぬなんてばかみたい
わかっていたけれど
落ち葉をさくさく踏んでいると
なんだか心が頼りなくて
あんたのがっしりした腕で
攫われたいって思うよ
ねえ、秋が来たんだよ
知ってる?