【開催報告】TCHよるの部 vol.5 -英語が話せなくてもできるインバウンド対応のコツをきく-
3月26日に行われた、TCHよるの部 vol.5の様子をレポートします。
今回のテーマは、
「英語が話せなくてもできるインバウンド対応のコツをきく」です。
これまでの参加者の方から、
英語が話せないから外国人観光客対応に困っている。。。
という意見がありました。
しかし、英語が話せないから外国人観光客対応ができないということはありません。実は、高山にはそれを証明しているお店があるのです!
今回は、外国人観光客対応を約20年前から始め、トリップアドバイザーで1位を獲得している「平安楽」の女将さんをゲストにお迎えしました!
外国人に人気のお店では、どんな対策をしているのか?
お話していただきました。
●TCHからの情報提供
今回は、これまでのよるの部で議論にあがっていた、高山の宿泊施設事情について情報提供を行いました。
「これだけ新しい宿やゲストハウスができているけど、宿泊施設の容量はそもそもどうなっているの~?」という疑問に対し、TCHが調べてみました。
近隣(長野・石川・富山)と比較した岐阜県の特徴としては、以下が挙げられます。
※データはH29時点
・宿泊施設の数は、長野県より少なく、石川、富山より多い
・旅館が多い(全体の60%以上)
・他県より旅館が多いが、客室稼働率は低い
(石川県の50%超に対し、岐阜県は38%)
・高山市は、外国人観光客の昼間と夜間の人口比率の差が激しい
最後のデータはどういうことかというと、昼間の高山に滞在する外国人観光客の数より、夜間に高山に滞在する外国人観光客がずっと少ない。つまり、“宿泊していない”ということになります。
昼間の滞在人口は、金沢市とそんなに変わりません。
それに対して、夜間の滞在人口には大きな差があることがわかります。
旅行者が消費するお金の中で、「宿泊費」はかなりの割合を占めています。つまり、泊まっていく人が多いほど地域に落ちるお金は大きいのです。
外国人の平均滞在日数は2.5日(TCH調べ)、私は、思っていたより泊まってるな という印象でしたが、旅館の稼働率が低い現状と比べると、まだまだここは伸ばせるポイントだと思います。
そして、宿泊施設が増えているこの現状をどうみるか? ですが、正直何とも言えません。
例えば、現在高山に少ない高価格帯のリゾートホテルが増えることは、宿の価格帯のバリエーションが増えたり、富裕層の誘致には聞くかもしれません。
一方で、旅館の稼働率をみると、競争が激化してお客さんのとりあいになるんじゃないかな。。。という気もします。
これから参入してくる宿泊施設には、“全体量”ではなく“多様性”に貢献してもらえることを祈るしかない。。。といったところでしょうか?
●平安楽女将さんの話
前座が長くなってしまいました。。。
ここからは、今日の本題、平安楽の女将さんのお話です!
このWSを始める前に、女将さんはこのように仰ってました。
~平安楽さんからのコメント~
私たち夫婦はこれまで外国人のお客様の対応に失敗を繰り返しながら、地元のお客様との交流の中で対応を学び楽しんでいただくための方法を考えてきました。これから外国人観光客対応を準備するみなさんに失敗は必要ありません。なぜなら十分な情報があるからです。英語が話せなくても準備をするだけで対応のストレスが軽減されます。外国人観光客の対応に地域全体で取り組んでいきましょう。
。。。。当然ながら、女将さんも最初から外国人対応ができたわけではありません。他のお店より早く取り組みを始めた分、苦労をされたこともあったようです。
例えば。。。
ある時、肉をぬいてくれというベジタリアンが現れました。その時は「こういった理由でできません」と、英語で表現できなかったため、言われたままの料理を作ることに…結果的に、お客さんとはうまくコミュニケーションが取れず、お店にもあまり良い評価をされなかったようです。
そのような悔しい思いを経験したからこそ、今があるのだとか。。。
できることを一つずつ積み重ねながら、今のお店の評価を獲得したそうです。今では、お店に来るお客さんに積極的に話しかけ、コミュニケーションをとっていらっしゃいます。
お話の内容は、大変参考になるものであり、同じ飲食店をやっている私も、「自分はできているだろうか。。。」と反省するような内容もいくつかありました。
また、持ってきていただいた資料からは、周辺のお店にヒアリングをしながら、いいと思ったインバウンド対応をどんどん取り入れている様子が読み取れました。本当に素晴らしいことだと思います。
すごいところを挙げていくとキリがないのですが、女将がポイントだと仰っていたことと、参加者の勘所が一致した部分を要点とすると、以下のようなものだと思います。
・インバウンドのお客さんには、背景やストーリーを伝えることが大切。それがあるか否かで、商品やメニューの売れ行きは大きく変わる。
・まず、書くことが大切。間違いにはある程度寛容になり、コミュニケーションをとる という姿勢をみせることが大事。スペルミスなどの細かい間違いはお客さんが教えてくれることもある。
・難しい英語力は必要ない。こわばっているようにみえる人でも、こちらから話しかけたら、相手の評価は高くなる。「How are you?」と一言いうだけで、お客さんのほうからいろいろと質問してくる。それにも完璧に答える必要は全くなく、身振り手振りのコミュニケーションでもお客さんはいい反応を返してくれる。
ん~。。。もっとあったのですが書ききれません!!
総括をするとすれば、英語ができることと、英会話ができることは、違うということでしょうか?
病院やレンタカー屋さんなど、きちんとしたルールの共有や意思の疎通が必要な場所ならともかく、飲食店で英語が通じなくて困った(≒低い評価をされた)というのは、あまり当てはまらないことだと思います(もちろん、宗教上の理由やアレルギーには十分注意する必要がありますが)。
もっとポジティブなことを言ってしまえば、英語が流暢で満足度が下がることはまずありませんが、そうでなくても「ローカルな人と話している実感」が湧くことは、旅先の楽しみの一つじゃないでしょうか?
そう考えたら、
「英語が話せなくてもできるインバウンド対応」
できること、見えてきませんか??
今回はこんなところです!
なお、平安楽女将さんのご厚意で、今日いただいた資料を何部かお店に置かせていただきました!!配布もOKという許可をいただいてます!
ここに紹介しきれないくらい、インバウンド対応に大切なノウハウや考え方が詰まった資料です。
興味のある方は、TCHにいらしてくださいね~♪
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?