【FX】チャートはただの読み物です。MF・MTF分析【順序】編
■ 本日のテーマ ■
チャートはただの読み物である
■ はじめに ■
チャート分析を行うためには「読む順序」についても言及しなければなりません。構造から考える矛盾の無い順序について書いていこうと思います。
シングルフレーム分析、マルチフレーム分析(MF分析)、マルチタイムフレーム分析(MTF分析)、これらを見る際の順序に違いはありません。
トレンドを前提としたチャートモデルの場合すべてはフラクタル構造の中にあり、それは順序にも当てはまります。
■ チャート構造 ■
- 復習 -
復習しましょう。チャートは縦軸-値、横軸-時間の二次元構造です。そして時間はチャートの構造上左から右へ流れています。チャート上で数少ない「絶対」と言える構造や情報を無視する理由があるでしょうか?
- 読む順序第1のルール -
まずシングルフレームで考える場合、これは左開きの本とイメージする事が出来るでしょう。左開きから書かれている本を右から左へは読めません。チャートも同じです。1つ目のルールとしてチャートは左から右にしか読めない。
- 読む順序第2のルール -
次に階層という概念を加えて見ましょう。ちなみにマルチフレーム(一つのタイムフレームの中における多重トレンド)分析、マルチタイムフレーム分析(複数時間足+各時間足多重トレンド)どちらも階層という意味では同じと考えます。
マルチフレームとマルチタイムフレームのイメージがつかない方は以下のイメージを参考にして頂ければわかり易いかと思います。
① シングルフレーム
② マルチフレーム
③ マルチタイムフレーム
まず結論から言うとそれが一つの時間足内におけるマルチフレームであっても、複数時間足にまたぐマルチタイムフレームであっても基本的に「読む」作業においては必ず【上から下】になります。それは恣意的な選択では無く、構造に矛盾無く考える時【上から下】でなければ読みたくても読めないはずなのです。
■ なぜ上から下へ読むのか ■
例えば本で考えて見ましょう。私たちは本を手に取る時、ページを開かずにその中身を見る事が出来るでしょうか?出来ないはずです。見る事が出来るのは一番「外側」にある表紙だけですね。
例えば人間で考えて見ましょう。私たちは目の前にした人間の骨格を透けて見る事が出来るでしょうか?出来ないはずです。見る事が出来るのは一番「外側」にある表面的なビジュアルだけですね。
今の例にだけ当てはめるならあなたに透視能力があるのなら可能かもしれませんが基本的に何か「モノ」を見る時、それは一番外側から観測が始まります。又、それは読む際も同様です。
現在2021/3/17 18:17 26秒だとした時、
上から下、左から右へ読むと2021年の中の、3月27日の中の、18時の中の17分の中の26秒となり意味は通じます。上とはこの場合、一番大きな時間の「枠」=年からという意味ですね。
26秒の17分の18時の3月の2021年です。とは言いいませんね。人間は推測する能力に優れていますから意味は通じるでしょう。しかしこれがこの世界やチャートの構造に順じた読み方であるかどうかは言うまでもないでしょう。
見るという行為は一番外側から内側へ向かう
■ 「見る・読む」に対して「発生」は? ■
ちなみに「見る・読む」はチャートで言うところのチャート分析時 (K2理論利用者にとってはただの仕訳時)を指しますがこの「見る・読む」に対して「発生」とはトレンドを前提にしたチャートモデルで言うところの「点・波・トレンド・発生→描く」を指します。
まず両方の共通点は左から右へ展開されるという事です。時間の方向は同じですから。しかし上下は逆転します。発生は常に小から大、下から上ですね。1秒が集まって1分になり、1分が集まって1時間になり…。細胞分裂も何もかもが下から上、小から大、ミクロからマクロ。
【 見る・読む 】 → 上から下・左から右
【 発生 】 → 下から上・左から右
■ MF分析を例に ■
よりイメージを具体化するためにMF分析を実際に行っていく際に「視点」がどのようにフォーカスしていくのか本日の最後に見て行きましょう。
前提・1
トレンドはフレームは【黒】→【青】→【緑】→【黄】の順に大きくなると定めたとした場合
前提・2
上記チャート画像の最上位フレーム黄色の下落トレンドの基点1波の始点がチャート画像無い左端で確定しているとした場合
以上、二つの前提の元このチャートの現在値「から」このチャートを読む場合、現在の値の先は以下のように表現する事が出来ます。
直近黄色下落トレンド3波形成を担う
↓
直近緑下落トレンド1波形成を担う
↓
直近青下落トレンド3波を担う
↓
黒下落トレンド5波の先にいる
と、構造に従いその然るべき順序に沿って読み上げるだけで現在の波の先を明確に把握する事でこの後に続く「想定」へ入っていく事が出来ます。
「想定」に入っていくには現在の値の先がどの波の中のどこにいて、その値の範囲はどこまでを指すのかという事がわかって初めて想定の入口に立つ事が出来る訳ですから。
この読み方のポイントは今まで述べてきた構造に準じた読み上げ順序ももちろんそうですが、視覚範囲が徐々に狭まっていくフォーカスしていく過程に注目して頂けるとよりわかり易いと思います。マクロからミクロへ移行していく事がよくわかるでしょう。そしてマクロ→ミクロへ移行していく中でも行っている事それ自体は【同じ】という事。
- まず黄色のトレンドの把握 -
- 緑のトレンドの把握 -
- 水色のトレンドの把握 -
- 黒のトレンドの把握 -
■ 最後に ■
今回はチャートを読む際の「順序」について触れさせて頂きました。本投稿の中で「現在値」「観測地点」と赤く強調している事にお気づきでしょうか?
リアルタイムでは常に現在値から見ている訳ですからあまり意識はしないかもれませんが検証等において過去のチャートを「見る・読む」時、観測地点を明確に定めなければ正確に「見る・読む」事は出来ません。
なぜか?
状態というのは時間経過とともに変化し続けます。チャートのある地点の状態はその地点移行も留まり続ける事は出来ません。どの地点から見ているのか、という事により読み始める地点が決まり、出力される「物語」が決まるのです。観測位置に言及しないチャート分析は問題があると言えるでしょう。
今回の内容に関連してMF分析、MTF分析とは結局「何」を見るために行うのか?という「目的」についてまた機会があれば書かせて頂こうかと思います。それではまた。
高 山
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