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Q4OSのこと

(2021.7/18改稿)
気に入って最近よく使っているディストリではあるが、Linuxの常として情報がとっ散らかっているので、備忘録としてまとめておく。
現状リビジョン3.14対応だが、随時更新予定である。

1:インストール
近年ではインストーラが日本語対応しており、またインストール中の追加ダウンロードによって基本的な日本語環境が調ととのうので、かつてのバージョンのようにつまづく点は無いかと思われる。
https://q4os.org/downloads1.html
よりダウンロードした.isoファイルを適当なツールでUSBに焼き込むだけで済む。私はWindows上ではRufusを利用している。開発の停滞あるいは終了している他ツールに比べると上流の動きが良いのでこの先も安心して使えるのではなかろうか。
又、ダウンロードに際しては寄付を求められるが、強制ではない。
なお、私は好みもあってKDE Plasmaバージョンは用いずにTDEバージョン、つインストール後はWindowsXP風のデスクトップを用いているが、この辺は個人の嗜好に任せたい。只、Q4OSの軽さを味わうのならTDEバージョンを薦めておきたい処ではある。

2:日本語入力環境を調ととのえる
インストール時の追加ダウンロードによってIMEとしてfcitx-mozcが導入されているので、そのまま使って行けるのではあるが、i386-32bit版の場合は、もしzoomの導入を考えているようなら要注意。
zoomの依存モジュールに別IMEであるibusが含まれている為、IMEが混在することになる。
LinuxでのIME混在は無用のトラブルの元なので避けた方が良い。
私はibusの挙動や常駐の仕方がどうも好きになれないので出来れば使わずに済ませたいのだが、強制されてしまう以上は是非も無し。
ただし、zoomと共にインストールされるのはコアのみなので、予めibus-mozcをインストールして設定してしまう。
タスクバーメニュー⇒All Programs⇒アプリケーション⇒Konsoleを開いて

sudo apt purge fcitx fcitx-mozc

を打ち込んでfcitxをアンインストール。するとパスワードを求められるので入力。打ち込んだ文字は表示されないが、問題はない。
その後

sudo apt autoremove

して、残余の関連パッケージを一掃しておく。

sudo apt install ibus-mozc

で関連パッケージも含めて一気にインストールしてしまう。

*余談ではあるが、筆者はこの手のHowToで未だにapt-getを用いているものが多いのにいささか辟易している。このコマンドが見棄てられてDebian本流から使う事を非推奨とされてから随分と久しい。aptコマンドを用いるべきだと思う。dpkg -i なんぞと言う依存解決無しのインストール方法を書いているに至っては論外。玄人さんがunstable版使ってるとかなら兎も角ともかく、今時の安定版使ってるならそこまで神経尖らせて依存関係に気を使う必要があるようなアプリは先ず無いのだし、有るのだとしたら、そもそもそんな不安定なアプリのインストールを他人に勧めるのか?と言う話である。
SlackwareやGentooじゃないんだからさあ。

インストールが済んだら必要な設定をしよう。
スーパーユーザーモードでファイルマネージャ(デフォルトではタスクバーメニュー⇒アプリケーション⇒Accessory⇒システム⇒SuperUser⇒konqueror~スーパーユーザーモード)を使い、
~/home/userフォルダを開く。
目的のファイルである.bashrcは隠し属性なので、フォルダメニューで"隠しファイルを表示"するようにして見つけてからテキストエディタで開き、ArchWikiを参考に末尾に以下のように書き加える。

# set IM
export GTK_IM_MODULE=ibus
export XMODIFIERS=@im=ibus
export QT_IM_MODULE=ibus
ibus-daemon -drx

[#]を先頭に付けた一行はただのコメントなので無くても構わないのだが、他にも記述する項目があったりするので項目として分けておいた方が良いだろう。
Q4OSでは5行目の記述をして起動時にibusデーモンを呼び出しておかないとmozcサーバが立ち上がってくれないので日本語変換が出来ない。
いづれもデフォルトでインストールされるfcitx-mozcをそのまま使う分には全く関係ない

ついでなので他の記述もやっておく。
特にプログラミングなどやらずとも、Linuxでコマンドラインを使う機会は多いものだが、Q4OSはインストール時の日本語キーボード設定のままだとパイプ記号[ | ]が打てなくて割と困る。
先人が解法を発見してくれているので、同じく.bashrcの末尾に以下のように追加する。
*このキーマップ設定はデフォルトIMEであるfcitx-mozcを使っていても必要。

# set keymap
setxkbmap -layout jp

これだけではパイプ記号が打てるようにはならないので、ルートディレクトリ[ / ]まで戻って/etc/フォルダ内に"新規作成⇒テキストファイル"でrc.local(拡張子.txtを.localに変更する)を作成して、そこに

# set keymap
setxkbmap -layout jp

を書き込んでセーブ。これで再起動後からパイプ記号が打てるようになる。

3:もっと日本語
Q4OS最大の弱点が、インボックスのTDE(KDE)アプリケーションで日本語がインライン入力出来ない事。
今もって解決法が見つかっていないようである。
自分でもKDEやQtで日本語入力する方法等を参考にちょこちょこ弄ってみているが、結構どうにもなっていない。
嘆いていてもしょうがないので、現実的な解決策の為にそれぞれアプリをインストールしていく。(場当たりとか泥縄とも言う)

A.テキストエディタ
私の好みはシンプル極まるleafpadなのだが、こちらはGTK+3コードへの刷新をやる意思が上流に無くて、Q4OSの大本であるDebianが busterになった際に公式リポジトリから外されてしまった経緯がある。
止むを得ずfeatherpadにしていたが、leafpadを外部の人間が書き直したmousepadと言うのが在ると聞いて、検索してみたらDebian busterの公式リポジトリに収録されていたので、今は此方こちらを使っている。
Xfce標準エディタの為、TDEのQ4OSではインストール時に幾許いくばくかのライブラリが増えてしまうものの、それを含めても軽量なので使い易い。
vi系?あんなんプログラミングやらない人間には操作がわずらわしいだけなんで要らん。非Linux的で美しくないだのメモ帳クローン使う奴はバカだの罵詈雑言がかまびすしいが、知ったこっちゃ無いのである。
いや、勿論コード書く人はEmacsでもvi系でもどうぞ。メモ帳互換アプリはそういう用途には向いていないからね。

B.端末エミュレータ。
勿論もちろん「ターミナル上で日本語なんて打たねーよ!」という向きは入れなくて構わない。それでもいざという時に心強いので、lxterminalをインストール。理由は軽量である事と依存モジュールが少ないという点である。
qterminalでも良い(システムとの親和性良好)のだが、初回起動時に設定を変えてやらないとフォントが非常によろしく無いのが煩わしいので使っていない。

C.ファイルマネージャ。
konquerorだって使い様ではあるが、やはり日本語入力出来ないのがね。後、フォルダ内から端末呼び出す時にターミナル画面が独立ウィンドウにならずにフォルダウィンドウを分割して出てくるってのはかなり限られた状況でしか便利とは思えないのだよ。ここはpcmanfmにする。
おそらくディストリ的にはもしデフォルト外のFM使うんならpcmanfm-qt使えや、って事になるような気もする(TDEは少なからずLXQtの成果物を流用して作られているので、qterminal同様デスクトップ環境との親和性は多分こっちの方が高い)のだけれど、微妙に操作感が馴染まないので自分はpcmanfm派である。

4:基本的に入れるべきアプリ
入れるべき、と書いていてなんだが、入れてはいけないアプリについて。

アプリケーションをインストールするについて真っ先に勧められるのはGdebiだと思う。Ubuntu系統では標準的なGUIインストーラだ。確かに外部のアプリを導入するのにダブルクリック一発で導入出来るGUIインストーラは便利っぽい雰囲気だが、しかし、Q4OSに限らず、Debian busterをベースにしたLinuxでは現状宜しくない。理由は簡単で、正常動作しないから。
これ、最初は随分悩んで、海外フォーラムにどうやったら正常に動くのか質問してみたりしたのだが、「そんなメンテもされてないゴミ使わないでAPTでさっさとローカルインストールしろや」てな事をかなりきつい調子で言われて非常にショックを受けたりした。別にメンテして直せと要求した訳では無かったのだが。英語がまずくて回答者の気にさわった可能性も有るが、それにしたって公式リポジトリに入ってるアプリなのに…
なので、外部から.debパッケージを落としてきてインストールする場合は、ダウンロードしたパッケージが在るフォルダの中で端末を使って

sudo apt install ./[パッケージ名].deb

とする癖を付けてしまった方が良い。

似たようなパターンに軽量ウェブブラウザとして知られるMidoriが在る。
こちらもメンテが全くされないまま、リビルドだけしたパッケージがDebian公式リポジトリに収録されていて、事実インストールしても正常に動作しない。
上流であるMidori公式では、既にChromiumベースの全く新しいブラウザが同一の名で開発されていて、旧Midoriは影も形も無かったりする。
新Midoriの方は多言語対応が非常にお粗末なので、開発協力したいという人間は別として、エンドユーザーがインストールする価値は無いと思われる。

:追記
Gdebiを使う方法が見つかったので記事を投稿しました。

変わって今度は入れた方が良い物としてTDEのAutoStartモジュールを挙げたい。TDEの標準の自動起動モジュールである。実はこちら、64bit版ではインストールされるのに、32bit版では何故かインストールされない。多分ディストリビュータのミスではないかと思われるのだが…
セッションマネージャでログイン時にセッションの復元をする様にすれば大抵の用は足りる事が多い物の、中にはセッションの記憶に含まれないアプリも存在して居る為、そうしたアプリを自動的に起動したい場合は便利だ。

sudo apt update
sudo apt install kcontrol-autostart-trinity

とやってインストールする。使い方はそう難しくは無いと思う。

以下書きかけ…


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