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Q4OSのこと ~初代AtomでQ4OS~ [Crystal HD対応プレイヤー探し編]

下記記事の続き。

取り敢えずデコーダカードのセットアップが完了した訳ではあるが、此のマシンではVLCのプレイヤーインタフェイスが使えない事が既に判っている。なのでプレイヤー探し。

候補としては、FFmpegやVLC等を外部エンジンとして援用出来るタイプが有力になると思う。
A.旧いWindows Media Playerに似ているSMPlayer(MPVフロントエンド)
B.ファイルマネージャのKonquerorと強力に結び付いてプレビュー機能を発揮するKaffeine(kaffeine-trinity/Xineフロントエンド)
辺りか。
Kodiは非常に強力なアプリケーションだが、以前の記事に書いた通り、UI操作系のアクの強さとメディアを開いた際にボリュームが勝手にMaxになる点が他人に使わせるには致命的と考えざるを得なかった為、上記二つがダメだった時の最後の手段とした。
Ubuntu系では御馴染のTotemもGStreamer経由でCrystal HDに対応するらしいのだが、GNOME環境用であること、Q4OSでは使い勝手の良いGUIフロントエンドが無い事も有って今回は見送り。

其々、

sudo apt install smplayer
sudo apt install kaffeine-trinity

でインストール出来る。

目標は1080p(FHD)/60fpsのh.264動画のスムーズな再生だが、元々1024*600の解像度しかないマシンだし、ワーストケースとして720p/60fpsの動画が再生出来れば良しとした。480pを拡大再生するよりは720pを縮小再生する方が綺麗に見えるからね。

SMPlayerをテスト
SMPlayerの設定を弄って行こう。
立ち上げたSMPlayerの”オプション⇒環境設定”をクリックし、メニュー画面を呼び出す。

スナップショット3

デフォルトでは”全般”が開く筈なので、”全般”メニューの”ビデオ”タブに移り、”出力ドライバー”ドロップダウンリストで"xv (0 - Intel(R) Textured Video)"を選ぶ。”既定”のままだとCrystal HDが効力を発揮しない。
タブメニュー中程の”直接描画”のチェックボックスにチェックを入れておく。

スナップショット4

出力ドライバに関しては"xv (1 - Intel(R) Video Overlay)"の方が品質が良いと感じたが、要素が込み入った動画だと偶に描画の破断が見られたのでお薦めとは言えない。又、描画品質を上げようとしてダブルバッファリングの使用を強制するとCPU負荷が上がってしまって数字三桁型番のAtomでは好ましく無いので、お薦めはしない。

その後”パフォーマンス”メニューにして、”パフォーマンス”タブの中程に在る”ハードウェア デコード”ドロップダウンリストの”crystalhd"を選択しよう。”自動”のままだとやはりCrystal HDを使用しない様だ。

スナップショット5

スナップショット6

フレームドロップを許可しておいた方が結果的にスムーズな再生を見込める事も有るので、状況に応じて変更すれば良いと思う。

以上がi945GMEでのベストと思われる設定である。
1080p60の動画でも再生に一応の問題は無い様だ。1080p30や720p60なら尚の事。
但し、CPU負荷に関してはWindowsより高目に出ている。

Kaffeineをテスト

スナップショット7

此方もUI上の設定を弄ろうと思ったのだが、"設定⇒xine エンジンのパラメータ”の項目が変更出来ない。いや変更自体は出来るのだが、セーブしようとするとアプリがハングアップする。設定ファイルを直接書き直そうにも、其れが在るべき~/.xine/フォルダが存在しないのでちょっとお手上げだ。
こうなるとlibxineが自動的にCrystal HDを利用するという事前情報を信じるしかない。

結果。使える。只、1080p60ではかなり動画毎に相性が有る事が判った。SMPlayerでは問題が無かったファイルでも得手不得手がはっきり出る様で、スムーズな再生が可能な物と描画が引っ掛かって息継ぎしてしまう物とが在る。尤も引っ掛かりが発生するファイルも再生出来ている箇所は滑らかで、又、CPU負荷に関しても再生中にマシンを操作してもマシン自体はストールしたりはしない事から、デコーダ自体は間違い無く利いているとは思われるのだが…
一応メディアコンテナのプロファイルは揃えて居るので、此れは本当に解らない。ファイルサイズも描画要素の多寡も直接関係が無い様で、再現性が高い箇所だけで無くランダム性も有ったりして、首を捻ってしまった。
とは言え、1080p30や720p60では問題は無い。

スナップショット8

組み込みプレイヤーとしての機能も使ってみたが、中々に便利。
Konqueror上で動画ファイルを右クリック、”Kaffeine-Xineでプレビュー”するだけで新たにプレイヤーを開く事無くフォルダビューのまま再生出来る。読み込みで待たされる時間も無きに等しいし、ツールバーの”戻る”ボタンでファイル表示に戻る事が出来るので、中身をちょっと確認しながら動画ファイルを整理する等には向いている。

*スクリーンキャプチャ内は嘗てSonyが公開していたWipEout HDと言うゲームのトレーラー動画である。実機テスト用に利用させて戴いた。当時、「PS3はこんなに凄いんだぞ!」と言うプロモーションとして海外公式サイトでファイルで公開されて居た物。今や1080p60と言う解像度/フィルレートは大した事も無いのだが、公開時はPCですら苦労しがちな60フレームのFHD動画を楽々再生出来るという触れ込みは大きなインパクトがあった。
**尚、今回のキャプチャは記事実機に依る物では無く、故遇って手元に来たCore 2 Duoデスクトップにて変換ライザを嚙ませて、記事に載せるキャプチャの撮影の為だけにセットアップした物で、撮影機上でCrystal HDデコーダを実用して居る訳では無い(dGPU付けてる)ので念の為。

Kodiもチェック
最後に、一応Kodi(メジャーバージョン17。18だと起動しない)をテスト。
…あれ、描画品質Kodiが一番良くね?
しかもKaffeineだと上手く行かない動画もめっちゃスムーズ…と言うか、CPU負荷も採用予定だった今回の2つのプレイヤーより低いぞ?
はは…見なかった事にしよう。
連続再生だとバッファ足りなくなるのか速度低下を起こしたりするので万能では無いしネ!←(逃げ

SMPlayerを標準プレイヤーにして御渡し
ファイルプロパティでデフォルトプレイヤーをSMPlayerに設定。VLCのショートカットは全て消して、ファイル右クリックからのメニューにも出て来ない様にした。
動画再生はh.264/1080p30を基本にして貰う様にして、60fpsで観たいのなら720pを勧めておいた。
YouTubeに関しては閲覧時はSMTubeを使う様指導。h.264/720pでSMPlayerを介して再生するべく設定したので、それなりに見れる状態で再生可能となった。
標準ウェブブラウザはFirefoxにした上でh264ifyを導入して、VP9を使わなくしたので、実はYouTubeの再生は軽量化しているが、此れは教えてやらん。上見られると切り無いし。(Chromium系ブラウザでも同名のアドオンが使える。但し、Google Chrome以外では手を掛けて遣らないとCrystal HDのハードウェアアクセラレーションを使う事は出来ない様だ)

以上完了として引き渡し。後は知らん。要求は最低限満たしている事だし。終了。

最後にWSVGA機種で便利な小ネタを。
解像度が1024*768に満たない機種だとGUIの各種設定パネルが下端よりはみ出してしまう事が多いので、是の一時的回避策。
端末で

xrandr

と打つと現在の画面出力先と解像度が得られる。ノートPCならLVDS1の事が多い筈だ。仮定として

LVDS1 connected primary 1024x600+0+0

と表示された物とする。そこで

xrandr --output LVDS1 --panning 1024x768

と打つと、スクロール可能な仮想デスクトップが形成される。
画面端にマウスカーソルを持って行くと指定されたピクセルサイズ迄スクロール出来る筈だ。
元に戻すには

xrandr --output LVDS1 --panning 1024x600

で良い。
何?スクロールデスクトップは面倒臭い?宜しい、ならばこっちだ。

xrandr --outoput LVDS1 --scale 1.2x1.2

此方は1024*600のスクリーン表示範囲内に1229*720の情報を表示させる仮想デスクトップである。

xrandr --output LVDS1 --scale 1.28x1.28

とすれば1311*768となる。
元に戻すには

xrandr --output LVDS1 --scale 1x1

で良い。
常用には向かないが、一時利用なら十分だと思う。

今回を持って初代AtomでQ4OSの記事はマスターアップ。
御付き合い頂いて有難う御座います。
それでは又、別の記事で…

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