「社長、どうしましょうか?」と聞かれたら・・
こういう場面は多くありますね。
社長さんは、こう言われると、「○○しておいてくれ」などと、躊躇なく指示してしまうと思います。これはわかります。
ただ、これを繰り返していると、社員は常に、「社長、どうしましょうか?」と聞いてきます。
社員がこう聞いてくる理由は簡単です。聞かずに何かやって、それが社長の意に沿わなかったら評価が下がったり、怒られたりするからです。「なんで先に聞かないんだ!」とか「勝手なことをするな!」などと言われかねません。
指示待ち族というのは、こうやって出来上がるわけです。社長さんが作り上げているわけです。
社長さんは、「勝手にやるな」と言う反面、「これくらい、言われなくてもやれ!」などと、矛盾することを平気で言ってしまいます。社員はどうしたらいいのかわからなくなります。なので、より細かく指示を仰ぐようになります。
これではいけないわけです。言われないと何もしなくなります。これは罰を回避するための、社員の対策です。ある意味、賢い社員なのです。これを批判してはいけません。
このようなことを回避するには、社長さんの態度が重要です。
では、まず最初に戻りましょう。「社長、どうしましょうか?」と言われたときに、指示してしまったことがまず最初の間違いなんです。ここがボタンの掛け違い。ではどうすべきだったのか?
答えを言ってはいけなかったんです。指示を仰がれたら、答えを言わず、「あなたは、どうすべきだと考えているのか」と聞いて下さい。社員は、何も考えていないわけではないのです。一応、答えを持ちつつも、確認作業をやっているわけです。
まずその答えを聞き出して下さい。正解なら、それが正解だ、ということでいいですし(加えて褒めればなおよし)、違うなら、違う理由を説明してあげてください。こうしないと自分で考えて行動する社員は生まれません。
私、指示する人、私、指示を受ける人、という役割分担が会社をダメにします。まず意見を聞くこと。ここからスタートしてください。社員の言い分をそのまま受け入れろ、ということではないのでここは間違えないようにしてください。
こういうことをやっていた経営者で有名なのが、藤原さんですね。藤原銀次郎。王子製紙の社長をやっていた人で、慶應義塾大学の理工学部(元藤原工業大学)を”寄付”した人としても知られています。三井銀行から富岡製糸場、その後王子製紙という経歴です。王子製紙を今の形にした立役者と言っていいでしょう。
この藤原さんの著書を読むとそのあたりのことがよくわかります。一度読んでみて下さい。