バッタには無駄がある
駅に向かう途中にバッタがいた。バッタはもう少し先の季節の虫だと思っていた。
バッタはピョンと跳ね、そのまま羽をパタつかせて空に飛んで行った。
太陽はまだまだギラギラしている。それでも夏の終わりはもう近い。
私はバッタを見送り、季節の変わり目を感じた。あとバッタに対する不満も感じた。
バッタは飛んで行くときピョンと跳ねた。ピョンと跳ねて宙で羽をパタつかせ、飛んで行った。
飛ぶ前にピョンと跳ねる必要があっただろうか。地面から直接テイクオフできないのか。他の虫はみんなそうやって飛んでいたはずである。
バッタの脚と羽は機能が重複している。「跳ぶための脚」「飛ぶための羽」どちらも「トぶ」ための装備である。
家や車を買うときに無駄なオプションを付けてしまうという話をよく耳にする。
高額な買い物をしているので、数万円のオプションも安く感じてしまうのだ。
「後から付け足すことはできませんし、一生に一度のお買い物ですので・・・」
営業マンにこう勧められるのかもしれない。確かにこう言われてしまうと、私だって付けてしまいそうだ。
高額な買い物のときは気をつけなくてはならない。私は脚も羽の付けてしまう。
最近ではサブスク方式のサービスが増えている。それを利用するのもひとつの手だろう。