医師の働き方改革にどう備えるか?
おはようございます!
働き方改革は衝撃的でした。
経済界では2019年から施行されました。
経営コンサルティング業界は、
昔からハードワーカーが大勢を占め、
徹夜で仕事をするなど日常茶飯事でした。
誰に言われたわけではなく、
自分で選んだ仕事ですから、
必要ならば何日間も会社に泊まり込みました。
振り返ってみればその時に力が付きました。
ですから、
一日8時間労働、残業は月45時間まで
と言われても、
寝ぼけたことを言っているな
と思っていました。
ところが、
経営コンサルティング業界にも
労基署の調査が入ったりして、
もしかしたらこれは本気かもしれない
と思いなおしました。
そして、今は労働時間管理が徹底され、
PCを開くと労働時間に換算されるから
必要な時にしか開かない
といったこともされています。
冷静に考えれば、
心身を、特にメンタルにダメージを負う人が
増えていましたから、
仲間の健康を守るために、
必要なことでした。
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さて、24年4月からは
お医者さんにもこの制度が適用されます。
私のみるところ、
経済界で甘く見ていた私のような見方が、
医療界でも大勢を占めています。
まさか、できるのか、本気なのか?と。
おそらく本気でしょう。
そうなると、
大学病院は市井の病院から
医師を引き上げるでしょう。
アルバイト先での労働時間も
管理下に入りますから、
先生方は大学病院の仕事に
専念することになります。
これは市井の病院にとっては死活問題です。
医療は医師が指示を出して
初めて動き出します。
医師がいなければ、売り上げが立たず、
赤字の病院が増え、時には倒産するでしょう。
一方で、大学に専念する医師に充分な給料を
大学が払えるかとなると、
これも心もとないところです。
医師は、これまで市井の病院で
アルバイトで外来をしたり、
夜勤をしたりしていた給与がなくなるので、
大学病院が補填してくれなければ困ります。
それならばと、
きちんと給料を払ってくれる市井の病院に
勤務するという先生が
増えてもおかしくありません。
それを止めるべく、
大学病院が給料をはらうとなると、
国が進めているように、
大学病院は外来をせずに入院を主にして、
それもむずかしい治療をたくさんする体制に
転換するしかありません。
そこまで、一気に進むかどうかは不透明です。
歴史的に、
日本の医療は市井の病院が支えてきました。
戦後一気に病院の数を増やすために、
民間の力を利用してきた背景があります。
従って、
短期的には医師の引き上げが起こり、
中期的には医師は市井に戻り、
長期的にどうなるかは様子見
と私はみています。
市井の病院は、
中期的な動きをできるだけ前倒しすることが
大切です。
今日もよろしくお願いします。
安島