歩行

ココアが基礎疾患を持たれていても歩行改善に寄与する可能性

今回ご紹介する論文は、この下肢静脈疾患をお持ちのご高齢の方でも日常的な「ある事」をする事で歩行を楽にする可能性を示唆している報告です。

特に下肢静脈瘤を患っている方を対象に歩行をどれだけスムーズにできるかという事をある食材を摂ったか摂らないかで比較して行っているランダム化比較試験での検証となります。

Cocoa to Improve Walking Performance in Older People With Peripheral Artery Disease【Circ Res. 2020 Feb 28;126(5):589-599. 】

https://www.ahajournals.org/doi/full/10.1161/CIRCRESAHA.119.315600?url_ver=Z39.88-2003&rfr_id=ori:rid:crossref.org&rfr_dat=cr_pub%3dpubmed

この論文はCirculation Reserchというアメリカの循環器学関連の雑誌の中でも非常に権威のある論文です。

アメリカのノースウェスタン大学のMary M.McDermott氏らが執筆しています。

【この論文のハイライト】

・下肢静脈疾患患者にココアを6ヵ月摂取した試験を実施した所、ココア摂取した人は、非摂取群に比べて歩行距離が最大で348.6mも有意に延長。

・ココア原料のカカオポリフェノールの主な成分であるエピカテキンは四肢における血液還流量を増加させ、骨格筋内のミトコンドリア活性を上昇し筋肉増強に寄与した

・子牛の試験において、ココアはミトコンドリアCOX(チトクロームcオキシダーゼ)活性を改善し(P = 0.013)、毛細血管密度を高め(P = 0.014)、子牛の筋肉灌流を改善した(P = 0.098)(対照群と比較して)

・既報では、下肢静脈瘤患者においてダークチョコレート40g摂取後の歩行テストで、最大歩行距離が平均して11%伸びたという報告がある(引用:https://www.ahajournals.org/doi/full/10.1161/JAHA.114.001072?url_ver=Z39.88-2003&rfr_id=ori:rid:crossref.org&rfr_dat=cr_pub%3dpubmed)

・今回はダークチョコレート同様にココアの長期摂取が有効であったことを示している。日常的にあるココアが下肢静脈瘤患者の健康増進に寄与する可能性を証明している

とまとめられています。

下肢静脈瘤は辛い疾患ですが、日常的なココアやカカオの摂取で、少しでも健康的な日々を取り戻し、運動を再開してもらいたいものです。

万病の予防は運動から。足は「第二の心臓」とも呼ばれています。ケアを忘れずに、また高齢になっても昨日を維持できるように心がけていきたいものですね。

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