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『奇跡のCOMEBACK!Crossing Switzerland』エピソード2
Crossing switzerland 2022
『奇跡のCOMEBACK!Crossing Switzerland』
エピソード2
・第1BRAUNWALD〜第2ライフベースENGELBERGまで約153.1km累積標高D±8,154m D-7,611m
第1ライフベース BRAUNWALDに入り、直ぐシャワールームへ向かった。
熱中症の症状を和らげるために10分以上 水シャワーを浴びて身体を冷やしていた
その後、ライフベースの提供される食事と持ち込んでいた山菜おこわを食して1時間くらい仮眠をとった。
起きてから荷造りを行いライフベースを後にした。
どうもやっぱり熱中症の後遺症というか倦怠感や力が入らないといった状態が続いていたが
先を急ごうとしていた。
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その矢先、大会本部から電話が掛かってきた。
何で電話が・・・
一体何が?
言われている内容は、一旦ライフベースに戻れって話しているように聞こえた。
オレは、「何んで戻らないといけないのか?理由を教えてくれ!」って言っても
とにかく、戻れ!って言っている様にしか理解出来なかった。
しばらく、互いの主張を繰り返し
電話先の大会本部から、日本人に代わり
ロストしているから、手前の川の橋まで戻ってくれって言われた。
ロストしていることを初めに言ってくれればわかったのに、ライフベースのことを繰り返されて
意味不明だった。
今大会のレースは、基本的にコースマーキングはエイド付近と街中にフラッグとMontreux行きの表示だけだった。
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フィールドに出ると自分のGPSとトレイルの案内表示板を見て進むということ
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こんな大会のあり方は初めてで、ロストしまくりの大会になった。
ボク以外の選手も相当数ロストしまくっていたと聞いた。
さて、このセクションからレースの核心的なエリアに入っていくと認識していた
ヨーロッパ独特の地形であったり、登り下りセクションが続き体力と精神力が試されるゾーンである。
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![](https://assets.st-note.com/img/1659956218513-ZpxgfCd9q9.jpg?width=1200)
ロスト後は、他の選手に引っ付いていく作戦に切り替えた
初めは、スイスの選手。
ある程度、離れて嫌がられない距離感を保ち徐々に近づき言葉を交わしていく
仲良くなったら、牛の柵を開けてくれ先に通してくれたり紳士的な一面を見せてくれ
優しかった。ボクもお返しに先に行きゲートを開けたり互いに助け合い
一体感が生まれる。これも長ロングレースならではの戦いなのだ。
お互いゴールしようなみたいな雰囲気が好きだ。
97km地点のKLAUSENPASS 標高1,933m エイドまで引っ張ってもらったスイス人とは、このエイドでお別れし
一人で暗闇の中出ていくことになった。
ここから、次のALTDORF122km エイドまでD-1,500m下り基調だった。歩みを進めて行くと3人の選手達がいた。2人は、デュオ。1人は、シングル。
ボクは、シングルのダニエル・グレイグ似のNo94 HEINZ と一緒に歩んでいくことにした。
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HEINZは、相当眠たいみたいで僕に先にいってくれって
迷うし間違えるから嫌だよって言っても、構わないからって・・・
僕が、先にいくことにした。
迷いながらも、後ろから修正してくれて優しいHEINZ
眠気が襲ってくるから、HEINZにどうして走っているのか?とか
何歳何?何の仕事しているのとか・・・
色々話を聞きながらAltdorfエイドへ向かっていった。
トレイルは、シングルトラックで歩きやすい。走れる人には、程よい下りだから気持ちいいと思う。
深夜になるのに暑い。気温が下がっていない。暑さとの戦いだ。
街中近くに降りてくるとフラッグとMONTREUX行の標識が示されている。
すると、Peterが後ろから現れた。
Peterは、SwissPeaks360 レースで知り合いになったSWISS在住者だ。
彼は、GEOGRAPHICAをずっとONにしながら進んでいて
全く迷っていなかったのでトリオで行かせてもらうようにした。
Altdorfエイドに着いてから、食事を取り仮眠を20分くらいした。
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エイド食は、基本的に食べられる物が多くあった。中でもBouillon ブイヨンスープが各エイドで振舞われていた。
ヨーロッパでは定番スープ。日本で言うだし汁のような存在。野菜を煮込んでとったような優しい味。
僕は、このスープにチーズとサラミを入れ込んで食べていた。
それに、オレンジやバナナをしっかり食べていた。
明け方になりエイドを後にしてHEINZと二人で次のBlacknalpを目指した。
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そろそろ登りにさしかかった時だった。
HEINZが、調子が悪いと言い出した。少し、橋に腰かけて安いんでいたが回復しそうにないという
そこにPeterが追いついてきて、エイドに戻るか?先にいくか?選択した方がいいと言い出した。
HEINZは、先にいくことを選択した。
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ここから一気に1,800m UP結構急登だった。しかし、行くと決断したら一気に登る。
道中Peterが、HEINZに色々話だして気を紛らわせくれていた。
ちょっと、優しを感じた。
しかし、休憩なしに1,500mは登った。こいつら休憩無しに1,800m行くか???って思っていたら
山小屋が開いていて、2人はmorning beerを堪能するではないか?!(朝8時頃かな?)
僕もと一緒にbeerと言いたかったけど、冷静に2,000m付近で飲むとヤバイと思ったから
100%オレンジジュースを選択( ^)o(^ )
休憩を挟んでさらに高度をあげていく。するとHEINZの調子が回復し登りが得意な彼はガンガン一人先へ・・・
僕とPeterは、一緒に山頂を目指した。道中家族で登山を楽しんでいるファミリーに遭遇。5歳くらいの子供も自分の脚で登っている
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これには、びっくりした。日本では、あまり見ない光景だ。こちらの方々は、日常の生活の中に山歩きが・・・文化の違いか。
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Crossing Switzerland
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ここのトレイルもゴツゴツした岩などは無く歩きやすい。ただ、一部雪渓が残っていたり
日本の北アルプスのようなボロボロ砕ける瓦のような溶岩トレイルもあった。
2,288mのコルを抜けると、ほとんど下り基調。エイドまで3㎞だった。大腿四頭筋に凄く痛みを感じていて、誤魔化しながら下っては休み
マッサージを入れながらなんとかエイドに到着。
ここのエイドは、牛小屋を間借りしている簡易的だったので、食材が少なかった。
ただ、眠くて15分ほど仮眠した。
起きた時には、周りの選手は誰もいなかった。皆14㎞先のライフベースで休もうと先を急いでいた。
ここから一人旅だった。基本的に道は、一本みたいな感じだった。
ただ、暑くてドボンしたくて仕方なかったので、浅瀬でトレイル脇にあった川で全身アイシングを2回行った。
おかげで、少し脚の痛みは和らいだ。スイスでドボンは、最高だったヾ(≧▽≦)ノ
第2ライフベースEngellbergを目指し1,200mをいっきにくだっていった。
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まとめ
・道迷いから警告をもらった。イエローカードだと。あと一回同じミスをしたら失格だと宣告される
・同じようなペースの方を見つけ一緒に歩みを続けると気がまぎれる
・標高2,000mのbeer旨いと思うけど、冷静な判断を!
・念願のアルプスでドボンは、最高ヾ(≧▽≦)ノ
エピソード3へつづく
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