『奇跡のCOMEBACK!Crossing Switzerland』エピソード3-1
Crossing switzerland 2022
『奇跡のCOMEBACK!Crossing Switzerland』
エピソード3−1
・第2ENGELBERG〜第3ライフベースLauterbrunnenまで約237km累積標高D±13,359m D-13,025m
第2 Engelberg ライフベース153km標高1,013mを目指し降ってきて街中に入り、
街の様子を見れるようなルート設定になっていた。
ステキな街並みが続いていてライフベースは、直ぐそこだろうと思っていた。
しかし、進めど見当たらない( ´Д`)y━・~~
体育館のような施設の横を通りかかったとき、出入り口付近で選手と恋人がキスをしていた。
「あー、これも海外レースではよくあることだな」って微笑ましく思っていた。
エイド・ライフベースに近づくと「MONTREUX」マークの矢印が出てくる
確かに、このMONTREUXマークを2回くらい見かけたが
この時は、何とも思ってなかった
あれ〜
おかしいな・・・
第1ライフベースと同じようにこだかい丘の上に在るのか?
そんな想いがフラッシュバックしてきた。
エイドのスタッフさん達は、降りきったらあるよって言っていたけど・・・
スタッフに騙された?
よくある事だしって勝手に思い込み丘の上を目指した。
登れど登れど、一向に見えてこないエイド次第にルートを間違えたか?
何度も時計のGPSを確認していた。
ルートは、確実にあっていた。
でも、エイドが見えてこない、一人で行動していたので誰も聞く相手がいない。
んーーー
おかしい・・・
いつの間にかJOCHPASS 2,107mのコルを過ぎていた(約1,100m標高を登っていた)
雷と雨雲が近づいてくる、
ゴロゴロと雷くらいの音が鳴り響く
やべー、ココで雷くらいに合うと確実に死ぬな・・・
そんな思いもよぎった
どうか、降るまでおさまってくれ
そう願いなら歩みを進めた
綺麗な湖が見えてきた。
この辺で止まれたらどんだけステキな時間が過ごせるんだろうと妄想しながら
この辺だろうエイドステーションは、と勝手に思い込んでいた
しかし、平坦な場所にも無い(● ˃̶͈̀ロ˂̶͈́)੭ꠥ⁾⁾
いったい、どうなっているんだ???(T . T)
次第に焦り始めて
やっと地図とGPSを照らし合わせた。
するとびっくり_φ(・_・
第2ライフベース Engelberg を通り過ぎてることに気づいた。
(10kmも過ぎていた(//∇//))
なんと、「最大のミスを犯してしまった」
頭の中は、真っ白(>人<;)
ヤバすぎるミスだ。
丁度、その時
後ろから選手がやってきた。
ボクの慌てた様子を見て大丈夫か?って、声をかけてくれた。
その優しさに凄く嬉しかった。
しかし、言葉も上手く通じず彼の脚を止めるは、悪いと思ったので大丈夫だよって返事をして
先に行ってもらった。
一旦、落ち着こうと腰を降ろした
そして、腹が減っていたのでカロリーメイトを頬張った
少し満たされたので
冷静になりかけていた様な気がした
ロストした時に電話があった大会本部へ電話した。
伝えた内容は、「第2ライフベースを素通りしてしまったけど、レースを続行させてほしい」
『頼むから、頼む、頼むから・・・・』
繰返し、こう伝えることしか出来なかった・・・
本部からの回答は、『OK!』だった。
ヤッタァーーーーーーーーーーーー
な、なんと付いている男だ!
ロストしてイエローカードをもらうは
ライフベースの真横を気づかず通り過ぎ許してもらう
オレは、なんと付いている男だ!!!!!!
って、勝手に勘違いし良い方に解釈するオレ
*・゜゚・*:.。..。.:*・’(*゚▽゚*)’・*:.。. .。.:*・゜゚・*
ここでも鈍感力(๑>◡<๑)
しかし、喜んでばかりはいられない
ライフベースで補給や睡眠・シャワータイムが出来なかったことが
この後に、トレラン史上最大の危機が訪れることを
この時に気づくはずもなかった・・・
なるべく、補給食・エネルギードリンクを使わないように心がけながら
次のエイドステーションへと頭を切り替えて歩み始めた。
さっきの選手にエイドまでの距離を聞いていたから
時間の計算はできたが、ライフベースで食べていない身体はエネルギーが足りなくなっていた。
山小屋で飯を食べて回復させたいと思い始め
丘の上に建つ山小屋へ駆け込んだ。
応対してくれた若い男性スタッフに、ここはホテル&レストランだから
「食事だけは、駄目なんだ」と、追い返される。
簡単に分かりました、なんて言わないオレは・・・
「メチャクチャ腹へって死にそうなんだよ・・・」
「頼むから助けてくれーーーーーーー」
って、何度もくいさがった。
スタッフは、根負けしてくれて何とか食べさせてくれることになった。
しかし、時間短縮しないとゆっくり飯食っている場合じゃない。
直ぐに調理できて、栄養価が高いものを食べなきゃと思い
スタッフに無理言って、直ぐできるメニューはどれだって注文をつける
図々しいオレ。
そして、座って5分くらいで出てきたプレートメニューはこれだ!
なんと鳥の胸肉ソテーにポテト&トマトソース煮の付け合わせ
最高じゃないか!!!!!!
スタッフに何度もお礼を言って、胸肉から頬張った
めっちゃ美味い!
なんだこりゃ、回復系の食事で身体も喜ぶエネルギー満点
言うことない。
食べ終えて会計を終えて
また、感謝を伝えてレストランを後にした。
フィールドに戻ると空模様が大変なことになっていた
真っ暗な雲が、近づいているじゃないか
自転車に乗って伝えにきたスタッフが、
「あと30分以内に嵐になるから雨具の用意と気をつけて進んでくれ」と、言ってきた。
その言葉通り、
大きな雹が降り出した。急いでファイントラックの雨具を上下着て粒の雹から身を守った。
草原で遭遇したオレは、手で頭を覆い雹が降る方へ背を向けて耐え凌いだ。
すると、今度は大粒の雨が土砂降りのように襲ってきた。
トレイルは、小川の様に形を変えて流れていく
めちゃ、やばいなと思っていたら止み始めた。
すると、今度は綺麗な夕陽が・・・
目まぐるしく変わる天候に
まるでオレの精神状態が鏡写になっているかのように感じた。
夕暮れから夜へ闇に入る前にMelchsee-fruff 172km入り込んだ
簡単に食事をして3時間くらいの睡眠をとった。
まとめ
・ロングレースの中で、ライフベースを飛ばすことは命取りになる
・困ったら、大会本部へ連絡を入れ熱意を伝える。その後は、大会の指示に従う。
・海外では、自分の言いたいことをはっきり伝え、断られても何度でも食い下がり意志を伝える
・ポジティブ思考と言うか、鈍感力を持ち合わせ困難から脱出させる
・ただでは諦めない、どうにかしようとあらゆる思考を張り巡らす。
エピソード3−2へ続く