普通という小さな箱に収まるな

「すぐ不安になって、クヨクヨすることから解放されたい」という人に言いたいのは、「あきらめてください」ということです。

問題なのは、真面目でネガティブな「性格」ではなくて、そういう性格を「ダメ」と思い込んでいること。

明るくポジティブな性格が「いい」と決めつけていることです。

でも、考えてみてください。

明るい音楽や、雲ひとつない晴天ばかりだと幸せですか?

悲しい歌を聴きたい日も、雨の中を歩きたい日もありますよね。

暗い雰囲気に浸りながら「ああ、なんて自分はダメなんだ」「不安で仕方ない」と思い切り落ち込む。

辛い気持ちにどっぷり浸かる。

そんな日も必要なんです。

ただ、そうしていると······飽きてきます。

不安やネガティブな気持ちを蹴散らそうとすると、逆にに消えないんです。

「自分なんか……」という気持ちにどっぷり浸かっている時間で、実はネガティブな自分を受け入れる作業をしているんです。

ヘンな人で生きていい

「自分なんか……」というのは自分を責める気持ちですが、なぜ自分を責めるのかというと、「本当の自分はもっと素晴らしい」と思っているからです。

「私があの人よりできないなんて許せない。本当の私はもっとすごいんだ!」という心の叫びの裏返しです。

「すごい自分」と現実の自分とのギャップに落ち込みながら、一方で、「普通」であることにも固執します。

たとえば、「この年齢になったら普通は結婚している」「普通は子どもを生む」などと思っては、「普通じゃない自分」にまた不安になるわけです。

その「普通」のもとをたどると、たいていは「大人の声」です。

大人は「普通は」と言いたがりますよね。

私達よりも昔の時代を生きてきた大人の「普通」と、今の時代の「普通」は違います。

なのに、大人から刷り込まれた「普通」という小さい箱の中に、自分を無理やり収めようとするんです。

みんなが工業製品のように同じ形の箱にぎゅうぎゅう詰めこまれている世の中なんて、全然面白くありません。

「自分は普通じゃない」という不安や悩みを抱えている人は、ぜひ「ヘンな人」としての人生を生きてみましょう。

「私、ヘンなんです。すっごくネガティブなんです」と自分を笑えるようになると人生が変わっていきます。

すると、まず、あなたが何をしても周囲の人が言う台詞が決まってきます。

「ああ、○○さんだからねぇ」。

そうなればしめたもの。

あなたはもう何をしても「○○さんだからねえ」と受け入れてもらえます。

僕の考えでは、ストレスを日本語で表現すれば「我慢」。

我慢には二種類あって、一つは「やりたいことをやっていない」。

もう一つは「やりたくないことをずっとやっている」。

この二つのストレスが蓄積すると、不眠や体調不良などという形で身体に出てきます。

冒頭で言ったように、真面目で、ちゃんとした人ほど、ストレスをためて、いろんな症状に苦しみます。

そんな人たちは、次の三つの勇気を出してみましょう。

ステップ1 「やりたくないと言う勇気」

我慢というほどでもない、小さなことほど断りにくいものです。

まずは、その我慢をやめましょう。

「これくらいやってくれてもいいじゃない。ちっちゃい奴だな」と言われるでしょう。

「あいつは黙ってやってるぞ」と誰かと比べられるかもしれません。

その不安を振り切って、断りましょう。




ステップ 2 「好き、やりたい」と言う勇気



やりたくないことは断るのに、やりたいことは真っ先に手を挙げる。

「そんなの、厚かましい奴だと思われるのでは」と不安になりますよね。

「手を挙げておいて、できなかったらどうしよう」とも思うでしょう。

だから、我慢して他の人に譲ってしまう。

その我慢をやめてみましょう。

ステップ 3 「我慢」してまでやらない勇気

たとえば「これ、コピーしておいて」と言われたとき。

あえて、「今、手が離せないので、山田さんに頼んでいただいてもよろしいですか?」と言ってみる。

自分でやれるけど、他の人にわざわざ頼む勇気です。


不安とは、まだ訪れていない未来の話です。

そして、不安が起きるのは、たいてい自分や他人を見くびって、バカにしているときなんです。

「自分はもっと強くて、仕事もできる」と思っているし、他人に対しても、「あの人に任せて大丈夫だろうか」と、勝手に自分と他人をバカにしたモードに入ってしまう。

そういうときに不安がやってきます。

いざという時に、「こんな私にできる訳がない」と不安になる。

そして、うまく行かないと「やっぱり」と思う。

その繰り返しがあなたではないでしょうか?

不安になるのは仕方ありません。

だから、どっぶりと不安に浸かってください。

どんどん落ち込んで、だけど途中で何だか飽きてきたなと思ったら、「じゃねぇし!(じゃないし)」「ちげぇし!(違うし)」と声に出して言ってみましょう。パッと顔を上げて、キッパリと。

スーッと気持ちが切り替わるのを実感できると思います。

「イヤな奴」「ヘンな奴」と言われる覚悟は必要ですが、我慢を捨てたときの快感をぜひあなたにも味わってほしい。

そもそも、「ヘンな人」が多い世の中のほうが楽しいし、そういう人たちが世界を変えるんですから。


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