見出し画像

ゴミ処理場に暮らす人々

こんにちは。
随分と慣れましたが刺激的な日々を送っています。

しかし、遡ってみても、ソロモンに来て1番衝撃を受けたのは、“DAMP SITE”を見学したときでした。
皆さん、今回のタイトルを言葉通り理解することが出来ますか?
「驚くと思います。DAMP SITE、普通に人が住んでますからね〜」
とボランティア調整員の方に言われた時に、私はその言葉を言葉通りに受け取ることはできませんでした。
ゴミ処理場に人が住んでいる・・・?
その状況を想像できないまま、現地に向かいました。

市街地から工業地付近を抜けてすぐの場所に衝撃の場所はありました。ゲートをくぐり、飛び込んできたのは人生で見たことのない光景。

ゴミ平原
ゴミを捨てにきたトラックに群がる人々
住んでいる人


そこには視界を埋め尽くす限りのゴミと、言葉通り、ゴミ処理場に暮らす人々がいました。
そしてキツすぎる臭い…。途中、明らかに人体に有害な臭いが流れてきました。

何から考えていいのか分からないこの光景に絶句しました。
暫く後に色々な考えが頭を巡りましたが、軽率に発言するのは失礼だと思い言葉を飲みました。帰ってちゃんと考えようと思いましたが、結局当時の思考と殆ど変わりません。

・子供たちは自分の家がゴミ処理場にあると自覚した時に何を思うのだろうか?
・自分は不運だと嘆くだろうか?
・他人が不運、不幸だと決めつけるのは失礼だろうか?
なんてことを最初に思いました。
ここまで過酷な状況に生まれると、自分の力で人生を切り開くのも相当に難しい気がしてなりません。
なぜ子供たちはこの場所でも笑って暮らせるのだろう………

裸の子ども…

不幸や可哀想で片付けてはいけない光景であることは分かっていても、国家レベルのプロジェクトで無ければ、解決できる気がしません。

焼却しか処理方法がないので、分別する意味もなく、ゴミは山積みにするのみ。
下水もここに垂れ流しです。
病院からのゴミも廃棄されているので、注射の針といった危険物もあります。
それはもう、劣悪な環境でした。

最優先すべき課題だと思いますが、ソロモンは電力が世界一高価であるということで、ゴミ処理プラントも建設し難いです。
結局のところ、途上国はインフラが整わないまま、先進国の技術が流入し、それに対応が追いついていないのだと実感しました。
先進国が壊しているようなもんですね。
 元々は、芋やバナナ、魚を食べ、物々交換が主流の社会で自給自足に近い生活を行なっていた国に、急に缶・瓶・ペットボトルやプラスチック由来の包装、更には電化製品など様々な物がもたらされ、一見生活が豊かになったようであるが、「処理」の部分で対応ができず、環境破壊に近い惨状を招いたように思えてなりません。

解決に向けては、先ずはエネルギープラントの建設を先進国が進めていく責任があると思います。水力or地熱orバイオマスあたりがソロモンには適していそうです。

「なぜ住んでいるか?」と言う問いについては、下記が回答です。

①廃棄物から、なんとか生きるためのものを採集しているので、その争奪戦に効率良く、いち早く駆けつけるため。
⇒ゴミの運搬車両が来るたびに人が集まる。

②住んでいても怒られないから
当然、土地と家が無い人々な訳で、その様な人々が身を置ける場所の一つであったということです。
⇒ではなぜ、役所は所有地であるゴミ処理場から人々を追い払わないか?というと、少なからずこの人々の存在がゴミを削減してくれているからだそうです。

ゴミ処理について解決するだけでは、逆にここで暮らしている人々の生活手段を奪ってしまうことになり、悩ましいですね。
同時に人の支援も進めなければいけないという点でも、先行き険しいなぁ、、、

しかしながら、他人事の様で本当に申し訳ないけれども、この光景を見ることができて、知ることができて良かったなと思いました。
帰国後は商社で再生可能エネルギープラントの事業投資も選択肢の一つかもしれません。
考えさせられます。

ではまた!


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?