授業観察記録 3年生外国語活動

熊本大学教育学部附属小学校で書き綴っていた実践記録等々のブログは、学校HPに置いてきました。自分で外国語教育、もしくは教育の様々な学びや記録を残せる場所をもっておきたいと思い、このnoteを始めます。

1つ目の投稿は、昨年度まで勤務していた熊大附属小で行われた、夏の実践研修会で参観させていただいた、3年生の授業観察記録から。
子どもたち、すてきだった。


「『人がすき』を大切に育てようとしている感じ」

久しぶりに外国語活動の公開授業を参観させていただきました。そのときに書いたメモ。一番最初に書いていたのが、上の言葉でした。

3年生。

アルファベットの大文字を扱う単元の提案授業でした。

自分の名前、イニシャル。

それらをすんなり扱って、ABC...を楽しいリズムに乗せてチャンツやコーラス的に声にだして。。。

という授業に、自ら立ち止まり、

これでいいのかな。どうして文字を学ぶんだっけ。

なんのために使うのかな。

文字の形や名前への認識って、どういうことか、丁寧に考えてみよう。

そんな誠実な問いから、授業が考えられていました。

ALTやクラスの友達、他の先生たちに、自分のことを「ニックネーム」で呼んでほしいなあ、という、そんな気持ちの高まりから動き出し単元だったことも、人と人が意識されていてしあわせな気持ちになりました。

自分が考える「呼んでほしい」ニックネームだから、今年クラス替えで同じクラスになったお友達にも、照れくさくってまだ言ってなかったよ!という子にとっても、たのしみな目的地になってるんだろうなあと感じました。

そんな大切なニックネームのタグを作るから、

正しく表記したいし、自分が本当にほしいアルファベットの文字を集めたい。友達にも、丁寧に確認しながら渡したい、そういう行動や心の動きが生まれるのだろうと感じました。

ここに全てを詳細に、うまくは書けないのですが、いわゆるお店やさんスタイル。主な言語活場面は、クラスを半々に分けて、アルファベット屋さんとカスタマーになる活動です。

この活動形態自体は、うんうん、あるよね!たのしいよね、3年生の子どもたちにとって、遊びやこれまでの生活科の学習などでもやってきたよね!という感じなのですが、

おもしろいのは、お店やさんにそれぞれ名前がついているところです。

「カクカクSHOP」「ぷっくらSHOP」「二本線やさん」などなど

アルファベットの仲間分けを、字形や音声(名前読み等)に応じて行うことはよく取り組まれることだと思うのですが、それを生かして、店名にしちゃう、というものでした。

そうすることで、カスタマーさんたちは、店名から、「ふむふむ、二本線やさん。Tが売ってあるのでは?」と文字の形、推測する画数等を考えながら、訪れる店を選んでいく様子が見られました。

今回は字形の特徴やイメージ「ぷっくら」とか「木SHOP」みたいに、その子その子がもつ感性や感覚を大切にしたネーミングがなされていて、とっても勉強になりました。(取り組みにも学んだのですが、子どものその表現や語感からも学ぶことたっくさんで、すっごく楽しかった!)

実はこの実践、昨年度に一度、取り組まれたものです。

そして、そのときには、授業づくりの段階から、同僚として研究同志として話を聴いてきました。

そして、今年の、今回のさらにブラッシュアップされた提案授業でした。学級もかわり、子どももかわりさらに昨年度の取り組みから改善された学習環境や子どもとのかかわりがありました。

子どもの思い、子どもの言葉、子どもの挑戦から、授業が変わり、掲示物が育ち、「仕入れコーナー」みたいな場が生まれていて、それらを子どもが使っていました。子ども発、子ども作、子ども発案!みたいなものが、学び手である子どもに使われていく、という仮説は、ここでもたしかめられたような、そんな気持ちで観察していました。

午後のディスカッションの場も、本当にありがたくって、夏休みの大切な1日、集ってくださった方々と「対話」を通して学び合うことができたことにも、すっごく感謝した、そんな日になりました。

2024年8月7日 熊本大学教育学部附属小学校 夏の実践研にて。

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