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夢と現実の境界線

眠りにつく前か後か。

信じられんほどでかい音を聞いた。

地上に向かって何かが一瞬にして局所的にかつ大量に降り注いだような

地上に向かって特大のハリセンを叩きつけたようなありえんほどでかい音。

それが夢の中で聞いたものなのか、眠る前に聞いたものなのかはわからない。
しかし確実に記憶には刻まれていた。


夢の中で私はその音の話を森さんにしていた。


森さんというのはおそらく人間ではない。

真っ暗闇の夜空の下、生い茂る木々に向かって、大きな音を聞いた話を大声でしていたからだ。

音の説明をしていたかと思うと、ふと気が付いた時には話題はいつの間にか自分語りになっていて、

女の子と楽しく会話できないんだという悲痛すぎる悩みを森に向かって吐露していた。
ざわざわと風に揺られて鳴る音は、そんな私をあざ笑ってのものか、励ますための必死の意思表示かは、目が覚めた今でもわからない。


ふと目覚めた私は友人の車の中にいた。

どうやらひどく酔った後のよう。

呂律も頭も回らない状態で必死に体を動かすものだから、その友人の車でサイダーを大胆にこぼした。

直後にスマホを開いて「友人の車でサイダーをこぼす」とエッセイのネタをメモする私。


その理性も誠意も感じられない私を友人は車から降ろすべく停車し、遂に私は車から引きずり出されるが、

誕生日プレゼントがあるんだと言って、背中を向けていた友人を引き留めた。


その友人に向かって水切り用のデカく平らな石を三つプレゼントするど畜生の私。

目が覚めると布団の側面を石を複数持つ持ち方で握っている。

その寝姿を見て「もっといい夢を見ろ」と声をかける兄を
三人称視点で見ている私。


まだ夢の中。

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