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花でもあげられるならお別れ会に行きたいと思っている。

チバユウスケが死んだ。
チバユウスケが亡くなった。

「亡くなった」と書きたいし
「死んだ」のほうで書きたい思いもある。

丁度一週間前くらいに「そろそろミッシェルをききたいな」と思い、通勤中に毎日聞いていたところだった。冬は「ドロップ」を聞きたくなるので。
10年くらい前に学生の頃コピーした音源も聞き返してみたり、そういうところで、昼、ニュースを見た。

中学校のとき、校内放送で文字通り天から降ってきたTHEE MICHELLE GUN ELEPHANTの「世界の終わり」、あの時目が冴えるような感覚がした。
同時に「以前姉が教えてくれた曲」だ、とも気づく。家の小さなMDコンポで聞いたときとは段違いの音の強さにまた驚いた。
そしてt.A.T.u.がMステをドタキャンしたときに歌っていた人たちだということにまた遅れて気がつく。私は日頃ぼんやり過ごしている割には長期記憶がいいのでこういうことが起こる。

話が逸れた。

その頃THEE MICHELLE GUN ELEPHANTは既に解散していた。ROSSOは再び活動休止になる。
私はTSUTAYAレンタルで『THEE MICHELLE GUN ELEPHANT GRATEFUL TRIAD YEARS 1995-2002』を借りた。

ディスク1に収録されている『I was walkin' & sleepin'』が取り分け好きだった。
当時はなぜ好きかはわからなかったが、歌詞を読み返すと「そりゃあそうだわな」と納得できる。人とどう話したらわからなくて、正解はあるはずなのにうまくいかなくて、同時に変にもなりたくて、どうにもこうにも浮いている自分がすきで、でもつらかったのだから。

声がかっこよかった。
サウンドがかっこよかった。
歌詞は不思議だけど安心できた。
かわいらしくもあった。

RISING SUN ROCKでボヘミアンガーデンでThe Birthdayを初めて観て、また違う世界を見せてくれた。ステージのカーテンがあやしく揺れてこの世の人間じゃないみたいだった。
大学生の頃『I'M JUST A DOG』が発売され、もう、めちゃくちゃ聞いた。
フジイさんが加入したバースデーはまた新しい世界を見せてくれた。
ギターの音の粒がキラキラしていて「ミッシェルのサウンドを彷彿とさせるところがあるよね」と卒業して学校を離れた軽音部の先輩が新譜の感想とすすめを私にメールしてくれた。私がチバユウスケを好きなことを覚えていてくれた。
ゴールデンウェットフィンガーズもやっぱりRISING SUNで観た。チバはずっと帽子を被っていた。
再びTheBirthdayを観た。夜の野外ステージなのにサングラスをかけていて、それがまたチバらしいと思った。
出たばかりの月が赤いと嬉しかった。

もう観れないし新曲も出ることがない。
私は人が死ぬことは「その人との思い出が更新されなくなること」と捉えている部分があり、チバユウスケに対しても同じことが起こるのかと思うとさみしく、かなしく、つらいなあと感じている。

あ~~~~~~~~~~
やっぱりめちゃくちゃ好きなんだ。

今日の仕事帰りに「ロッソのシャロンを歌おう」と思い、歌い出したら歌詞をちゃんと覚えていた。

サンタクロースが死んだ。
ハンドルから手を離した。

「ハンドルから手を離したのか」、と同時に思って、あとはもうだめだった。

もうどうしようもないので、1年か、もしくはそれ以上ぶりに(そのときだって前回から1年以上おいている)アンプにスイッチを入れてあたため、エレキギターをつないで、オーバードライブは持っていないからブルースドライバーでシャロンを練習した。3時間くらい。

もうずっとギターを触っていなかった人間にギターを持たせる力がある。上から見ているもうひとりの自分が感心していた。

すごい人なんだよ。すごい人なんだよな。
いないのか。

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