不可逆あれこれ2 「MD」
失ったもの、戻れない時、離れていった何か。
金曜の夜は未練たらしくそんなものを振り返っていきたいと思います。
「MD」
超速で消えていった記録メディア、MD=ミニディスク。
このMDが一時普及した時にドンピシャで中高生だった私は、この媒体への思い入れというか歯がゆさというかが、強い。
まずね、不便。不便なんです。
私が持っていたのはポータブルの録音機能付きMDプレーヤーで、コンポに繋いでCDから入れていた。MDプレーヤーの小さなリモコンの画面と睨めっこして、ピコピコ頑張ってた。
でも、CDプレーヤーより小さいし、何曲も持ち歩けるし、プレイリスト的に好きな曲を繋いで作って友達にあげたりして、当時は凄い画期的に見えた。
ところが、大学生になるときに姉がお祝いのiPodをくれた。
PCさえあればドラッグ&ドロップでインストールできる!と革新的すぎて今までの何だったんだろう、と思った記憶がある。
家に何枚もMDがあるけれど、もう聞く事はできない。
きっと忘れ去られた当時のお気に入りがたくさんたくさん入っているけれど、MDプレーヤーをわざわざ買うのはハードルが高い。(中古はまだ売っているけど、今でも再生できるか不明なものが多い印象です。。。)
このMDを思い出すたびに、あらゆる記録媒体の栄子衰退を思わずにはいられない。
ビデオだって、沢山撮ってもらったり録画してもらったのに、もう見るにはプレーヤーをわざわざ買わないといけない。
カメラだって、趣味でない限り普通の記録用としてフィルム式を使っている人はいない。
いろんなものが上書きされて、いつの間にかこぼれ落ちてしまう。
だから、そんなものまだ持ってるんですか!という一部の愛好家にグッとくる。
レコードとか、8ミリとか、昔のカメラへの回帰はよくあるし、そしてなんかかっこいい。
でも、MDに回帰する人、いませんよね?
昔の持ってるやつ聴きたいな、はあるかもしれないけれど、わざわざMDに録音しよう、って人はそんなにいないですよね。
ここでもかわいそうなMD。
もう、戻らない。
その切なさを、噛み締めてみたりします。
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