演技レッスン【魅力的な俳優】
こんにちは。
演技講師、アクティングコーチのスギウチ タカシです。
この記事では、演技力アップに役立つような内容を不定期に書いています。
今回のテーマは【魅力的な俳優】についてです。
先に簡単なぼくの自己紹介ですが
ボクは元々20代前半から俳優として活動していて、今から約7年前に俳優から演技講師、アクティングコーチに転向しました。現在も講師として活動中です。今までたくさんのプロの俳優、女優さんのコーチングやオーディション、撮影本番の準備のお手伝いをしてきました。
俳優時代は全く演技のセンスがなく、事務所の先輩から満面の笑顔で「タカシは本当に芝居が下手だなぁー」と爽やかに言われるほどでした。その為、たくさんの演技レッスンやワークショップに通って色々なメソッドを学んできて今に至ります。
では本題に入っていきましょう。
『魅力的な俳優』とは
先週、とある短篇映画を観ました。
男女2人が出ている作品で、演技も上手だし、感情もしっかりと表現されていました。
純粋に「あぁ〜凄いなぁー」と思ったのですが、何か物足らない感じが残りました。
「なんなんだろう?」とずっと考えていたのですが、俳優本人の魅力が出ていないのではないか、という自分なりの結論に達しました。
魅力って?
これもレッスン帰りにST Acting Studioのメンバーが話してくれたのですが、そのメンバーが、とあるワークショップに参加したときに、経験豊富で演技が上手な人と、演技経験はまだそこまでないけれどアイドルをしていた人とが一緒のシーンを演じているのを観ていたときに、気がつくとそのアイドルの人の方に目が行ってしまっていたと言っていました。
たしかに同じ様な話を良く聞くことがあります。
ボク自身も演技が上手なだけ、の人よりも人間的に魅力がある人の方に目が行っていることがあった経験があります。
これは演技講師としては由々しき状況です。
どんなに演技が上手になっても『魅力』がある人には敵わないのであれば、演技力をアップさせることは無意味なのか?
そもそも『魅力』ってなんだ?
魅力がある人って確かに居るし、でも目に見えるんだか見えないんだかよくわからないものなので、数値化できないし。人によって感じ方は違うし。
魅力的な人
魅力的な人っていますよね。
生まれ持ってのものなのか、本人の努力で培ったものなのかはわかりませんが、確かにそういう人はいます。
そういう人の特徴としては
・自分の魅力に気づいている。
・自分に自信を持っている
・周囲の人を自然と良い気分にさせる。
・いつもリラックスしている。
他にもありそうですが、こんなところでしょうか。
自分の魅力に気づいている
これは外見の良し悪しだけでなく、内面的なものも大きいと思います。
ただ俳優という仕事は自分のコンプレックスも自分自身が受け入れれば魅力になるので、自分自身を客観的に見つめてみると良いのかもしれません。
自分に自信を持っている
これも魅力的な人の大きな特徴ですね。ここで言う「自信」は他の人と比べて、自分が優位だからという理由で持つ自信ではありません。
その場合、自分より能力が高い人が現れた瞬間に、その自信は無くなってしまうので優劣を基準にするのではなく、自分自身への絶対的な信頼感を持てるかどうかだと思います。
周囲の人を自然と良い気分にさせる
魅力がある人を見ていると、自然と惹き込まれてしまい目が釘付けになりますよね。
見ていると良い気分になるので、ずっと見ていたくなります。もっと良い気分になりたいので、もっともっと見たくなります。
魅力的な人には人を惹きつける吸引力があります。
いつもリラックスしている
そしていつもリラックスしている印象があります。
「緊張する〜」と言っていても、どこか楽しそうだったり、真剣モードでもどこか軽やかなイメージです。
肩や肘にガッチガチに力が入りまくっている人は魅力的ではありませんよね?
魅力的になるには
魅力的になる為の方法はたくさんあると思います。自分磨き、趣味を楽しむ、習い事をするなどなど。
ただ今回は『俳優として』という視点で考えたときにボクなりに出した答えが『リラックスした身体』を手に入れることだと思っています。
最近ずっと『身体』に嵌っているので、どうしてもそういう視点から観てしまう傾向があるのは自覚しているのですが、上記の短篇映画を観たときに出演している俳優の身体に固さを感じていました。
多分本人に自覚はないと思います。
表面上、肩に力がガチガチに入っているわけでもないですし、顔が強張っているわけでもありません。
ただ日常レベルからの「身体の脱力(リラックス)」があまり良くないんだろうな、という印象です。
俳優の身体が固いと観ている人にそれが伝わります。キャラクターが緊張しているような場面で、その緊張が伝わるのは良いのですが、そういう意味とは違う、本編とは関係ない「雑味」のようなものが入ってしまいます。
逆に俳優の身体がリラックスしている状態だと、観ている人も緩んでいくので非常に心地よい状態になります。
心地よいので作品を観ていても「早くあの俳優さん出てこないかなー」と出てくる場面を心の中で待っているときがあります。
「雑味」もないので、キャラクターの心情だったりストーリーもすんなり入ってきやすいです。
リラックスした身体
ここでボクが言っている『脱力(リラックス)した身体』とは、ただ家でダラーっとしているときとか、お風呂上がりの状態というレベルのリラックスではありません。
もっと深いレベルの『脱力した身体』を手に入れる必要があると思っています。
その為には兎にも角にも
『身体開発』だと思います。
最近また『身体開発』をさらに演技に
活かせるやり方を見つけました。
身体が持っているエネルギーを
上手に演技に活用していく方法です。
さいごに
ひとつ付け加えておくと
『魅力』に必要な要素として挙げた「自信」なんかも身体を開発していくことで身につけていくことが可能です。
思考を使って自信をつけて行くやり方もあると思いますが、目に見える『身体』にアプローチしていくやり方は効果もわかりやすいので非常にお勧めです。
もし気になる方がいらっしゃれば
ご一報いただければと思います。
一緒に
『身体開発』しましょ♪
では!!
スギウチ タカシ