【エッセー】足るを知る者は富む~あなたにも幸せを🍀
人間の強欲は計り知れない。金銭的な欲望でいえば、100万円を得た者は1000万円を求めるし、1000万円を得た者は1億、1億は10億と際限ないのである。
また、自身の置かれている現在の立場で満足する者も皆無だ。「自分はもっと高く評価されてしかるべきだ」「昔は良かった。いまの私がこんなはずで良いはずはない」とこんな具合の人たち、周囲にいないか?
自らの置かれている立場に満足することなく、つねに不満を抱えている者は少なくない。確かに、幸福のための適度な資産や現代社会で生存するためのある程度の向上心は不可欠である。
しかし、社会的な成功を求めれば求めるほど、心の安寧は失われ、仮に成功に到達したとしても、すぐにそれを守るための試練とストレスがやってくる。それは結構苦しいものだ。
勝者はいつの時代も孤独だし、孤独を感じながら豊かさを同時に得ることはなかなか難しい。成功者(あるいは成功者に見える者)は、存外、不幸であり、空しい人生を送っている者が多いのだ。
かつての筆者もそうだった。華やかな世界に生き、生活は常に輝いているようだった。テレビやラジオで何本ものレギュラー番組を持ち、食事の相手はタレントや芸能人などの有名人ばかり。ファンから街で声を掛けられ、ときにサインをねだられる。所謂、有名人で、しかも人気者だ。
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