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abstract pop | 5 Best Songs...2022⑦

「abstract pop」では国内の音楽メディアでは紹介されないような、海外の新進気鋭なアーティストを紹介していきます。過去に紹介したアーティストは下記にまとめてあります。

Spotifyのプレイリストも更新しています。

gabby start

もともとKnapsackというアーティスト名で活動していて(その時からアルバム出したらこのプロジェクトは終了すると公言)、そこから名前を改め、gabby startとして2021年から活動再開。そんな新体制での待望のEP『luca』をリリース。ちなみにjacob geoffreyも作曲で「sydney」で参加。(というかAtlantic Recordingから地味にリリースという…)
Knapsackのときはもっとアコースティックやオーガニックな質感のベッドルーム・ポップサウンドでしたが、gabby startになってからの楽曲は、目一杯ポップな感じに振り切っているなという印象があります。インディーロックやポップパンク、ニューウェーヴ、EDMといったダンスミュージックなどあらゆるジャンルを横断した、輝かしいアンセムソングに仕上げています。やはりところどころ1975っぽい部分もあるのですが、それをベッドルーム・ポップのろ過装置に通した、まさにLaptop Rockと呼びたくなるような楽曲ばかり。そして全曲まじでエモーショナルなんすよね…。最高すぎる。
本当にちなみにな関連の話なんですが、gabby start(ex: Knapsack)とunderscores、Heydaysどかがサイドプロジェクトでやっているバンド、Papaya & Friendsも最高なんですよね。意外と知られていないようなのでぜひこの機会に。


kuru

osquinnやmidwxstなどとも関わりのあるワシントンD.C.拠点に活動するアーティスト、kuruがデビューEP『splitting time』をリリース。
現代的なトラップビートから、UKガラージやジャングルといったダンスミュージック的なビートも織り込みつつ、過剰なエディットを加えたトランシーな電子サウンド、グリッチやデジコア、hyperpop的な要素を織り交ぜた煌びやかな音像に仕上げています。この周辺ジャンル特有の、言葉表現できないけど、全曲通して本当に気持ちいいデジタル環境にいるような6曲でした。


aldrch

 NY拠点に活動するアーティスト、aldrchがデビューEP『static.』をリリース。作品には客演でRyan Leahan、torr、poptropicaslutz!、GOMらが参加。フィーチャリングのアーティストを見てわかる通り、彼も〈Anything Could Be Here〉周辺やjacob geoffreyとも関わりのあるアーティストです。今週ここら辺のアーティストが一斉にシングルとか発表してましたね。
ポップパンク的なバンドサウンドを軸にした楽曲から、ハウスやテクノ的なアプローチをした曲、グリッチ的な音割れした電子サウンドも織り交ぜたものなど、多彩な作品となっていました。


Congee

ノースロンドン拠点に活動するマルチな才能を持つクリエイター、Sam Tsangによるプロジェクト、Congeeがデビューシングル「Be Alright」をリリース。彼は今回の楽曲リリース以前からFred again..と制作を共にしたり、その他GriffやLucy Blue、Finn Askewとも友達的な付き合いだそうです。
彼の作り上げる音楽は、トロピカルかつファンキーなサイケポップな音楽を奏でていて、そこに少し気怠げでゆるいフロウのラップや、メロウで芯の強い親しみやすい歌声が絡み合うような楽曲です。
彼の母親は、中国で生まれ育ち、英語もわからないまま英国に移民。彼自身はイギリスで生まれ育ち、母国語は英語、母は中国語で、その言語の壁もありつつ、ときどき母親の口から「Be Alright」と聞くだけで安心すると彼は語ってまして、この楽曲でその家族の絆や移民としての世代間の感覚などを表現したそうです。


Jura

デンマーク出身のアーティスト、Juraがデビューアルバム『Formality Jerne​-​Site』をリリース。全体的にシンセやリズムが80年代のニューウェーヴ的なレトロでダークなサウンドなのですが、R&B、ジャズ、ニューエイジなどを組み合わせエクスペリメンタルな音楽に仕上げ、彼女のアヴァンギャルドな音楽世界を創り上げています。
個人的にはJacob Collierのようなジャズだけどポップな質感のサウンドを、Vaporwave的なアプローチでコーティングしました、みたいな印象を受けました。かなりダークで幻想的なムードはありつつも、そこにしっかりと希望や光が込められたような綿密な音作りも素晴らしいですよね。本当に消化しきれないミステリアスな部分もあるけど、すごく惹かれるアルバムです。なんだろうなこの摩訶不思議な魅力は。言語化できない部分が多いです。


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