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Hannah Jadagu, Tora-i…今週のおすすめ 5 Best Songs:2023-19

今週も新人の新譜から厳選して5組のアーティストを紹介します。音楽ブログ「abstract pop」の「5 Best Songs」の企画では、国内の音楽メディアでは紹介されないような、海外の新進気鋭なアーティストを毎週紹介していきます。過去に紹介したアーティストは下記にまとめてあります。

Spotifyのプレイリストも更新してます〜


Hannah Jadagu

テキサス出身で現在はNYを拠点に活動するベッドルーム・ポップ・アーティスト、Hannah Jadaguがデビューアルバム『Aperture』を名門レーベル〈Sub Pop〉よりリリース。2021年に発表したデビューEP『What Is Going On?』はiPhone7のみで録音されたという生粋の宅録アーティストで、その作品がSoundCloudなどを中心に爆発的に人気に。レーベルの契約も争奪戦の上、〈Sub Pop〉が見事契約に漕ぎ着けたとのこと。
サウンド的にはインディー・ロックやインディー・ポップなどをベースに、グランジやドリーム・ポップなどを織り交ぜた、ソリッドでありながらも浮遊感のあるムードもある音楽性に。彼女のたゆたう甘美な歌声も相まって、歪んだサウンドの中に幻想的な光が漂うようなものになっています。前作よりも間口が広がり、よりさまざまなサウンドに挑戦していっているような感じもあっていいですね。


Tora-i

ロンドン拠点に活動するシンガー・ソングライター、Tora-iが新作EP『& what else?』をリリース。すでに各音楽メディアから絶賛を受け、COLORS SHOWにも出演、さらには2022年にはOmar Apolloと共にSnoh Aalegraのツアーに帯同するなど注目を集めています。
Destiny’s ChildからMariah Careyといったポップスから、PrinceやWhitney Houstonなどのアーティストまで影響を受けたという彼女の奏でる音楽は、とても洗練された優雅なR&B/ソウル。シルキーで落ち着いた美声は見事で、流麗で瑞々しいフロウにも圧倒されます。ファンクやヒップホップ、インディー・ソウル的など楽曲によって見せる色も異なり、曲が進むごとに彼女の深い世界観に入り込んでいくような没入感のある作品でした。


Groupthink

LAを拠点に活動するベッドルーム・ポップ・アーティスト、Groupthinkが新作EP『before the afters』をリリース。客演にはKennyHooplaやエレクトロ・ポップ・デュオSunday Scariesが参加。
インディー・ロックやローファイ、エレクトロ・ポップ、デジコアなどの要素を絡めた、おもちゃ箱をひっくり返したようなトイポップ味のある音楽性に。しかしごちゃごちゃにならず、ハイセンスで革新的なサウンドにまとめ上げているのが天才的です。Daft PunkやMGMTといった2000年代のアーティストたちの精神がインスピレーションの源にあるらしく、その片鱗がシンセサイザーの使い方やビートの作り方などから感じられますね。


Gregor the Blue & Thieta

サウスロンドンを拠点に活動するプロデューサー/ソングライターGregor the Blueと、SSW/プロデューサーThietaの両者によるコラボレーションアルバム『Left Cold』をリリース。マスタリングはSaint Judeが担当。
ダウナーでメランコリックというサウンドロンドンらしさ全開のアルバムに。ジャズやソウル、ヒップホップ、インディー、クラブミュージックなどが盛り込まれたダークなビートに、Thietaの気だるげでビター・スウィートな歌声という組み合わせで、最高なこと間違いないです。ダウンテンポでグルーヴィー、そしてミニマルでストレンジな音色使いも魅力的ですね。正直両者の素性はよくわかりませんが、Saint Judeも絡んでいることもあって、才能あることは確実ですね。


Blue Mena

NY・ブルックリンを拠点に活動するマルチ・アーティストMena Sachdevによるソロプロジェクト、Blue Menaがデビューアルバム『Multi Adolescence』をリリース。今作はノンバイナリーであるMenaの視点で描かれた、人生の美しさと不確かさがテーマになっているとのこと。
90年代のインディーやドリーム・ポップの雰囲気がありつつ、USインディーの香りも仄かに含ませた、非常にスタイリッシュでスムースな音楽性を特徴としています。透明感漂う艶やかな美声によって清涼感あふれる、インディー・サウンドにまとめ上げています。ところどころアンビエントやソウル、サイケデリックなどのエッセンスも感じられ、Menaのバックグラウンドの広さに驚かされます。


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