見出し画像

Bennet Coast, Sara King…今週のおすすめ 5 Best Songs:2023-29

今週も新人の新譜から厳選して5組のアーティストを紹介します。音楽ブログ「abstract pop」の「5 Best Songs」の企画では、国内の音楽メディアでは紹介されないような、海外の新進気鋭なアーティストを毎週紹介していきます。過去に紹介したアーティストは下記にまとめてあります。

Spotifyのプレイリストも更新してます〜


Bennet Coast

LAを拠点に活動するベッドルーム・ポップ・アーティストでフィルムメーカーでもあるBennet Coastが、待望のデビューEP『Where Are You Going?』を〈PIZZASLIME RECORDS〉というレーベルからリリース。彼は自室で作り上げた2019年の『Brookside』という初作品で徐々に認知度が上がって、個人的に知ったのはその2020年の「Moonboy」からでした。その後各メディアからも注目を集め始めて、Pigenos & Planesの〈Best New Artist〉にも選出されています。
彼の奏でる音楽性は、アコースティック・ギターの温もりのある弾き語りをベースに、インディー・ロックやR&B、ヒップホップなどをミックスさせた、鮮やかで甘酸っぱい青春映画のようなサウンドスケープが魅力。彼の優美で芯のある歌声は爽やかさと気怠さを持ち合わせていて、そんなサウンドと溶け合うこと最高の極上のムードを生み出しています。Roy BlairからJimi Somewhere、Jean Dawsonなどと連なるような才能を秘めたアーティストですね。とにかくビジュアルからMVの映像から音楽まで全て自分で手がけてしまう から、彼の世界観は本当に美しくとてもかっこいいです。


Sara King

USのダラス出身のシンガー・ソングライター、Sara Kingが新作EP『Orchid』をリリース。今作ではJasperの作品にも関わりのあるCowboy LanskyやPuma Blueなどがプロデュースで参加。彼女の作品はもうストリーミングサービスでは聴けなくなってしまいましたが、2018年のEP『Heat』を個人的なベストEPでも挙げていました。
インディー・R&Bを中心に、ソウルやジャズ、インディー・ポップ、ニュー・ウェーヴ、エレクトロニックなどを絡めた非常に幅の広い音楽性が魅力的。そこに甘美で透明感のある歌声が重なり合う、ロマンティックで儚げな世界観を繰り広げています。80年代の煌びやかな音楽性を現代的なベッドルーム・ポップ的な解釈で、ソフトでメロウな感じで昇華していますね。2018年に当時彼女が出てきた時はYouTubeでFrank OceanやTyler, The Creator、Kali Uchis、Childish Gambinoなどをカバーしていろいろと話題となっていました。そんな影響のバックグラウンドの広さは彼女の音楽を聴くとすぐにわかるかと思います。


Sekou

ロンドンを拠点に活動して急激に人気を伸ばしているアーティスト、SekouがデビューEP『Out Of Mind』をリリース。まだ18歳という年齢ながらも成熟したスモーキーでソウルフルな歌声が各所で反響を呼び、Arlo Parksも称賛するほど。Glastonbury Festivalでも入場規制がかかり、UKのBBCラジオでも多くのDJが称賛の言葉を送っているという人気ぶり。
もうとにかく聴いていただければわかるのですが、天賦の才を授かったと言う他にないほど、驚くべき歌声。繊細で機微のある歌い回しや、シルキーでメロウな声質から、壮大で包み込むような力強い歌声というレンジの広さも彼の才能の一つです。規格外の新人アーティストかと思います。


Cowgirl Clue

テキサスを拠点に活動するDJ/プロデューサー/SSW、Cowgirl Clueが新作アルバム『Rodeo Star』をリリース。去年紹介したKumo 99が彼女のツアーに帯同していたりしています。その他にKero Kero BonitoやThe Gardenなどともツアーを共にしているという、さまざまな各方面のジャンルから注目されています。
エレクトロ・ポップを中心に、レイヴやハウス、UKガラージ、ジャングルなどのダンスミュージック、インディー・ポップ、サイケ・ポップなどを織り交ぜた、エッジのあるY2K的な煌びやかでローファイな音楽性に仕上げています。PC Music以降のエレクトロニック・ミュージックでありつつも、彼女独特の解釈によるノスタルジックなカルチャーを織り込むことで、ユニークな世界観を生み出しているように感じます。前にこのブログでも紹介したSnow Strippersにも通ずる音楽性かと。


Mitaya

アトランタを拠点に活動するアーティスト、Mitayaがデビューアルバム『Falling』をリリース。彼女はHeart, HeartというAsi Kemeraなどが所属するコレクティヴバンドのドラムも務めているそう。もともとはハードコアやパンクのドラムもやっていたそうですが、彼女がボーカル含めてソロ作品を出すのが今作が初。
そんな経歴を持ちつつ、Elliott SmithやBjörk、Yung Lean、454などが影響源と語る通り、彼女の奏でる音楽性はインディー・ロックをベースに、ヒップホップやグリッチ、エレクトロ・ポップ、エモなどを重なり合わせた、事件性も感じさせつつもエモーショナルでポップなもの。彼女の歌い方も甘美で美しい響きのものから、エモラップ的なエッジのあるフロウなどさまざまなで、曲によって使い分けているのも素晴らしいです。

いいなと思ったら応援しよう!