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Teenage Priest, Dianna Lopez...最近のおすすめ Best Monthly Artists:2025-1
最近の新譜から厳選してアーティストを紹介します。音楽ブログ「abstract pop」の「Best Monthly Artists」の企画では、国内の音楽メディアでは紹介されないような、海外の新進気鋭なアーティストを紹介していきます。過去に紹介したアーティストは下記にまとめてあります。
Spotifyのプレイリストは定期的に更新してます。
Teenage Priest
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現在はカルフォルニアを拠点に活動しているベッドルーム・ポップ・アーティスト、Teenage Priestが新作アルバム『Tails』をリリース。前作の時も紹介していますが、今作はよりポップさが磨き抜かれた作品に仕上がっています。
80年代のムードを踏襲しつつ、ベッドルーム・ポップからローファイ、インディー・ポップを絡めたロマンティックで幻想的なサウンドに、彼の渋く優美な歌声が溶け合う1作に。Mk.geeの最新作からの影響も感じられるギターのエフェクトやビートの質感などが特徴的です。
Dianna Lopez
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NY出身のSSW、Dianna Lopezが2025年の初めにリリースした『Crossing the Threshold』。この作品自体はYouTubeチャンネルでアップしはじめたシリーズの一部らしく、その時々の自然からインスピレーションを受けたもので作曲し、演奏したセッションが彼女のYouTubeチャンネルにアップロードされています。
今回はその作品群からエディットしたものをアルバムとしてリリースしています。シンプルなギターのアルペジオが幻想的で壮大な空気感を作り出していて、それをベースに彼女の幽玄な美声のバックコーラスや管楽器、アンビエントなどを散りばめ、ヒーリングミュージックのような仕上がりとなっています。映像とともに聴くとさらにその世界観に没入できると思います。ジャケットがMk.geeっぽいのは気のせいです。
Skiifall
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南米のセントビンセント島出身、カナダ・モントリオールを拠点に活動するアーティスト/ラッパー、Skiifallの新作『Lovers Till I'm Gone』をリリース。作品にはJorja Smithが客演で参加。彼はこれまでにLil Silvaのアルバムへの参加やBADBADNOTGODとの共演など、多くのところでも活躍しています。
レゲエやダブなどを中心に、ジャズやソウル、ブルースなど織り交ぜたトロピカルでダンサブルなトラックに仕上げた音楽性に、彼の独特で滑らかなフロウが見事に乗りこなしていきます。程よい横揺れの心地よいリズムと緩やかな歌声が最高です。
Camille Schmidt
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NY・ブルックリンを拠点に活動するSSW、Camille Schmidtがデビュー作『Nude #9』をリリース。各楽曲がそれぞれ面白いサウンドを奏でていて、インディー・フォークをベースに、ポスト・パンク的なアプローチからニューウェーヴ、アンビエントなどを重ね合わせた作品に。WaxahatcheeからWyes Bloodなどを想起させるソングライティング力とジャンルの掛け合わせ方の才能を感じるアーティストです。
Rose Gray
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2021年のベストEPにも挙げたイーストロンドン拠点に活動する、Rose Grayのデビューアルバム『Louder, Please』をリリース。以前のミックステープの時のオルト・ポップさから徐々にUKのクラブミュージックの音楽性にシフトしていき、今作でとんでもない成功を収めていますね。イメージや音楽性も含めて次世代のCharli xcx〜Lily Allenのようなポップスターに上り詰めていきそうな勢い。
Ghais Guevara
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フィラデルフィア出身のプロデューサー/ラッパー、Ghais Guevaraがデビューアルバム『Goyard Ibn Said』をリリース。エクスペリメンタルヒップホップの類の中でかなり面白いアーティストが出てきた印象です。彼自身でサンプリングもしてトラックも制作しているわけですが、絶妙なビートからユーモラスなサンプリングもさながら、彼の矢継ぎ早でスムースなラップのフロウもまた見事。
lots of hands
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UKのリーズを拠点に活動するインディー・デュオ、lots of handsの新作アルバム『into a pretty room』も良かったですね。Alex Gのような実験的なアプローチもしつつ、Hovvdyのような絶妙なポップさも感じられる、フォーキーで牧歌的なサウンドがたまらない作品でした。個人的にフィラデルフィア周辺から出てきたのではなく、UKから出てきたことが非常に面白いなと感じています。