Uma, muva of Earth, METTE...今週のおすすめ 5 Best Songs:2023-35
今週も新人の新譜から厳選して5組のアーティストを紹介します。音楽ブログ「abstract pop」の「5 Best Songs」の企画では、国内の音楽メディアでは紹介されないような、海外の新進気鋭なアーティストを毎週紹介していきます。過去に紹介したアーティストは下記にまとめてあります。
Spotifyのプレイリストも更新してます〜
Uma
ロンドンのアンダーグラウンドシーンを盛り上げるレーベル〈Slow Dance Recordings〉。そのレーベルでも古株でもあるスペイン・バルセロナを拠点に活動するシンガー・ソングライター、Umaが新作ミックステープ『Jai』をリリース。彼女の作品はこれまでにも個人的な2020年のベストEPにも選んだりしています。
彼女独特の浮遊感あるエキゾチックな歌声と共に、アコースティック・ギターやサイケデリックなシンセ、幻想的なアンビエントなどを絡めたオーガニックなサウンドが包みこんでいくよう。ジャズやソウル、ニューエイジ的な要素を、彼女のユニークな感性で新感覚で斬新な音楽性に仕上げていくのも魅力です。
彼女自身はこれまでにPuma Blueとも親しいLucy Luとの共作をしながらも、自身の拠点のバルセロナのホームスタジオをアーティストハブにしようと試みていて、ライティングセッションを主催していたりするそう。そのゲストにNilüfer YanyaやRosie Loweなども参加しており、彼女の輪が広がっているように感じます。現在はPuma Blueのヨーロッパツアーを一緒に回っており、ますますUmaの活躍から目が離せません。
muva of Earth
サウスロンドンの新星アーティスト、muva of EarthがデビューEP『align with Nature's Intelligence』を最近だとKokorokoやYussef Dayesのアルバムを発表しているレーベル〈Brownswood Recordings〉からリリース。彼女のルーツでもあるアフリカカルチャーに対して敬意を表した作品であり、彼女自身は今作を"meditative punk"と表現しています。
印象的なのはハープを用いた優雅で夢見心地なサウンドで、そこにガット・ギターやウッドベース、数々のパーカッション、ノイズ、エレクトロニカなどを織り交ぜ、摩訶不思議で多幸感あふれる作品に。特にM3「your intuitions is your friend」という曲が、彼女の表現した"meditative punk"という言葉が的を得ているような、静けさから徐々に激しく、内なる情熱を秘めた1曲となっています。muva of Earthの透明感溢れる叙情的な歌声も美しく、楽曲が進むにつれてこの作品の世界観に導かれていくよう。
METTE
アメリカでダンサーから役者までマルチに活躍するアーティスト、METTEがデビューEP『METTENARRATIVE』をリリース。収録曲の「VAN GOGH」に関してはRina SawayamaやJoy Crookesの作品に関わりのあるJonny LattimerとRayeやLizzoに関わりのあるMike Sabathが共同プロデュースで参加。
彼女自身はPharrell Williamsのダンサーを務めたり、特に有名なのがN.E.R.Dの「Lemon」のMVで Rihannaが女性の髪の毛を剃っている部分やダンスシーンが印象的ですが、その人こそMETTEです。また最近ではグレタ・ガーウィグの映画『バービー』のビデオガール役でも出演しています。
そんな各方面で活躍する彼女の作り上げるサウンドは、アフロビートが特徴的なダークさと煌びやかさが表裏一体のM2「FOR THE PEOPLE」から、パワフルなディスコ調の「VAN GOGH」。Charli XCXやCaloline Polachekを彷彿とさせるエレクトロニックなポップスソング「CHOCOLATE CITY」など、現代のポップスシーンを包括するような、力強い1枚に仕上がっています。彼女の幅広くもポップスに長けた一面をこのEPでガツンと思い知らさせれる素晴らしい作品ではないかと個人的には思います。さらにはM5「PSYCHO (NAH NAH)」のキレキレのラップパートも驚きの一言では片付けられないほど多才なアーティストかと。
Walker
LAで生まれ育って、現在はシカゴを拠点に活動するSSW・Walker Landgrafによるプロジェクト、Walkerが新作アルバム『Good Man』をリリース。The Beatlesといった往年のバンドから、D’AngeloやErkyah Baduといったネオソウルやジャズからの影響が色濃くあるらしいです。
そんな背景がありつつ、ソウルやジャズ、ボサノヴァ、AOR、サイケデリックなどを織り交ぜた、メロウで温かみのあるベッドルーム・ポップサウンドに、彼の優美で甘い歌声のメロディアスな旋律が溶け合う、とろけるような作品に仕上がっています。Unknown Mortal OrchestraやHOMESHAKE、Yellow Daysなどに通ずるような、スムースさも魅力ですね。
Sirens Of Lesbos
勝手にロンドンだと思い込んでいたら、まさかのスイス拠点に活動する5人組のジャズ集団、Sirens of Lesbosが新作アルバム『Peace』をリリース。本作にはErick the Architectやdreamcastmoe、あのBootsy Collinsの大御所まで参加しているというよくわからない作品に。
アルバム自体もジャンルが幅広く、ジャズやR&B、ソウル、カントリー、ポップス、ヒップホップ、アンビエントなど多岐に渡った音楽性を各楽曲で表現しています。それぞれのメンバーのルーツやバックグラウンドが溶け合うことで、ジャンルや国境を超えたアルバムに仕上がっています。
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