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Olive Klug, Joseph Lawrence…今週のおすすめ 5 Best Songs:2023-30
今週も新人の新譜から厳選して5組のアーティストを紹介します。音楽ブログ「abstract pop」の「5 Best Songs」の企画では、国内の音楽メディアでは紹介されないような、海外の新進気鋭なアーティストを毎週紹介していきます。過去に紹介したアーティストは下記にまとめてあります。
Spotifyのプレイリストも更新してます〜
Olive Klug
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LAを拠点に活動するシンガー・ソングライター、Olive Klugがデビューアルバム『Don't You Dare Make Me Jaded』をリリース。今作ではノンバイナリーでもあるOliveの大学卒業後に経験する第二の青春を描いているそう。もともとTikTokがきっかけに人気を博して、Miya FolickやMatt Malteseらが所属するレーベル〈Nettwerk Music Group〉と契約して今作に至ったそう。
アコースティック・ギターの温もりを感じるストロークに、Oliveの天使のように優美で透明感溢れる美声が乗る、とてもシンプルな作品に仕上がっています。そこにストリングスやシンセ、アンビエントなどが仄かに混ぜ合わせて、壮大で神々しくアレンジとして加えています。フォークやカントリー、インディーなど、60年代の牧歌的な部分と現代的なポップさを程よくミックスさせる、Oliveの才能には驚かされます。
Joseph Lawrence
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ロンドンを拠点に活動するシンガー・ソングライター、Joseph LawrenceがデビューEP『Trials Of A Dream - Chapter I』をリリース。ジャズシーンから頭角を表していき、徐々に名前が広がるように。
彼の一番の特徴は傑出したボーカリストとしての才能。シルキーで繊細な歌声からソウルフルで力強い歌声まで、その機微のある美声には驚いてしまいます。クラシカルな古き良きソウルやゴスペル、ジャズを基調に、モノトーンな世界が浮かび上がるような渋くもビビットな音楽性も最高。ダークでエッジのあるムードがたまらないですね。
Godly the Ruler
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ナイジェリア出身で現在はシカゴを拠点に活動するアーティスト、Godly the Rulerが新作EP『the world is big, get over it』をリリース。作品には以前ブログで紹介してきたBabebeeやInternet Girl、Jackie Hayes、SAIAH、Brevin Kim、Billy Lemosが客演で参加しているという豪華ぶり。
インディー・ロックやパンク、グリッチ、digicore、ヒップホップなど、1曲ごとにさまざまなジャンルの世界観が交錯したミクスチャーな作品に。主にパンク的なカルチャーの要素が強く、ギターサウンドも全面に出つつ、エネルギッシュでエモーショナルな音楽性が彼の特徴になっています。Jean DawsonやJunior Varsity、客演のアーティストに続くような面白い音楽家になっていくこと間違いありません。
Shivum Sharma
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去年ブログでも紹介した、サウスロンドンを拠点に活動するインドとアイルランドをルーツにもつSSW/プロデューサー、Shivum Sharmaが新作EP『Rivie's End』をリリース。
前作よりもさらに洗練されて濃密で幻想的なR&B作品に仕上げています。包み込むような滑らかな美声と、幻想的で浮遊感のある電子サウンドのアレンジがたまらないですね。清々しく瑞々しいサウンドスケープの広がり方も非常に美しく、いつの天に召されてしまうほど神聖な歌声にもうっとりしてしまいます。
Nate Brazier
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今年の上半期注目の新人アーティストにも選出した、サウスロンドン出身のSSW/プロデューサー、Nate Brazierが早くも新作EP『Nothing Sacred』をリリース。
R&Bとクラブシーンのサウンドを縦横無尽に行き来する彼の才能がさらに拡張したEPに仕上がっているかと思います。ダークなムードを纏ったシルキーで心地よい美声はより磨きがかかっていて、そんな内省的でパーソナルな部分に焦点を当てた作品になっているとのこと。前作はもっとUKGカルチャーが全面に出ていたのですが、今作ではボーカルに焦点を当てつつ、多彩で綿密に組み込んだビートと電子サウンドが溶け合う、素晴らしい作品でしたね