untitled (halo), Nailah Hunter…今週のおすすめ 5 Best Songs:2024-1
今週も新人の新譜から厳選して5組のアーティストを紹介します。音楽ブログ「abstract pop」の「5 Best Songs」の企画では、国内の音楽メディアでは紹介されないような、海外の新進気鋭なアーティストを毎週紹介していきます。過去に紹介したアーティストは下記にまとめてあります。
Spotifyのプレイリストも更新してます〜
untitled (halo)
去年の見逃した新人アーティストの中で年末年始で掘っていたらめちゃくちゃ面白いバンドがいたのでここで紹介できればと。LAを拠点に活動する謎めいた3人組、untitled (halo)のデビューEP『towncryer』。友人のDJパーティーやライブで顔見知りだった3人で組んだというグループ。
全体的にダウナーでメランコリックな空気感が漂っていて、グランジやインディー・ロック、ドリーム・ポップ、インダストリアル、アンビエントなどをミックスさせたダークで耽美的な音楽性に仕上がっています。インダストリアルを組み込んだ深く沈み込むようなビートに、グランジの要素を含んだギターや時には煌びやかなギター、シューゲイザーのような轟音。そこに夢見心地で幻想的な歌声が乗るという、エッジの効いた質感のサウンドには個人的にも驚きました。
去年のベストアルバムにも選んだアトランタのバンドSword IIや、フィラデルフィアのKnifeplay、去年話題にもなったML Burchのアルバムの質感にも近いなと感じました。
Nailah Hunter
LA拠点に活動するハープ奏者・マルチインストゥルメンタリスト、Nailah Hunterがデビューアルバム『Lovegaze』をレーベル〈Fat Possum Records〉からリリース。
夢見心地でシルキーな美声を持つ彼女の歌声と、独特の浮遊感とオーガニックな質感が絡んだサウンドの極上のハーモニがたまらない作品に。彼女を武器とするハープを使用したニューエイジやエレクトロニカなどの混ぜ合わせた、陶酔的でトリップ・ホップ的な質サウンドに、ドリーム・ポップやチルウェイブの要素を絡めた、ユニークな音楽性がめちゃくちゃ印象的ですよね。隅々まで緻密に練り上げられたトラックも本当に美しくいつの間にか幻想的な世界観に入り込んだかのような没入感もあって魅力的です。
Loukeman
デビュー作『Sd-1』がカルト的な人気を誇り、Vegynとも共演するなど注目を集めるトロントを拠点に活動するプロデューサー、Loukemanが新作アルバム『Sd-2』をリリース。
ハウスやグリッチ、エレクトロニカなどを組み合わせた多幸感あふれる陶酔的なサウンドで、そこにユニークで心地良いミドルテンポのリズムが折り重なる中毒性の高い作品で最高ですね。
Hard Car Kids
去年初来日したことでも話題のベッドルーム・ポップ・アーティスト、Charlie Burgを中心に結成したデトロイトを拠点に活動するコレクティヴ、Hard Car Kidsが新作EP『NIGHT RIDE』をリリース。
まとまったものは2021年のEP以来(個人的なベストEPにも選んでいます)の作品です。今作もカラフルでポップな作品に仕上がっていて、インディーからヒップホップ、エレクトロポップ、ファンクなどを絡み合ったもので、タイトル通りの夜のドライブにあうようなEPです。グルヴィーだけどゆるいムードのサウンドがいいです。
WESLEE
ロンドン出身のEmmaとカンザス出身のプロデューサーJoshによるLA拠点のデュオ、WESLEEが3年の休止期間を経て新作EP『Welsee World 1』をリリース。
煌びやかなエレクトロポップを主軸にグルーヴィーでメロウなポップサウンドは健在で、そこにソウルフルで甘美なEmmaの歌声が重なり合う、魅惑的でサイケポップの空気感も感じられるEPに仕上がっています。