Kitba, The Deep Blue…今週のおすすめ 5 Best Songs:2023-27
今週も新人の新譜から厳選して5組のアーティストを紹介します。音楽ブログ「abstract pop」の「5 Best Songs」の企画では、国内の音楽メディアでは紹介されないような、海外の新進気鋭なアーティストを毎週紹介していきます。過去に紹介したアーティストは下記にまとめてあります。
Spotifyのプレイリストも更新してます〜
Kitba
NY・ブルックリンを拠点に活動するハープ奏者/SSWのRebecca Kitba Bryson El-Salehによるソロプロジェクト、Kitbaがデビューアルバム『Kitba』をリリース。彼女はこれまでにCassandra Jenkinsなどのレコーディングに参加してきたそうです。今作はこれまでにHalf Waifなどを手掛けてきたZubin Henslerをプロデューサーに迎えているそう。
作品全体的に耽美的で洗練されたサウンドに仕上がっていて、穏やかでたゆたうようなムードが印象的です。ストリングスや管楽器なども取り入れた壮大なサウンドアレンジに、核となるフォークやチェインバー・ポップなどを織り交ぜた、幽玄だけど鮮やかな音楽性の組み合わせも素晴らしいの一言に尽きます。楽器の音もレコーディングでの生感を程よく残した温かみのあるもので、Kitbaの優雅で伸びやかな美声にもフィットして非常に聴き感触の良いアルバムとなっています。アンビエントやポスト・クラシカル、ニューエイジ的な要素を取り入れて、実験的なアプローチをしているのも魅力的です。
The Deep Blue
マンチェスターを拠点に活動する4人組バンド、The Deep Blueが新作EP『Sugarcoat』をリリース。2021年のデビューEPから脚光を浴びてから、2022年にはAlex AmorのEPで客演で参加するなど徐々に注目を集めつつあります。
彼女たちの最大の特徴は、メンバー3人の歌声の掛け合いによる神々しく美しいハーモニーです。駆け抜けるような爽やかさと濃密なコーラスワークは彼女たちの魅力で、HAIM〜MICHELLEを想起させるような見事なもの。音楽性もオルト・ロックやインディー・ロック、フォークなどを取り入れたスタジアム的な迫力のあるサウンドで、それと彼女のたちの歌声が組み合わさることでそれもう最強です。今後も要注目なバンドではないかなと思います。
Supreems
ベルギーを拠点に活動するエレクトロニック・アーティスト、Supreemsがデビューアルバム『Nachtschone』をリリース。2018年のEP『‘Close Your Eyes (And Feel)』でハウスやテクノ系のシーンで注目を集め始めたというSupreems。そこからBicepやFour Tet、Ross From Friendsといったアーティストからも指示をされるようになり、シーンの間では知れた存在になったそう。
彼の作り上げるサウンドは、浮遊感のあるフューチャラスティックなエレクトロニックに、ソリッドなハウスビートや陶酔的なビートを散りばめたもの。緻密で磨き抜かれた音作りから生まれる、臨場感や没入感にも驚かされます。
Paris Texas
このブログで取り上げるのは2回目となる、LA拠点のLouie PastelとFelixによるデュオ、Paris Texasが待望のデビューアルバム『MID AIR』をリリース。客演にはKenny MasonやTeezo Touchdownを招いた、全16曲というボリューミーな内容に。
彼ららしいトリッキーでストレンジなトラックが全面に出ていて、インディーからサイケデリック、パンク、メタル、電子音楽やゲーム音楽、映画など、影響受けてきたカルチャーを包括したヒップホップアルバムで最高でしたね。ラップのフロウも前作『BOY ANONYMOUS』よりも洗練されている感じも良いですね。
Madge
以前2020年のベストEPにも挙げたアメリカのユタ州出身で、現在はNYを拠点に活動するアーティスト、Madgeが新作ミックステープ『ravepack』をリリース。これまでにPussy RiotやPortugal. The Manのコラボをしていたりもします。
今作は作品名通りのレイヴを基調としたカラフルで色鮮やかな作品に仕上げています。90年代〜00年代のノスタルジックなムードに、PC Music以降のhyperpopやdigicore周辺の音楽性に昇華した感じも良いですね。
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