Tiny Habits, Infinity Song…最近のおすすめ 5 Best Songs:2024-11
最近の新譜から厳選して5組のアーティストを紹介します。音楽ブログ「abstract pop」の「5 Best Songs」の企画では、国内の音楽メディアでは紹介されないような、海外の新進気鋭なアーティストを紹介していきます。過去に紹介したアーティストは下記にまとめてあります。
Spotifyのプレイリストも更新してます。
Tiny Habits
USのボストンを拠点に活動するトリオ・アーティスト、Tiny Habitsがデビューアルバム『All For Something』をリリース。彼らは音楽大学の名門バークリー音楽大学で出会い結成。そこからTikTokに彼ら自身の演奏をアップロードし始めたところたちまちバイラルヒットをして、2023年はGracie Abramsのツアーのゲストアクトに抜擢されるなど大注目の新人アーティストです。このブログでもだいぶ前に紹介したLaufeyもTikTokでバイラルヒットを果たして、今や世界的に有名なアーティストになっていますが、彼らも同様な側面から歌の上手さや独特のハーモニーとグルーヴで人気を博していきました。
彼らの特徴はアコースティック・ギタをベースとした牧歌的で滑らかなインディー・フォーク・サウンドに、クワイアやジャズなどのバックグラウンドを活かした3人のコーラスワークがユニークで、その美しいハーモニーに癒されます。Bon Iverから影響を受けてきたboygenius、The Japanese House、MICHELLEなどに続く、素晴らしい才能を秘めたアーティストだと思います。
Infinity Song
NYを拠点に活動する4人組の兄弟姉妹バンド、Infinity Songが新作アルバム『Metamorphosis Complete』をリリース。彼らは2016年にJay-Zによって彼のレーベル〈Roc Nation Records〉と契約して、レーベルの音楽性に合わせないでInfinity Songのアーティスト性を優先するようにレーベルの人たちにアドバイス。そこから4年後の2020年にデビューアルバム『Mad Love』を発表に至ったそう。
今回の新作では、70年代のソフトロックを取り入れたバンドサウンドが軸となる音楽性に仕上げていて、そこにソウルやクワイアなど取り入れた多幸感あふれる華やかなインディー作品に。彼らの歌声の調和も美しく、牧歌的で温かい空気感も心地いいです。
Ann Annie
USのポートランド・オレゴンに拠点を置くマルチ・インストゥルメンタリスト/コンポーザーEli Goldbergによるソロプロジェクト、Ann Annieが新作アルバム『The Wind』をリリース。彼は最近のclaire rousayのライブのゲストアクトにも抜擢されており、徐々にアンビエントやポスト・クラシカルのシーンで一目置かれるようになっているアーティストです。個人的にも2024年のアンビエント作品の中で一番ダントツ最高だと思っています。
前作からカントリーやフォークに傾倒し始めたようで、今回はさらにチェロやウッドベース、トランペット、クラリネットなどをはじめ、ペダルスティールやモジュラーシンセ、テープエフェクトなど数々の楽器を取り入れてたそう。アンビエントやポスト・クラシカルの音楽性がカントリーやフォークに編み込まれていき、幽玄でそして優雅なサウンドスケープが広がり、その瑞々しい旋律に心が洗われていくよう。
Clara La San
UKを拠点に活動するベッドルーム・ポップ・アーティスト、Clara La Sanがデビューアルバム『Made Mistakes』をリリース。2017年にJam Cityと共同制作したミックステープ『Good Mourning』を発表し、アンダーグラウンド好きのリスナーを魅了したことでも知られています。
そこから7年間の沈黙を経ての今作ですが、個人的にもベストアルバムに間違いなく入ります。Sci-Fiなサウンドが広がり、ダークで退廃的なムードがたまらなく最高。甘美で妖艶な歌声も相まって、中毒性の高いアルバムに仕上がっています。
LULU.
サウス・イースト・ロンドンを拠点に活動するアーティスト、LULU.がデビューEP『Dear Disoriented Soul』をリリース。
LULU.の魅力は、なんといっても滑らかで優美な歌声からグルーヴィーなフロウまでを自在に操るユニークさ。アフロビートやソウル、ジャズ、ヒップホップを織り交ぜた、色鮮やかでメロウなトラックもとても素晴らしく、彼女のフロウと重なることで心地良いムードに。Ama LouやENNYなどに通ずるアーティストかと思います。