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2022 BEST ALBUM 50

2022年もあっという間に終わってしまいました。徐々に海外アーティストも来日し始めて、以前のあの高揚感が戻ってきて、「これだよ!これ!」という感覚を取り戻してきた感じがあります。
今年もたくさんの音楽を聴いて、その音楽に救われてきました。今回50作品を選んでみました〜。プレイリストもまとめているので参考にしてみてください。ラストに個人的な今年の総評みたいなのをつらつら書いてみたので、有料ですが気になる方はどうぞ〜。
また新人のEP作品を集めた今後期待の新人アーティストをまとめた記事も出す予定なのでお楽しみに〜。

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50. The Lounge Society 『Tired of Liberty』

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UKのヘブデンブリッジの4人組バンド、The Lounge Societyがデビュー作『Tired of Liberty』をDan Carey率いるレーベル〈Speedy Wunderground〉よりリリース。shameやFontaines D.C.のとき並みの衝撃の出来でした。未だに去年のEPからこのクオリティーに持っていったの信じられないです。
ニューヨーク・パンクのTelevisionのような実験性を兼ね備えたバンドアンサンブルが独特ですね。そこに現行のサウスロンドンのポスト・パンク・サウンドを絡めて、いまにも噴火しそうなエネルギーが詰まりに詰まったアルバムに。今後UKのバンドシーンで頭角を表していくこと間違いなし。

49. Babebee 『mind over matter』

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アトランタ拠点に活動するSSW/プロデューサー、Babebeeが新作アルバム『mind over matter』をリリース。このアーティストは久しぶりにベッドルーム・ポップ系のアーティストで頭ぶち抜かれるほど衝撃的な異才です。名前の由来は全く関係ないですが、beabadoobeeとPinkPantheressの中間を漂うような最高の音楽です。
Björk、The xx、Frank Ocean、yeule、Charli XCX、Blood Orange、FKA twigs、underscoresなどにインスパイアーを受けたそう。しっかりと上記のアーティストたちの音楽性を昇華した、淡くもカラフルなポップサウンドに。ハウス、UKガラージ、ダブステップ、トラップなど多彩なビートを織り交ぜたトラックから、インディー・ポップ、エレクトロポップ、インディーR&Bなどを溶け合わせたアブストラクトな音楽性が特徴的です。たゆたうようで繊細なウィスパー・ヴォイスもかなり独特です。とにかくやばい16曲が収録。

48. McCall 『...to be a dream...』

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アトランタ出身で、現在はLA拠点に活動するシンガー・ソングライター、McCall Kimballによるプロジェクト、McCallがデビュー作『…to be a dream…』。1曲目の「Famous」から一瞬にして、彼女の作り上げる神々しく幽玄な世界へと導かれていきます。驚くほどキャッチーでポップなメロディーですが、精巧に細部まで緻密にこだわり抜かれたサウンドプロダクションが編み込まれています。
実験性に富んだアルバムでありながらもしっかりとポップに落とし込んでいるのが本当にすごい。Caroline Polachekの煌びやかさもありつつ、Bon Iver的な幽玄さも兼ね備えた驚くべき才能の持ち主ですね。

47. The Beths 『Expert in a Dying Field』

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ニュージランドの4人組バンド、The Bethsが3枚目となる新作アルバム『Expert in a Dying Field』をリリース。彼らのバンドキャリアの中でも一番の作品が出来だと感じました。
ストレートで清々しいパワー・ポップに、USインディーやパンク、グランジなどを絡めたエネルギッシュでキャッチーなサウンド。ボーカルのElizabeth Stokesの爽やかでイノセントな歌声が響き、青春のほろ苦さや鮮やかさが甦るような作品に。爽快なアンサンブルとメロディアスな歌メロ、どの季節で聴いてもマッチする素晴らしい作品です。やっぱメンバーのナードな感じがサウンドに滲み出ているのが個人的には推しどころです。

46. Jean Dawson 『CHAOS NOW*』

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サンディエゴに生まれ、LAを拠点に活動する、音楽的な革命者でもあるJean Dawsonの2年ぶりの新作アルバム『CHAOS NOW*』。彼の才能がギアアップした途轍もない作品でしたね。今作ではEarl SweatshirtやGeorge Clantonが客演で参加。ジャンルを縦横無尽に行き来するJean Dawsonならではの顔ぶれですね。パンクやインディー・ロック、グランジ、ヒップホップをブレンドさせ、彼ならでのエッジーでパンチのあるアルバムに仕上がっています。
今年は別のシングルでMac DeMarcoとコラボしたり、アルバムのツアーは見事ソールドアウトと、彼にとって確実に飛躍した年になったこと間違い無いですね。
また今年書いた下記のコラムもあわせてぜひチェックしてみてください。

45. Connie Constance 『Miss Power』

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UKのワトフォード出身でロンドン拠点に活動するSSW、Connie Constance。彼女は混血として生まれ、白人が多くいる地域で育ち、そこで混血として過ごすことを"異常"と自身で感じていたと語っています。彼女のデビューアルバム『English Rose』(2019)は、1曲目からThe Jamの「English Rose」のカバーからスタートします。もともとこの曲は色白の美女へ送った褒め称える歌なのですが、それを"混血"である彼女が歌うことでそのイメージをぶっ壊しに行く、最高なアティチュードを表明した1stから3年。そんな彼女の待望の2ndアルバム『Miss Power』、最高のアンセム作品でした。
Bloc Partyの音楽を継承し、それを現代的に昇華した“ニュー・パンク”と呼ぶにふさわしいサウンド。ハスキーで独創的な歌声と、UK特有のダークなムード。素晴らしいです。今年書いた下記のコラムもぜひ。

44. Poppy Ajudha 『THE POWER IN US』

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サウス・ロンドン拠点に活動するアーティスト、Poppy Ajudhaがデビューアルバム『THE POWER IN US』をリリース。彼女はTom Mischのアルバム『Geography』の「Disco Yes」で客演で参加したり、Moses Boydの楽曲でも参加したりと、UKのジャズやR&B/ソウルの界隈で注目を集めているシンガーでもあります。
幼少期からジャズを聴いて育ったという彼女ですが、そのエッセンスが随所に散りばめられつつも、R&Bやネオソウル、ファンク、ロック、ポップスなどを組み合わせたパワフルな音楽性は唯一無二です。ハードロックなギターが全面に出ている楽曲もあれば、洗練されしっとりとしたネオソウルな曲もあったりなどバラエティー豊かな作品に仕上げています。また1曲目から通して聴くとカーステレオから流れているFMラジオような感覚もあったりして、いつの間にか何周もしていて、その飽きさせない楽曲展開も秀逸だと感じました。

43. UMI 『Forest in the City』

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LAを拠点の日本をルーツに持つアーティスト、UMIがデビュー作『Forest in the City』をリリース。本当に個人的にも待ちに待った作品。
15曲通して極上のインディーR&Bで、透き通るほど澄んだ彼女の美声は格別です。この慌ただしい日々に、まさに癒しの光を与えてくれるようなアルバムでした。

42. Shovel Dance Collective 『The Water is the Shovel of the Shore』

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carolineやdeathcrush、For Breakfastなどなど今年は実験的かつ先鋭なバンドが続々とUKから現れました。そしてまたしてロンドンからやばいバンドが現れました。9人組バンド、Shovel Dance Collectiveが1stアルバム『The Water is the Shovel of the Shore』をリリース。おそらくUKでいま一番実験的かつ政治的、そしてスリリングな音楽を奏でているのは彼らぐらいかと。まるで音楽の歴史的を旅をするかのような作品で、現代と歴史をテーマにさまざまな音楽を用いて、今作では4章に分けて表現されています。
ヨーロッパの伝統的な音楽から聖歌、ケルト音楽、トラディショナル・フォーク、ポスト・クラシカル、ドローン、アンビエントなど、それぞれの音楽が交錯し、今までにない革新的なアルバムに仕上げています。しかし実験的な音楽といえど、スッと頭の中に入ってくる、この限界のギリギリを攻めたサウンド作りにまず脱帽しました。
とりあえず1曲目から聴いて、この素晴らしい世界を体感してほしいです。伝統的なものと進歩的なもの混じり合い、その先に何か見えてくるのかもしれません。

41. FKA twigs 『CAPRISONGS』

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UKのトラックメイカー / シンガー、FKA twigsが今年リリースしたミックステープ『CAPRISONGS』をリリース。「素晴らしい共演者や友人を通して、自分自身に立ち返る旅」の記録と自身でも語る今作は、ハウス的なダンスミュージックからアフロビート、R&Bなど、自身のルーツを振り返りつつ、多彩なサウンドが絡み合うアルバムに。FKA twigsの妖艶でたゆたう歌声と、The WeekndからPa Salieu、Daniel Caesar、Rema、Jorja Smith、Unknown T、DYSTOPIA、Shygirlと数々のアーティストの歌声が溶け合った豪華な作品に仕上がっていますね。

40. Yesol 『Plum, Parted』

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韓国をルーツに持つアメリカ・コロラドのデンバー出身のイラストレーター/マルチアーティスト、ハープ奏者のCory Federによる音楽プロジェクト、Yesolが、デビューアルバム『Plum, Parted』をリリース。ちなみにboylifeのアルバム『gelato』のジャケットのデザインを手がけたのが彼女です。アルバム全曲彼女自身で制作したらしく、車やバスルーム、公園、両親のガレージなどで録音されたそう。
そういうサウンドプロダクションによって、ナチュラルにローファイな音質になっていて、それがかえって聴いていてとても心地良いです。普段の日常生活に寄り添い、穏やかで心落ち着くひと時を与えてくれるような、オーガニックで流麗な響きが印象的な作品に。アンビエントやエレクトロニカ、アジアンテイストの民族的なサウンドに、ハープの優しい音色や、フルート、鈴の音、ピアノなどさまざまな楽器の音色を織り交ぜた、神秘的なニューエイジ作品へとまとめ上げていますね。また彼女のミステリアスで幽玄な歌声がとても耽美的で、それによってまるで魔法にかけられ白昼夢を見せられているような、そんな美しい作品でした。

39. Kwaku Asante 『Wanderlust』

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ガーナにルーツを持つ、ロンドンを拠点に活動するシンガー・ソングライター、Kwaku Asanteが待望のデビューアルバム『Wanderlust』をリリース。2019年のベストEPでも上げましたが、めちゃくちゃ待ちに待った作品でした、、、。いままで2枚のEPとシングル、Tom Mischと共同制作した曲などを発表し、先日来日したSamm Henshawの前座を務めるなど、着実に彼の才能が拡がりはじめた中での今作は、これまでの彼の素晴らしさを凝縮した美しくロマンティックなものに。
ネオソウルやゴスペル、インディーR&B、ジャズなどをブレンドした麗しくメロウなサウンドですが、その奥行きが深く濃厚なんですよね。耳に一音でも入れば鳥肌ものです。極めつけは、天にも上るような流麗でソウルフルな彼の美声です。一声一声が研ぎ澄まされていて、その歌声を聴くだけで心が洗われるような、天賦の才を持ち合わせています。Frank OceanやMoses Sumney、Samphaに続くような最高のアーティストになることは間違い無いです。

38. 404 Guild 『False Dawn』

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The 1975を擁するレーベル〈Dirty Hit〉きってのダークホース、ヒップホップグループの404 Guildが待望のデビューアルバム『False Dawn』をリリース。彼らは10年以上ロンドンのアンダーグラウンドで活動し、Wolf AliceのメンバーTheo Ellisからの推薦を受け、〈Dirty Hit〉と2018年ごろに契約。EPなどをリリースしておりましたが、2019年にメンバーMinaが逝去し、一度そこから各々のメンバーのソロプロジェクトの作品を発表しておりました。その死を乗り越え、再び404 Guildとして集まり、念願の1stアルバムをリリースしたのです。
やはりその乗り越えた作品でもあり、ソロでもそれぞれ活動していたこともあり、非常に洗練されたアルバムに仕上がっています。UK独特の陰鬱なダークなムードが全体的に漂っており、ジャズやソウル、アンビエント、インディーを絡めた実験性的なトラックは彼ら独自のもの。4人のフロウもユニークで、ボソボソと囁くようなものから、キレのあるクールなラップ、たゆたう歌声など、それぞれ駆使して独創的な世界観へと誘います。UKの中でも群を抜いてかっこいいヒップホップグループだと思います。

37. Loyle Carner 『hugo』

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サウスロンドン出身のラッパー、Loyle Carnerの3年ぶりとなる3rdアルバム『hugo』をリリース。
1stに少し回帰したようなシリアスでダークなムードが立ち込める中、彼の洗練されたフロウと熱い想いを芯から感じることのできる快作。JNR WilliamsやOlivia Dean、Wesley Josephなどシーンのキーマンとなる人たちも招いていて最高。

36. Hamond 『Pirate Radio』

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テキサスのヒューストン出身でLA拠点に置くアーティスト、Hamondがデビューアルバム『Pirate Radio』を、Pigeons & Planesのスタッフが立ち上げたレーベル〈No Matter〉からリリース。彼の音楽の原体験は、11歳ごろに姉に連れて行かれたPassion Pitのライブとのこと。そこから姉のススメでMGMTを聴き、The NeptunesやJustin Timberlakeなどのポップスやヒップホップにハマっていったらしい。もともとは祖父が交響楽団に入っていたらしく、クラッシックやジャズにも囲まれて育ったという素養もあります。
そんな音楽環境を経た彼の奏でる音楽が、エレクトロニック・ミュージックとインディーの間を漂うような興味深いものです。Vaporwaveっぽいノスタルジーな要素や、ダンスミュージック、サイケポップ、R&Bを織り交ぜた、淡く光り輝く美しい作品に仕上げています。
作品の名前にも刻まれているように、ところどころラジオっぽい世界観を醸し出していて、"どこか忘れ去られてしまったラジオ局から流れている楽曲"みたいな逃避行的な音楽性が個人的に最高なんですよね。

35. MorMor 『Semblance』

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トロント出身のシンガー・ソングライター、MorMorがとうとう待望のデビュー作『Semblance』をリリース。
最初に出てきた時の透明感漂うシルキーな歌声の衝撃度はそのままに、70〜80年代のモータウン系のソウルやファンク、ジャズを踏襲し、現代のインディーの要素を加えた洗練された音楽性。滑らかでうっとりしてしまう傑作でした。

34. Luna Li 『Duality』

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トロントを拠点とする韓国をルーツに持つマルチ奏者、Luna Liがデビューアルバム『Duality』をリリース。個人的には前作の『jams EP』では特にあまりパッとしていなくて、「よくいるインディー・ポップ系のアーティストか〜」なんて思ってたら、今回のアルバムの仕上がりには驚愕でした。
今作にはJay SomやDreamer Isioma、beabadoobeeという次世代を担う顔ぶれが客演で参加。そういう面でも彼女の交友の広さが窺えますし、実際自分自身が敬愛するJapanese Breakfastのツアーにも抜擢されるほど、実力も兼ね備えています。
バイオリンやハープ、ベース、ギター、キーボードまで自身で演奏したという、まさにベッドルームのジャムセッションのよう。多種多様の楽器が鳴り響き、甘美で透明感漂う美声が重なり、幻想的でドリーミーな作品に仕上がっています。

33. MILLY 『Eternal Ring』

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LAの3人組バンドのMILLYがデビューアルバム『Eternal Ring』をレーベル〈Dangerbird Records〉からリリース。Pavementぽいローファイ的なヘロヘロさもありつつ、しっかりNirvanaのような骨太なグランジ的なギターサウンドを鳴らす緩急が素晴らしいです。
学生の頃にYuckみたいなグランジとジューゲイザーをミックスさせたような最高なバンドをやりたいと思ってたけど、もしいま学生のときにMILLYに出会っていたら泣いてたな…。シンプルに良いメロと、このうまい具合な音圧の匙加減。「これだよこれ!」となるけど、実際問題こういうサウンドとグルーヴを奏でるのは本当に難しい。だからMILLYはマジで最近出てきたアメリカのバンドの中でも稀有だと思います。

32. Laufey 『Everything I Know About Love』

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アイスランドと中国にルーツを持つLA拠点のSSW、Laufeyの輝くべきデビューアルバムがリリースされました。Billie Eilishも以前彼女のデビューシングルを大絶賛しています。TikTokでも人気を博した彼女のスペシャルとも言える歌声は、デビューEP以降、瞬く間にさまざまなところで聴かれるようになりました。
バークリー音楽大学も卒業した彼女の奏でる音楽は、ジャズやソウル、ボサノヴァを基調としたオーガニックで清らかなサウンド、そこに少しハスキーだけど透明感漂う極上の歌声が重なる、桃源郷のような作品となっています。両親の影響でクラシック音楽をはじめ、Ella Fitzgerald and Nat King Coleといったジャズを幼少期から親しみつつ、Billie Holidayもルーツと語っているLaufey。そういう部分も含めて納得の実力を持った音楽性だなと感じました。本当に全曲通して体の芯から癒されるようです。いつか大自然のフェスとかで観てみたいアーティストです。

31. Knifeplay 『Animal Drowning』

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USのフィラデルフィアを拠点に活動する5人組バンド、Knifeplayが2枚目となるアルバム『Animal Drowing』をリリース。今作のプロデューサーには、The War On Drugsの『Lost in the Dream』のメインのエンジニアを務めたJeff Zeiglerを迎えています。
全体的に荒涼とした退廃的なサウンドで物悲しく孤独な印象を受けますが、神々しくもドリーミーな質感のサウンドが交錯することで、絶望と希望の狭間を縫うような絶妙なバランス感覚で音楽を奏でています。そしてなんといってもボーカルTj Strohmerの透明感あふれるイノセントで中性的な歌声も彼らの唯一無二な音楽性たらしめているのでしょう。
個人的に彼らの音楽は、Alex GとCloud Nothingsをぶつけて、粉々になったものを拾い集めて、Cocteau Twinsみたいに再構築したような最高な音楽だと感じました。

30. Contour 『Onwards!』

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2020年の個人的なベストEPにもセレクトしたサウスカロライナ拠点に活動するシンガー・ソングライターKhari Lucasによるプロジェクト、Contourが待望のデビューアルバム『Onwards!』をUKの新鋭レーベル〈Touching Bass〉からリリース。作品にはシカゴを拠点とするラッパー/プロデューサーのSemiratruthが「Repossess」で参加。今作は彼の過去から現代までのブラックアートの旅を描いた12曲が詰め込まれているそう。彼はkeiyaAのライブのOPを務めたり、ロンドンのNTS Radioへの出演(これがTouching Bassから出したきっかけ)など多方面で活躍しています。
彼は今までもコラボ作や、自身のシングルやEPを通して刺激的な音楽を発表し続けてきており、今作はそんな歩んできた音楽の集大成的な傑作であると感じました。全曲が磨き抜かれた純度の高いサウンドで、R&B/ソウルそしてジャズ、アンビエントやIDMなどを織り交ぜた実験性に満ちたもの。彼のメランコリックでシルキーなボーカルがまた表現豊かで、ダークで幽玄な音楽性へと昇華しています。ぜひアルバム全曲を聴いてみてください。彼の途轍もない才能に触れることができるかと思います

29. deathcrash 『Return』

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ロンドン拠点に活動する4人組のスロー・コア・バンド、deathcrashがデビューアルバム『Return』をリリース。ケンブリッジ大学で出会い結成、2018年ごろから活動。2020年の初頭には、Black Country, New Roadとツアーを一緒に回っていたとのこと。その影響もあってかコロナが蔓延した2020年にも関わらず、250枚限定で発売したEP『people thought my windows were stars』は24時間足らずで完売。リリース翌週に控えたライブも即完売という、UKでは話題の沸騰中のバンド。
そんな彼ら音楽性は、ドローンメタル、ドゥームメタルといった重々しいサウンドから、フォーク/カントリー、エモ、スクリーモなどの要素を実験的に組み合わせ、最終的に”スロー・コア”というジャンルに落とし込み奏でています。個人的にはThe Velvet Undergroundのインディーさや実験性、American Footballのエモ、Pavementのローファイさ、Bill Ryder-Jonesのようなフォーキーでアンニュイな歌声、それぞれの素晴らしさをいいとこ取りしたようなサウンドだと感じました。しかもしっかりとスロー・コアの代表的なバンド、Lowへの敬意も忘れない音作りも驚きです。

28. Jeshi 『Universal Credit』

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イーストロンドン拠点に活動するアーティスト/ラッパー、Jeshiがデビューアルバム『Universal Credit』をリリース。客演にはObongjayarや、実の兄弟でもあるFredeaveを招いています。ロンドンの貧困地区で育った彼は、そこでのイギリスが現在置かれている現実や不平等、緊縮財政の中での生活やソーシャルメディアによって侵食される自己価値などを作品の中で表現しているとのこと。ちなみにタイトルの"Universal Credit"は、イギリスの低所得層向けの給付制度のことを指しています。今作のジャケットが、作品制作中に仕事を解雇されて、その際に彼が実際に"Universal Credit"を受け取ったときのものを表しているそうです。。
音楽的には、UKガラージ的なダンサブルなビートから、現代的な硬質なトラップビート、陶酔的なトラックまで幅広く今作で詰め込んでおり、そこに彼のアンニュイでクールなラップが乗る最高な作品に仕上げています。UKのグライムと、USラップのちょうど中間を縫うような、Jeshiの独特なフロウは、UKの中でも群を抜いており、唯一無二の存在だと感じます。

27. Maggie Rogers 『Surrender』

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NYを拠点に活動するシンガー・ソングライター、Maggie Rogersが2作目となるアルバム『Surrender』をリリース。1stアルバムでグラミー賞の最優秀新人賞ノミネートするなど、ポップスシーンで旋風を巻き起こしました。今作はその初作でさえも吹き飛ばしてしまうほどの出来に。
個人的には彼女のソングライティングセンスと、彼女独特の中音域のソウルフルな歌声の躍進がすざましいと感じました。特に歌声の洗練され具合には驚かされました。収録曲は捨て曲なしの、彼女のいまの全ての良いところを凝縮した気持ちいいぐらいの快作。草原で駆け抜けたくなるほど壮大で爽快。来年はフェスでみたい!

26. brakence 『hypochondriac』

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オハイオから現れた奇才、brakenceの新作アルバム『hypochondriac』。”天才”という言葉以外見つからない。いままでのbrakenceの作品の中で間違いなく最高の出来ではないでしょうか。
エクトロニックやグリッチを駆使しつつ、パンクやエモの組み合わせた、新時代を切り拓く途轍もないポテンシャルを秘めた作品。トラックメイキングのこだわりが異常です。ボトムの低音域の作りと、ウワモノの溶け合い方が「なんだこれ」って、初めて通して聴いたとき驚きを隠せませんでした。腹にグッとくるような低音がありつつも、シンセやグリッチのハイの音の塩梅が天才的だなと…。中音域には彼自身のエモーショナルな歌声が映えるように意図的に組み込まれてますよね。まじで化け物みたいなセンスだし、オタクじゃないとこんな作品作れない。

25. Nilüfer Yanya 『PAINLESS』

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トルコ系の父とアイルランドとバルバドスをルーツを持つ母の間で生まれ育ったロンドンの新進気鋭なアーティスト、Nilüfer Yanyaが2作目となる『PAINLESS』をリリース。Connie Constanceの部分でも記載したコラムでも書きましたが、彼女はその名前と見た目で、R&B系の楽曲を作ることを期待していた人もいたのだとか。いまだに蔓延る人種や外見だけで作る音楽ジャンルを特定されてしまう。正直どうでも良いですよね。
そんなステレオタイプをぶっ壊していくNilüfer Yanyaの新作は、King Kruleから続くここ10年くらいロンドンの音楽性を集約したような大作でした。それこそFat White Family以降のポスト・パンク的な部分も通ずるし、SorryのようなRadioheadのポスト・ロックのDNAの片鱗も受け継いでる感じもします。彼女の多才さを証明した2枚目でしたね。

24. EDEN 『ICYMI』

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アイルランド出身のシンガー・ソングライター/プロデューサーJonathan Ngによるプロジェクト、EDENが最新作『ICYMI』をリリース。エレクトロニックサウンドとR&B、インディーやエモを組み合わせた、天才的な作曲センス。エモーショナルで透明感漂う美声。どこをとっても文句の付け所ない、陶酔的で幽玄な1枚。

23. Skullcrusher 『Quiet the Room』

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LAの新星フォークシンガー、Skullcrusherのデビューアルバム『Quiet the Room』。個人的にかなり待望の作品でした。(2020年のデビューEPもベストに選んでいます。)
USのシンガーソングライターの中でも注目の新人ですが、今作で確実にそのシーンでも確固たる地位を築いたと言っても過言ではない、流麗で洗練された快作。内省的で繊細な音の響きが、肌寒くなった季節にぴったりです。静かに語りかけてくるような少しウィスパーな歌声もとても心地がいいですね。

22. Saint Jude 『Signal』

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ロンドンのレーベル〈Slow Dance〉きっての天才、Saint Judeのデビュー作、やはり期待を裏切らない最高の出来栄え。Aga UjimaやHALINA、Louis Cultureなどを客演に招き、音楽的にも充実した内容に。
静かに熱を帯びたUK独自のアングラでダークなサウンドと共に、アンニュイなムードが漂う傑作です。

21. Eden Samara 『Rough Night』

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カナダ出身で現在はロンドンを拠点に活動するシンガー/プロデューサー、Eden Samaraがデビューアルバム『Rough Night』をリリース。彼女は既にLoraine Jamesのアルバム『REFLECTION』に客演で参加するなど、界隈から注目を集めています。ちなみに今作にLoraine Jamesも参加しており、その他全面的にRyan Pierreがプロデュース部分を担当しつつ、Call Super、Shanti Celeste、TSVI、Peachなどが参加しています。
アルバム自体はめちゃくちゃやばくてドープです。ハウスやテクノ、レイヴ、レフトフィールドといったエレクトロニックミュージックとR&Bが見事に融合したサウンドに、彼女の透明感ありつつソウルフルな美声が絡み合う、最高に踊れる作品に仕上がっています。ポップな質感ではあるのですが、ジャケットの藍色のようなアングラなダークさも潜んでいて、そのバランス感というかソングライティングセンスがずば抜けていますね。

20. Charlie Burg 『Infinitely Tall』

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デトロイト出身でNY拠点に活動するベッドルームポップアーティスト、Charlie Burgが待望のデビューアルバム『Infinitely Tall』を〈FADER Label〉からリリース。彼自身が経験した人生を5曲ごとを3つの章に分けて構成された15曲入りのアルバムに仕上げているそうです。
西海岸の風を感じるような仕上がりに、Stevie Wonderの風も感じさせるファンクやソウルを織り交ぜたグルーヴ&メロウな作品となっています。壮大な70~80年代的なロックのテイストや、ジャズ、民族的な要素もブレンドさせて、よりムーディーでとろけるようなサウンドに。そこに優美で甘い彼の歌声が溶け合い、最高に極上の音楽となっています。まるでTom MischとRex Orange Countyがセッションしたような、ジャズとポップスが程よく混ざり合った絶妙な音像が、彼の特筆すべき才能かと思います。

19. Lil Silva 『Yesterday Is Heavy』

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UKのベッドフォード出身のプロデューサー/ソングライターTJ Carterによるプロジェクト、Lil Silvaが10年の歳月をかけて完成させて自身初のデビューアルバム『Yesterday Is Heavy』をリリース。もともとグライムクルーMacabre Unitのメンバーとしてシーンに登場し、UKファンキーと定義されるきっかけにもなった「Seasons」などで10年代のダンスフロアを沸かせていたDJでもあるそう。そこからAdeleやDamon Albarn、Mark Ronson、Kanoといった名だたるアーティストと仕事をしたという、界隈では有名なアーティスト。
そんな傍らで地道に作り上げたという今作にも素晴らしいアーティストが客演に連ねており、Little DragonからCharlotte Day Wilson、BAD BAD NOT GOOD、Sampha、Ghetts、serpentwithfeetなどが参加。
NMEのインタビューで「このアルバム全体は、今を生きることとその希望についてだ」と語る今作は、まさにFred again..の『Actual Life』の高揚感に似た感覚を覚えるムードが作品全体に行き渡っており、いまの時代にフィットしたアルバムと個人的に感じました。

18. Little Simz 『NO THANK YOU』

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UKが誇るラッパーLittle Simz。昨年の劇的な傑作を経ての新作は、プロデューサーにInfloを迎え、盟友のCleo Solと共に作り上げた、ミニマルだが壮大なアルバムに。優雅なゴスペル的なコーラスとクラシカルなストリングスを入れつつも、『GREY Area』のときのようなタイトなビートが光る洗練された作品。

17. keshi 『GABRIEL』

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USのテキサス・ヒューストン出身でベトナムにルーツを持つシンガー・ソングライター/マルチ奏者、keshiのデビューアルバム。自身でも作曲面から含めても自信を持って納得したものを作れたと語る今作。もう何周したかわからないけど、最高の言葉以外見つからない。
特筆すべき点は、ディープで重厚感のある低音域と、脆く崩れ去りそうなアブストラクトなメロディーが同居してる点です。彼の澄み切った儚げな歌声からは生々しい感情の記憶が紡がれ、それが優美で極上の世界観を作り出しています。

16. Kumo 99 『Body N. Will』

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先週のリリースの中で個人的に大注目していた、エレクトロニック・デュオ、Kumo 99が新作『Body N. Will』をリリース。彼らは、日本をルーツに持ちLAで活動するAmi Komaiと、〈Ninja Tune〉からソロアーティストShuttleの名義で出したり、元Passion Pitのメンバーという異色の経歴を持つNate Donmoyerによる2人組です。しかも彼らはApple WatchのCM楽曲にも起用されています。
そんなスーパーコンビの彼らが作り出す音楽はマジで最高の一言に尽きる。ボーカルのAmi Komaiの日本語によるアンニュイでエキゾチックなフロウに、Nate Donmoyeが作り出す様々なダンスミュージックビートに、パンクやハードコア、グリッチの要素も組み込んだ次世代のレイヴ・ミュージックを作り出しています。まるで近未来のダンスフロアにいるみたいで、UKガラージや2ステップ、ダブ・ステップ、レイヴ、ハウスなどを縦横無尽に行き来しており、楽曲によってその多彩なムードを存分に味わうことができます。

15. Naima Bock 『Giant Palm』

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元Goat Girl のメンバーNaima Bockによる初のソロ作品『Giant Palm』をUSインディーの名門〈 Sub Pop〉からリリース。冒頭で紹介した〈Speedy Wunderground〉のDan Careyがレコーディングで関わっています。
彼女自身、ブラジル人の父とギリシャ人の母の間でグラストンベリーで生まれたそうで、その後ブラジルで幼少期を過ごし、その後イーストロンドンで家族で過ごしていたそう。その幼少期からのルーツを辿りつつ、ヨーロッパの民族音楽など自身で突き詰めた今作は、シンプルなアコースティックサウンドが印象的で、牧歌的な仕上がりとなっています。ジャケットのようにステンドグラスから夕陽が刺しこみ、その黄昏の優雅なひと時を閉じ込めた作品ですね。

14. HALINA 『The Game』

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ロンドンから鬼のような才能を持つやばいアーティスト見つけてきてしまいました。UKのリーズ出身で現在はサウスロンドンを拠点に活動するシンガー・ソングライター/プロデューサー、HALINAがデビューアルバム『The Game』をBandcampのみでリリースしました。彼女を初めて見かけたのはWu-Luのツアーポスターに連ねているサポートアクトの存在で知りました。
「何者だろう…?」と密かに追っていたらとうとう音源がリリースされて聴くと、もうその圧倒的世界観に腰を抜かしました。さらにクレジットを見ると、Jude Woodhead(a.k.a Saint Junde)が共同プロデュースとミックス・マスタリングで参加という最強の布陣で固めたアルバム。
彼女の奏でる音楽は、暗雲立ち込める曇天の中、気分はメランコリックだけど、でもどこか穏やかで爽やかなムードが同居したような、まさにロンドンの空気感を独特のサウンドで表現しています。全体的にローファイで歪んだカッティングエッジな音像で、ソウルやジャズ、ダブ、インディー、アンビエント、ニューエイジなど多様なジャンルが交錯し、そこにソウルフルで渋さも含んだ美声が重なりあった、幽玄で荘厳な音楽世界を確立しています。
HALINA自身の影響源として両親の影響もあり、レゲエ、ダブ、ニューウェーブ、パンク、ソウルなどを幼少期から嗜んでいたらしいです。

13. Charlie Hickey 『Nervous At Night』

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LA拠点のSSW、Charlie Hickeyがデビュー作『Nervous At Night』をPhoebe Bridgersのレーベル〈Saddest Factory〉からリリース。
柔和でフォーキーなサウンドに、彼の優美でメロウな歌声によるポップなメロディーが溶け合った作品に。Elliott SmithからPinegroveへと繋がるような叙情的な作曲センスはずば抜けていました。

12. Liss 『I Guess Nothing Will Be The Same』

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個人的な思い入れも含めて大号泣してしまった、Lissの初となるフルアルバム『I Guess Nothing Will Be The Same』。フロントマン、Søren Holmが亡くなる前に制作したもの。そんな彼に敬意を捧げた今作は、作品全体に2015年のデビューシングルから変わらないSørenの才能が存分に詰め込まれており、美しくそして活気に満ちた傑作と言っても過言ではないポップな仕上がりをみせています。彼の歌声をこうやって作品でまた聴けるなんて、終始涙が止まらなかった。本当にこの世に素晴らしい音楽をありがとう。安らかに眠ってください。

11. MICHELLE 『AFTER DINNER WE TALK DREAMS』

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NY拠点に活動する6人組のコレクティヴ、MICHELLEのが待望の新作『AFTER DINNER WE TALK DREAMS』をリリース。
前作からの彼ら独特の多幸感と華々しい音楽性を引き継ぎつつも、90年代R&Bや00年代ポップスといった少しノスタルジアな感じや、ボサノヴァ、ジャズの要素も加えた最高な作品に。春を迎える暖かい季節にピッタリ。

10. caroline 『caroline』

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特に今年のUKのインディー・シーンで最重要とも言われる、8人組音楽集団carolineがデビューアルバム『caroline』をレーベル〈Rough Trade〉からリリース。
途轍もなく素晴らしかったです。1900年代のアメリカのトラディショナルなアパラチア音楽から影響を公言している彼らの音楽は、牧歌的でありつつ、ある種、退廃的なムードも醸し出す、いまのどのシーンにも属さない、唯一無二な音楽性でしたね。

9. Christian Alexander 『I Don’t Like You』

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イギリスの北部の小さな町、プレストンより現れた、ベッドルーム・ポップを奏でるSSW、Christian Alexanderが3年ぶりとなるアルバム『I Don't Like You』をリリース。2019年のデビュー作『Summer '17』でBROCKHAMPTONのKevin Abstractはその才能に気付き、すぐにコンタクトをとり、そこから彼はKevinとともにBROCKHAMPTONとコラボレーションしていきました(実は2020年リリース予定だった幻のアルバムの収録曲で、Ryan Beattyとの客演でChristian Alexanderも入っている予定だった「twisted」はお蔵入り…でもインターネットの海に音源は残っているんすよね…)。そして時は4年経ち、とうとう待望のアルバムをKevinのレーベル〈VIDEO STORE〉から発表。
彼の今までのアコースティック・ギターのシンプルなローファイなベッドルームのスタイルを残しつつも、叙情的でダイナミックなポップス展開の楽曲から、よりサウンドも上質になりながら、ストリングスやアンビエントを付け加えていくことで、今まで彼になかった音の厚みが楽曲それぞれに生まれていました。彼の魅力はクセのある甘美な歌声なんですが、それを平熱なまま歌い上げるソウルフルなフロウは今作でより磨きがかかっています。プロデューサーのRomil Hemnaniマジで最高の仕事してる…とも思いましたね。

8. Slaters 『Everything All at Once Again』

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NY拠点に活動するプロデューサーAlex Craigと作曲家のAl Carlsonによるデュオ、Slatersがデビューアルバム『Everything All At Once Again』をFader Labelからリリース。彼らはRoy Blairの『GRAFFITI』のプロデュースをしたり、ClaudやJelani Aryehの楽曲なども手がけていたり、この界隈ではかなり知れた2人組です。
全体的なビートのプロダクションがしっかりとしていて、ハウスやテクノ、ダブステップ、レイブなどの多彩でダンサブルなビートに、ヒップホップ的なサンプリングアレンジや、アンビエント的なアブストラクトなサウンドを編み込んだ、ウィットに富んだ作品となっています。
まさにNicolas Jaarや彼のサイドプロジェクトAgainst All Logic名義のビートに、Mount Kimbie的なサウンドが乗っかったような、深夜に踊り明かしたくなるアルバムですね。
サウンド・プロダクションは完璧に今のシーンの音なのに、どこか忘れかけた90年代のノスタルジアなダンスフロの匂いが仄かに香る音作りが凄すぎる。

7. Saya Gray 『19 MASTERS』

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〈Dirty Hit〉 から彗星の如く現れた次世代を担う、トロントを拠点に活動し日本とカナダをルーツに持つSSW/プロデューサー/マルチ奏者、Saya Grayがデビュー作『19 MASTERS』をリリース。彼女は今までにさまざまなアーティストのサポートや、Willow SmithやDaniel Caesarの音楽監督としての活動を経て、今回のソロとして動き始めたそう。
今作は彼女自身の精神面での苦悩や、音楽業界の中に存在する有害性を作品の中に込めたとのこと。また今作自体、冒頭や作品の中の日本語のナレーションは彼女の母親、ギターは兄、トランペットは父親という家族総出での作品協力のもと制作しつつ、そのほかは全て彼女が手がけています。
音楽性自体はインディー、R&Bやソウル、ジャズ、ヒップホップ、アンビエント、ニューエイジなど、さまざまなジャンルを折り重ねた実験的な面を持ちつつも、しっかりとポップなサウンドに仕上げています。全体的にアコースティックな響きが多く、ナチュラルかつミニマルにまとめ上げているのも彼女の才能かと。

6. Steve Lacy 『Gemini Rights』

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The Internetのギターも務める若き天才、Steve Lacyが新作『Gemini Rights』をリリース。
初期のEPのときのローファイなベッドルームの質感に回帰しつつ、ブラジル音楽や民族音楽を取り入れた斬新なビートアレンジや、70〜80年代のソウルやファンクも組み込んだ、確実にベッドルーム・ポップの新たな道を切り拓いた名作です。今回のSteve Lacyのファッション性といい、正直新たなカルチャーを作り上げたと言っても過言ではありません。これからさらに独自の道を切り開いていくアーティストですね。

5. Issy Wood 『My Body Your Choice』

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ロンドン拠点に活動する画家でもありデザイナー、シンガー・ソングライターでもあるIssy Woodがデビューアルバム『My Body Your Choice』をリリース。個人的にも2020年のEPからずっと追っていて、以前のEPは Mark Ronsonの〈Zelig Records〉から発表していましたが、今作から自主で出しています。
ギターとドラムマシーンとベース、電子音というミニマルな楽器構成。音楽的にはブルースやフォーク、インディーロック、アンビエントなどを織り交ぜたアート・ロックの部類に入るようなサウンドを奏でています。
特筆すべき点は、やはり彼女の記名性のあるダウナーでメランコリック、そしてクールな歌声でしょう。その気だるげだけど、伸びやかで美しい歌声と、そこにエッジーで歪んだギターのハーモニーが素晴らしく、圧倒されてしまいます。彼女は音楽だけでなく、画家としてもめちゃくちゃかっこいい作品ばかり見出しているのでそっちも見てほしいです。

4. BROCKHAMPTON 『The Family』

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BROCKHAMPTONがラストを飾る作品『The Family』と『TM』を2作同時にリリース。個人的には、ほとんどKevin Abstractのソロ作と言ってもいい、『The Family』がダントツでした。bearfaceがプロデュースしたという意外性もありつつ、boylifeがサウンドプロダクションに関わっているのもあって、非常にウィットに富んだアルバムになったかと思います。初期の『SATURATION』に回帰したような、ATCQやDe La Soulあたりの90年代のオールドスクールなビートも最高。ラスト「Brockhampton」で綴られるKevinのメンバーに対してのリリックは涙なしでは語れません。
僕の青春は終わりました。本当に6年間、夢をみさせてくれてありがとう、BROCKHAMPTON。

3. Ethel Cain 『Preacher's Daughter』

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アラバマ州拠点に活動するHayden Anhedöniaによるプロジェクト、Ethel Cainが待望のデビューアルバム『Preacher's Daughter』をリリース。
音楽性としては、グラムロック、ゴシックなどのテイストに、アメリカーナ的なフォークやカントリーの牧歌的なサウンドや、ゴスペルも織り交ぜた、幽玄で奥ゆかしい独特な仕上がりとなっています。絶妙な希望と陰鬱な雰囲気のバランスが見事に取られた壮大な作品作りも素晴らしいの一言に尽きます。また彼女の歌声はまるで教会のステンドグラスから刺す神々しい光のように、眩くも儚く美しい。正直言葉もいらないほど、唯一無二な歌声の持ち主。
Hayden Anhedönia自身、16歳の時にトランス女性であることをカミングアウト。そのときはフロリダの南部の厳格な場所で育ったとのことで、自身の音楽への逃避行ということでその解放感を得られていたようです。そこから彼女自身は成長し、今作は、彼女が感じた田舎町の倦怠、有害な関係、死というテーマを繰り返し屈折させた想いが込められているそう。

2. Big Thief 『Dragon New Warm Mountain I Believe in You』

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USインディーで今一番注目されているバンド、Big Thiefがダブルアルバム『Dragon New Warm Mountain I Believe in You』をリリース。2月にリリースされましたが、今年なんだかんだずっと聴いていた作品でした。このアルバムへの解像度がより深まったのが、彼らの初来日となるライブでした。Adrianne Lenkerを中心とした、ジャム的なセッションで始まる楽曲たち。それぞれのメンバーのアンサンブルが絡み合い、初めて"Big Thief"の心地よいグルーヴが生まれていると、と改めてライブを観て感じました。その即興性が今作にも落とし込まれていて、ライブを観て初めて完成するのだと納得しました。
今までの彼らのジャケットはメンバーの集合写真などが多かったですが、今回はあえて動物が焚き火を囲んでいるラフなタッチのジャケットでした。これもそれぞれのメンバーの特筆が捉えられていて、「"Big Thief"という音楽はこれだよ」と語りかけてくるよう。こんな簡素なジャケットを見て、初めてそのバンドらしいと思えた作品はこのくらいかも。

1. The 1975 『Being Funny in a Foreign Language』

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正直にいいますが、The 1975は学生の頃からも含めてずっと心の底から「大好き」だと言えるバンドではなかった。でも「好き」であることは間違いなかったです。ファーストを聴けば、自分の青春時代を思い出すし、自分の中で1975は特別なものでもありました。でもまだ心の底から「最高だ」と言える作品にまだ出会えていない気がしていました。
でもとうとう出会えました。『Being Funny in a Foreign Language』は僕にとって生涯ずっと聴き続ける作品です。もうそのくらい多幸感に溢れ、彼らの真髄を目の当たりしたアルバムでした。でもそれは1975の今までの道のりがあるからこそ、思えた作品なのかもしれません。
各種メディアから酷評されたデビューアルバム『The 1975』から、Matty自身のドラッグ依存と向き合い真っ白に身を包んだ2枚目『i like it when you sleep, for you are so beautiful yet so unaware of it』。現代の社会性や政治に視点を向け、サウンド面でも実験的な趣向を凝らした『A Brief Inquiry into Online Relationships』と『Notes On A Conditional Form』。
そして彼らにとってのバンド的な原点に立ち返り、白黒のジャケットに包み込んだ「愛」について語られた今作。The 1975のメンバーそれぞれの絆や、フロントマンMatthew Healyの成長、そして強固な彼らの姿を心の奥底から感じた作品でした。


という感じでいかがでしたでしょうか?
今回ザッとリストアップした時に150枚以上出てきて、断腸の思いで50枚まで絞りました。やはりストリーミングで多くの作品が聴けるようになったのが影響して、年々リストアップする数が増えてきますね。
毎回独断と偏見で選んでいますが、1番重要視してるのがそのリストアップしたアルバムをもう一度聴いた時に、そのアルバムに感動したときの情景や記憶が蘇るかどうかでいつも選んでいます。今回の50枚は本当に繰り返し聴いていたんだなと改めて思いました。最後に個人的な感覚の総評的みたいなものをつらつらと書こうかなと思います。(ここからは有料にしようと思います。興味がある方はぜひ。)

今年いろんな作品を聴いていて思ったのが、ストリーミング時代で世界中を虜にしたBROCKHAMPTONの事実上の解散はかなり感慨深かったです。ストリーミング時代だからこそ成し遂げられた彼らのアルバムの発表の仕方や広げ方は独特であったし、新たな音楽性やムーブメントを作り上げたと感じています。
そしてPhoebe BridgersやBig Thief、Pinegroveが現れて以降、フォークやインディーフォーク系だけど、どこか斬新であったり新たな感覚を持ったSSWやバンドが多く出てきています。The 1975もかなりポップによった楽曲ばかりでしたが、やはりフォーク系統のサウンドを取り入れた楽曲もかなり特徴的でした。
これはアメリカに限ったことではなく、イギリスのポスト・パンクシーンも徐々に変化して、BC, NR以降、新たなムーブメントが出てきているよう感じます。1900年代のアパラチア音楽から影響を受けたcarolineや、スローコアやポストロックからのdeathcrash。そしてNaima Bockも含めて、非常にアコースティックな質感の強い、フォークの系譜を感じるサウンドを奏でています。加速主義が進んでいく中、やはりより静かでゆったりと、オーガニックな質感のサウンドを求めるアーティストも増えてきているのでしょう。
そんな加速主義と共振するように出てきたのがhyperpop系(この呼称があっているかは置いておいて)やdigicore周辺、そして去年あたりから盛り上がりを見せてるUKガラージやダブステップ、ジャングルなどのスピード感あるビートの再興なのでしょう。特にUKガラージ系のビートは当時のビートと比べると、より軽快で重みはあまりないのが特徴です。ベッドルーム・ポップ・シーンのアーティストを中心にビートの多用が増えていって、ポップスシーンでもその幅が広がっています。この広がりの速さもやはりストリーミング時代による加速主義に関わってくるのかなと。そのため先ほど前者で挙げた、スロウでオーガニックなサウンドというのは、ある意味いまのポップカルチャーへの静かなるカウンターなのかなとも思ってます。
しかし昨今TikTokバズで人気になるアーティストがいる中でも、Laufeyのようなジャズやソウルの素養のある、いわゆるヒーリング的な側面を持ったSSWも人気を博していますし、Ethel Cainもその一人でしょう。逆にEthel Cainの音楽は楽曲が短くなるのに逆行した長い楽曲ばかりというのも面白いですね。Ethelの場合は単にSNSの使い方がうまいというか、単に好きなんでしょうね。正直今年思ったのが「TilkTokで〇〇だから音楽の趣向も〇〇だ」という、SNSやプラットフォームの違いで流行ってるカルチャーが異なるという見方はそろそろできなくなってくるのでしょうね。
例えばそういうプラットフォームをうまく利用しているというか、それに対してのカウンターになり得るのが、Saultのような集団なのだと思います。彼らは現在のプラットフォームを非常にうまく利用して、かつニヒルな部分も垣間見えます。今年はかつてのRadioheadの手法で、謎解きのような形(結局ネットでパスはばら撒かれたけど)で音源データを公開して、1週間ほどでページは閉鎖。しかしそのしばらくした後にしっかりと各種ストリーミングでも配信、BandcampではLP受注もしていました。この時代に音源データをばら撒くのも、Chance The Rapper以来かもしれませんし、逆に灯台下暗しな手法でした。彼らは他にも期間を限定的にストリーミングで公開して、LPをBandcampで受注販売して、その後その音源をプラットフォームから無くすというパターンもやっていますし、プラットフォームに搾取されるだけではなく、逆に利用するという構造も面白いです。
Cleo Sol率いるSaultですが、彼らとも親交のあるLittle Simzもそのような手法をしました。全世界的に金曜日を新譜の日と音楽業界が取り決め、「New Music Friday」としてから数年経過しました。(ちなみに昔はアメリカやカナダは火曜日、オーストラリアやドイツは金曜日とか曜日がバラバラだったんですよね。これに対しての考察はWIREDの2016年の記事が有名です)
それに反するような形で、12/12という金曜日とは真逆の月曜にリリースするという斬新さ。これはSaultからの影響が少なくもないなと感じました。しかもリリース1週間前に新譜を出すことを告知するという、今のストリーミングの中では考えられないような出し方ですよね。一般的にはアルバムから先行シングルをいくつか出して、アルバムを盛り上げていくのが、ストリーミング以降、基本的にアーティストはそういうリリース手順を踏んでいるのが多いかと思います。
しかしそんな中でも先行シングルなし、アルバムだけドーンと出す。1週間というプロモーション期間でしたけど、出た後は逆に各メディアがレビューを一気に出すなど、かなり騒がれました。でもこのアルバムの出し方は思い返せば10年前とかのCDの過渡期では当たり前の出し方でしたよね。そういう面も含めて今回のLittle Simzのアルバムの出し方は、アルバムのメッセージでもある音楽業界へ不満を、このリリースの仕方でもある意味"中指"を立てているとも捉えることができるのかなと。
これからよりアーティスト主体で、どんどんリリースの仕方は変わっていくかと思います。まあどの時代もカルチャーやプラットフォームの変化によってどんどん手法ん変えてるのは当たり前なのですが、今年は特に興味深かったです。
今回最後に今年思ったことを書いていこうかなと思います。あえて触れてこなかったですが、本当はベストアルバム入れたかった僕の大好きなアーティストRex Orange Countyについてです。彼は先日女性に暴力を振るい、その件で訴えられています。彼自身はその件について否定しており、来年の1月にその訴訟の結果が出るそうなので、あまり言えないですが、その女性のことを思うと心配で仕方ないです。いままで本当に心の底から大好きなアーティストがそういうことで訴えられるケースがあまりなく、今回のRexの件でどのように向き合えばいいのか正直に全くわかりませんでした。世界では彼のファンがレコードやグッズを燃やしたりするいわゆる”キャンセル”が起きているそうです。僕は彼の音楽が大好きなのでしっかりと反省して被害者のケアもして戻ってきてまた音楽を続けてほしいなと願っています。ただ"キャンセル"するだけがいいとは正直なところ僕自身はいいとは思えません。例えばフェスの〈TONAL TOKYO〉でRhyeやLANYのブッキングで彼ら性加害の件が改めて取り上げられましたが、彼らのようにまだしっかり何も対処しないでライブ活動などしているのは流石にどうかと思いますが…。こういう問題にどう向き合っていくのかも人それぞれですし、リスナーとしていちファンとして考えていかないとなと感じました。
つらつらと適当に僕自身がボーッと感じていたことを書き連ねさせていただきました。また来年もやばい新人をこのabstract popでまとめていきますのでどうぞお楽しみに。あ、ベストEPもももれなくまとめますので、そちらもぜひ楽しみにお待ちください。

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