小野峻志

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自作解説『ファッションランナー』

 Stranger、第七藝術劇場での『野球どアホウ未亡人』上映に際し、私が大学3年生のときに監督した短編映画『ファッションランナー』が併映される。  映画を作る大学に行きたい、と日本大学芸術学部映画学科に入った。3年目は課題として10分程度の短編を撮ることに。  その際、16ミリフィルムかデジタル、どちらで撮影するのか選択するのだが、私は迷わずフィルムを選んだ。フィルムで撮れるなんて滅多にない機会だし、フィルム代は高価だったが、10分の作品だから大したことはないだろうと考え

    • 2/16の文章

       なぜこのような長い文章を書くことになったのか。まずは私のXでの投稿を見ていただきたい。  この投稿に対し、それは森山さんに対して失礼なのではないか、ギャラが安かったから森山さんをキャスティングしたのだ、森山さんは浜辺美波さんの代わりにキャスティングされたのだ、という言葉を見かけたので、私は以下の文章を書いたのである。これによって理解を得られないのであれば、もう私には申し開きの言葉は見つからない。 ●  素人の私が言うのも烏滸がましいですが、映画制作において監督というの

      • 新文芸坐にて『 #野球どアホウ未亡人 』が上映

        監督作『野球どアホウ未亡人』が池袋・新文芸坐にて公開されます。 上映時間は 12月9日(土)20:00〜(上映後舞台挨拶つき) 12月10日(日)17:20〜 12月31日(日)18:10〜 まさか自分の映画が新文芸坐で上映されるなどとは、夢にも思いませんでした。 なんせ初めて訪れた名画座が新文芸坐だったのです。中学2年生の冬、岡本喜八の作品を追っかけていた私は、映画館で喜八映画が観られるらしい、という情報をどこかから得て、ケータイやスマホも持っていなかったので図書館の

        • 『野球どアホウ未亡人』誕生②「未亡人」について※ネタバレあり

           不定期連載シリーズ。第1回はこちら。  まずは、直近の上映情報から。 上映情報 【2023年】 9/22〜? 愛知・刈谷日劇 11/10〜11/22 長野・千石劇場 12/8・12/16 MOOSIC LAB 2024(新宿K‘s cinema) 12/9・12/10・12/31 池袋・新文芸坐 【2024年】 1/1〜1/5 神戸・元町映画館 1/13〜1/26 池袋シネマ・ロサ  最新情報は映画公式X(旧Twitter)をご覧下さいませ。 なぜ「未亡人」なのか

          『野球どアホウ未亡人』誕生①編集について

          【12/6〜ヒューマントラストシネマ渋谷にて公開】 昨年8月シネマ・ロサで公開後に書いた、『野球どアホウ未亡人』の編集にまつわる四方山話です 監督・小野峻志の最後の自主映画としてこの映画を「長編映画」として劇場公開すべく企画は始まった  「これが最後の自主映画」ということで、折角なら劇場で公開したい、それならば長編映画だろう、という事で、この『野球どアホウ未亡人』は完成予定尺70分〜80分の長編映画として企画がスタートするのだが、「未亡人が死んだ夫の借金の肩代わりに草野

          『野球どアホウ未亡人』誕生①編集について

          『殴る群像』批判

          観る前から分かってはいたのだが、櫻井保幸監督『殴る群像』は、ハッキリつまらなかった。だったら観なければいいと思われる方もいるだろうが、私は本作に出演したとある女優のファンなので、観ないわけにはいかなかったのである。 これから書き連ねることは、この映画を観ながら、自分の、映画に対する考えを改めて再確認するもので、本作をお気に召した方、鑑賞を楽しみにしている方には、不快に思われる箇所が幾つもあるかと思うので、読み進めることは控えていただきたい。 本作は、俳優である櫻井保幸氏が

          『殴る群像』批判

          脚本・堀雄斗〜『浮気なアステリズム』と『喫む女』〜

          今年2月19日(日)に池袋シネマ・ロサで上映されるカブ研究会製作の2本の映画『浮気なアステリズム』と『喫む女』(のむおんな)について両作の監督である私がつらつら書き連ねます。 劇場HP↓ 二作の制作経緯についてはこちら↓ 『浮気なアステリズム』の企画アイデアを思いついたのは私である。 そのアイデアをざっくり要約するとこんな感じだ。 〈桜井三枝子が宇宙人の元カレ・植木ヒロシの  行方を追って、同じく宇宙人の犬塚チャコ、三枝子の婚約者・石橋和之と共に旅に出る。旅先で三枝子

          脚本・堀雄斗〜『浮気なアステリズム』と『喫む女』〜

          2023年の抱負

          あけましておめでとうございます。本年もどうぞよろしくお願いいたします。 今年2月19日(日)に池袋シネマ・ロサにて監督作『浮気なアステリズム』と『喫む女』(のむおんな)が一日限りの上映となります。 HPはこちら↓ 2021年10月にシネマ・ロサにて上映した『浮気なアステリズム』が1年以上の時を経て復活上映されることに私自身驚いています。さらにあまり日の目を見ることのなかった短編『喫む女』も併せて上映できることになり、劇場関係者の方にこの場を借りて御礼申し上げます。 『

          2023年の抱負

          【ボツ企画】『お稲荷ババア伝説』

          『野球どアホウ未亡人』を企画する前、こんな映画のアイデアを考えていた。自分なりに「ホームドラマ」を作るとしたら、こんな感じかな、などと考えていた。以下、そのメモです。 〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜 タイトル『お稲荷ババア伝説〜女たちよ、生き急げ!〜』 【登場人物】 坂田朱美(18)……高校3年生。陸上部女子キャプテン。 坂田森(50)……朱美の父。 坂田るみ(45)……朱美の母。 坂田文子(24)……朱美の姉。数年前実家を飛び出した。霊媒師。 坂田千帆(80)…

          【ボツ企画】『お稲荷ババア伝説』

          撮影を終えて

          最新作『野球どアホウ未亡人』の撮影が先日クランク・アップしたので、とりとめのない雑文を。 今回が最後の自主制作映画ということで、スタッフ、キャストの皆さんに無理を言って(もう二度と会うこともないだろうからと開き直って)好きにやらせていただいた。この場を借りてお詫びします。申し訳ございません。 最終日に現場を手伝ってくれたスタッフから、「なんでこの映画を撮ろうと思ったんだろうって疑問に思うような映画って最近無いよなぁ〜って話を友人としてたんですけど、この映画(『野球どアホウ

          撮影を終えて

          祖母について

          【正確な医療知識に基づいて執筆されたものではありません。あくまで曖昧な記憶を頼りに書かれたものである事をご了承下さい】 「呼吸が激しく、返事も出来ない状態です。なるべく早く来て下さい」 祖母が入院している病院の看護師から連絡が入り、祖父と共に車で駆けつける。 祖母は大部屋から個室に移されていた。心電図には0の表示が映されていた。祖父と二人、呆然となる。 担当医が外来から戻り、祖母の脈拍や瞳孔を調べる。 あ、これは例の「御臨終です」が聞けるのではないか、と思った。だが、医者

          祖母について

          2022年の抱負

          2022年のカブ研究会最新作は、かなり下らないことこの上ない、ヘンタイたちが跋扈する映画になりそうだ。 さて、そんな映画に出演していただける俳優が果たしているのだろうか。 私のように知名度の無い自主映画監督が、「こんな作品に出演してほしいのですが……」と俳優に出演交渉し了承を得るにはかなりハードルが高い。「お金の為に出るんだ」と俳優が割り切れる程、潤沢な出演料を用意できるわけもない。 「仕事に飢えた若手俳優は沢山いるだろう」と思われるかもしれないが、彼らは「この作品が自

          2022年の抱負