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The show must go on ~黒い指輪の女~

アイドルを推していて、いい現場の定義はいろいろあるけど、いろんな経験をさせてくれて、いろんな所に連れて行ってくれるところが素晴らしいと思うのです。そんな流れの一つ、推しが舞台に出るというので見に行って来ました。


正解だと言ってくださると思います。

小川さんの話し

まず、タイトルにも書いた The show must go on (正式には The がつきます。) どんな困難があっても続けなくてはいけないという英語の慣用句ですが、語源はもちろん、どんなことがあっても舞台は止めてはならないという意味です。
この舞台を主宰する小川功治朗さんが、幕が上がる二日前に逝去されています。
浅川マキという石川県出身のブルースシンガーの人生を、本人を演じる中元ミレイさんがそれぞれの年代の自分自身を俯瞰して見るという舞台で、その脚本、演出を小川さんがされていました。
誰かの人生を咀嚼した劇なのに、演者側が正解を探しながら色々な実務的なことも含めて、感情的にも大変で(多分、これからの後片付けの方が大変)そんななか、まず幕を上げる決断をしたチームはすごいです。


劇はスリーピースのバンドの前で物語が進んでいきます。劇中にいっぱい歌唱シーンが含まれているのです。(ミュージカルではないです)
楽器隊がすごくよくて、ピアノ、かつ音楽監督の後藤洋子先生は本当に楽しそうに演奏していて、パーカッションのよねちゃんこと、米田さんは3回目なんて吹っ切れたようにカホン叩いてるし、サックス、時々フルートの大久保さんはめっちゃブルージーだしタイトで心地よいサウンドでした。

中元ミレイさん

普段ほくりくアイドル部がお世話になっている先生 教える側に立つとパフォーマー側が錆びちゃう人もいるけど、本当にすごくて、どんどん上げていって千穐楽でピークを持っていってました。舞台に立つだけで大変だったはずなのに、というか今回舞台に立った皆さんそうなんだけど、マイクなしで小声で話してる時も何を話してるかわかるのは当たり前ではなくすごいなぁーと

あと、日本語の歌い方をすごくわかってる人だなぁと ブルースの深みがすごく伝わったと同時にあおちゃんとデュエットするとこは合わせてて、スキルを表現のためにある程度自分を殺して使える人なんだなという印象でした。ただ、多分だけど、演じたままでいた方がきっと楽だったんだろうなと、、、

猪島涼介さん

多分この人がいなかったら舞台もみんな潰れてたんだろうなと。すごいかっこいい道化師でした。すごくかっこいい人なのに、めちゃくちゃ振り切っててそれもかっこよかったです。芯の強い人なんだろうな〜かっこよかったす!

まみさん

金沢行ったら今度飲みいきたいです。初舞台、もっと愛の讃歌聞きたいのです。

あおちゃん (南葵ちゃん)

アカペラで、特に低音域の音程を安定的に取りながらあんなリズムも音程も普段のアイドルとは全く異なり、声質も全然違う歌を歌いこなしたのは、正直演者の中で歌的に1番のチャレンジをしたの思います。最後にマキさんにマイクを渡すシーン、なぜかマイクが一輪のバラに毎回見えてました。素敵でした。それとしっかり努力してる様子がすごく伝わって来てました。

羽場ちゃん(羽場朱里ちゃん)

こんな素敵な場所に連れて来てくれてありがとう。羽場ちゃんのいいところがいっぱい見れて嬉しかったです。感情をぶつける姿、思い切りのいい演技、とりあえずワンピも男の子もかわいかったのです。男の子の演技は女性の声優が子供を演じる感じに通じるものがありました。
あ、立ち姿めちゃくちゃ舞台映えします。

音楽の話し

秀さんが歌うのがすごくよくて、ミレイさんとのダブルボーカルみたいな感じでした。特にジンハウスブルースが好きで、禁酒法の中で書かれたブルースのような感じの歌詞の適度なアウトロー感が素敵でした。

日本語のブルースをしっかり初めて今回浸かって、少なくともあの頃の立場や気持ち、世界観に少し入り込めたように思えました。ブルースの舞台を普通の人が観にくること自体が割とすごいことだと思うし、ブルーノート東京のような舞台でやれるだけと価値と酒はあるなというのが感想です。

全部見た感想

流石に2回目からどれがアドリブかどれが台本か、そしてどれがアクシデントかわかるようになるけど、割とアドリブ多めの舞台で、これは再演する時に味を出せる余裕になるので、違う人がやるとどう料理されるのかすごく楽しみです。



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