【2020年もっとも読まれた記事No.3】 90年代の音楽を知らないアナタへ その49 AGE AIN'T NOTHING BUT A NUMBER(94)/AALIYAH 最初から格好良かった同い年のアイドル
わたしとアリーヤの出会いは、忘れもしない熊本市内に当時あったCDショップ。店内でみつけた発売されたばかりのファーストアルバムの輸入版を手にとり、なんの前知識もショップのコメもなく、あのサングラスをかけたジャケットのクールさに引かれて速攻買ってかえったのを今でも覚えている。
アリーヤがデビューしたのは94年。実はわたしと同じ79年生まれであり、当時はなんと15歳。彼女が1月でわたしが10月なのでちょっとお姉さんなのだけれど、同じ年の、本来なら中学三年生であるアリーヤがセンセーショナルに全米を席巻している姿を目の当たりにして衝撃をうけたものである。
デビューが決まったアリーヤが、当時のプロデューサーに連れられて尋ねた先がかのRケリーであり、彼女がRケリーにアカペラで歌を披露したところ、かなり気にいった様子で、その後すぐファーストアルバムは彼がプロデューサーとして全面バックアップするという話しが決まったというのは有名な経緯である。
アルバムのタイトルにもなっている収録曲「AGE AIN'T NOTHING BUT A NUMBER」はかないり印象的な曲だ。彼女のブレス多めなスムーズヴォイスに、当時のRケリーならではのエロ絡みするようなベースワークと、アイズレーブラザーズ風のメロウなグルーヴで極上のメッセージソングに仕上がっている。
タイトルの意味は「年齢なんてただの番号よ」。
この言葉が含む意味は多様だ。世代を超えた男女の恋愛。大人子供の対等な立場。大人びた子供の台詞。生意気なガキの啖呵。ヒップホップ・ファッションに身を包み少年性を孕だ危なっかしさと、大人びた声とのギャップがたまらなく魅力を放って、まさしく年齢なんかを超えた才能を印象づけるに相応しく、衝撃的な言葉だと思った。