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90年代の音楽を知らないアナタへ その30 THAT'S THE WAY LOVE GOES(93)/JANET JACKSON SEXに目覚めて女になったジャネットの新境地

ジャム&ルイスと四つに組んだ「コントロール」が商業的に大成功をおさめ、次アルバム「リズムネイション1814」でさらなる世界的な成功と名声を手に入れたジャネットが90年代の第一弾アルバムとして放ったのが”手ブラ”ジャケットが衝撃的だった「janet.」である。

スタッフは1STシングルにダンサブルな「if」を押したが、ジャネット本人は乗り気じゃなく、90sは力を抜いたレイドバックなムードが相応しいという主張で「THAT'S THE WAY LOVE GOES」に決まった。結果的にジャネットの思惑が大当たりし、この曲は全米NO.1を獲得し、現在でもジャネットの代表曲、ひいては90sミュージックの代表曲として語り継がれるほどのクラシックになっている。

80年代のジャネットと90年代のジャネットの違いはなんだろうか。それは「女の意識」だと思う。勝手な予想だが、ジャネットは80年代はまだ処女だったのではないだろうか。厳密にいうと、肌の露出が目立ったPV「Live will never do without you」までは。

ブラ一枚にジーンズを合わせただけのカジュアルな出たちから漂う色気と、キュートな女性らしさが眩しく、まさに衝撃的だった。それまで鎧のような戦闘服で歌い踊っていた「男勝り」なジャネットの姿は薄れて、男を誘う小悪魔的な魅力へ変貌を遂げたのだ。

93年にリリースされた「that’s the way live goes」はフレキシブルで、リラックスしたジャネットの姿が印象的なビデオも傑作だ。囁くように力を抜いたボーカル。マドンナのようなあからさまなセックスアピールではなく、知的で女性の共感をえる健全なエロ。女性の性を謳歌しながら時代に媚びない、ナチュラルなエロ。ジャネットにはそれが似合うし、男女の共感を得た。

誰もがジャネットを新時代の女性像として熱狂し、受け入れ、支持したのだ。

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