90年代の音楽を知らないアナタへ その53 NATURAL HIGH(93)/VANESSA PARADIS 名曲中の名曲。フランスが生んだミューズとアメリカンロックのキングの出会い
わたしはヴァネッサパラディが好きだ。愛していると言っていい。ジョニーデップとの結婚で嫉妬しまくり、ジョニデが嫌いになったほど。なのでわたしは彼女のことになればかなりの贔屓目をしてしまうのでご容赦願いたい。
といいながらも、これは贔屓した意見ではなく、本当に彼女のリリースする音楽にハズレは無いと強く思う。音楽が好きなのだろうなと思わせる音作りやプロデューサー選び、カバーの選曲にいたるまで通(つう)心を刺激しまくるセンスの渦なのだ。これは2000年代以降のどのアルバムにいたっても変わらず共通だ。
さて、彼女が93年に放った「VANESSA PARADIS」はインターナショナルデビュー盤として世界中で大ヒットを記録した。プロデューサーに選ばれたのは後の恋仲にもなったレニー・クラヴィッツ。きっと彼がヴァネッサにぞっこんになり、公私混同の流れになったに違いない(これはわたしの妄想です)。
レニーのロマンティックでセクシーなロックエッセンスと、ヴァネッサの舌ったらずで甘い歌声がマッチし、フレンチ・ソフト・ロックともいうべき作品が誕生したのである。
そのアルバムのオープニングを飾る曲がこの「NATURAL HIGH」。ギターのリフから始まるオープニングらしい曲。荒々しいギターの音色にヴァネッサのややハスキーでキュートな声が絡みつく。吐息まじりに。
余談だけど、わたしはこの曲をセックス・ミュージックとして幾度となく使ってきたくらい、この歌の持つセクシャルな気分がかなり好きである。体を興奮させるだけでなく、脳内を興奮させてくれるのだ。
女性ボーカルの作品なのに女性を意識せず、いうなれば男に媚びた作品。男のセックス願望をかなえるがごとく作られた作品ではあるが(それはセルジュが手掛けたセカンドアルバムからそうだった)、それが数十年後にも瑞々しく存在している大人の音楽としてのクオリティを保ってられるのはやはりレニーの手腕が確かだったということだろうと、今になって強く感じる。
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