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「やっぱり寒い」、暑さ寒さがわかるのか!

昨夜、娘は居間のソファベッドで寝ると言います。どこでも好きに寝たらいいよ。家の中で何箇所も寝場所があるというのはいいことなんだと思います。でも居間のソファベッド、寒いと思うよ。布団も夏物の掛け布団でしょ、絶対に寒いって。

それが10時頃でした。

11時頃、暗い表情の娘がやってきました。

「やっぱり寒い」

でしょー。

でしょーという気持ちと同時に娘が自分で「寒い」と言い出したのが嬉しくて笑いそうになりました。

娘は暑さ寒さが分からないのです。特に不穏な状態で妄想に忙しい時は全然わかりません。冬にはガチガチ歯を鳴らすぐらい震えながら薄着でいたり夏にはもこもこに着込んで汗をだらだら流したり、そういうのが普通です。外に出ている時はちょっとどうにもなりませんが、家の中ではそういうことのないよう布団を変えたりパジャマを変えたりしているのです。ですが、娘はそういうのも気にせず寒いまま過ごしたり暑いまま過ごしたりするのです。

そんな娘が、自分から、「やっぱり寒い」とか言っている。

寒さでしょんぼりしている娘を見ながら笑うのはまずいだろうと思うのですが、嬉しいんだよなあ、こういう時。なんだろうなあ、ションボリしているちいかわを見ている気分と近いものを感じます。

それはともかく、ソファベッドが寒いならどうにかせねば。

娘の部屋の布団と和室のベッドはあたたかいのです。そっちを使えばと勧めたら居間のソファベッドで寝たいとのこと。そうですか。

毛布をシーツ代わりに敷いて、どうしてもこれを使うという夏物の掛け布団の上に別の布団を重ねて、布団の外に出て寒くなる首筋にはバスタオルをかけました。

「これであったかいよ」

「あったかい」

「寝てね」

「んあ」

「叫ばないでね」

「んあ」

「寝るんだから、目、閉じてね」

「んあ」

「おやすみ」

「おやすみ」

寝たようです。

私も早めに横になりました。なかなか寝付けないのはいつもの通り。それでもそこそこすぐに眠りました。

ドスドスドス。

娘が廊下を歩く足音が聞こえます。トイレに行きました。出てきました。

ドスドスドス。

ソファベッドに戻っていきました。

おや?

ドスドスドス。

また歩いています。

私が寝ていた娘の部屋の扉が開きました。

「なになに?」

「寒い」

「え?」

「こっちで寝る」

こっちで寝るの。わかったよ、今、どくよ。

急いで布団から出ます。

「こっちはあったかいよ」

「んあ」

布団に入った娘は穏やかないい顔をしています。

「あったかい?」

「あったかい」

「おやすみ」

「おやすみ」

時間は6時でした。まあ、しょうがない。居間のソファベッド、掛け布団は別の薄いのに変わっていました。夏用の掛け布団はどこに行ったのか。でも、これじゃあ寒いよ、どう考えても。

和室のベッドの上には薄い毛布だけが乗っていました。他の布団は押入れに無理やり突っ込まれたりなんだりです。わけのわからない一所懸命な感じは生理の2週間前とかなのかなあ。とりあえず自分用に布団や毛布を色々揃えてあたたかくして、私ももう少し寝ないと。

7時に目覚ましが鳴って、スヌーズはオフにして、それから8時まで寝ました。

娘の部屋から喋っている声が聞こえてきます。寝てはいなかったのかなあ。どうなのかなあ。声をかけると起きてきました。薬だけ飲んでもらいます。

「冷蔵庫にサラダと煮物あるから。ご飯もあるよ。カレーでも納豆でも玉子かけでもふりかけでもいいから食べてね」

「んあ」

私の朝食はサラダとシリアルです。昼もカップ麺とかパンとかだけど、タンパク質が足りないかもなあ。あと、なんか花粉の雰囲気を感じるんだよなあ。そろそろ花粉症の薬、飲んでおくかな。

◇ ◇ ◇

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