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ダルさMAXでも玉子とじうどん

いやあ、昨日は薬効いたかと思ったんだけどなあ。夜になったらまたピチャピチャ喋りまくっていました。なんか小さい声でひそひそ喋る時に「ピチャピチャ」みたいに聞こえる時があるのです。昨日はそんな感じでした。でも暴れないからなあ、そういう意味では少しは効いてんのかな、クスリ。

私のダルさは抜けないままに就寝の時間です。娘が喋っていても「やめて~」と頼みに行く気力もないです。適当にやっといてくれ、そういう気分です。

深夜、なんか隣の和室が明るい。娘の声も聞こえる。あれだ、また夜中にひとりで喋りながら居間をウロウロ歩いてるんだ。怒り出したりって雰囲気じゃないな。放っておこう。

ガラッ。

襖が力強く開けられました。

「なになに?」

居間の照明をバックに娘がドカドカ和室に入ってきます。

「なんなの?」

布団を手に持っています。また布団かよ。

押入の前の椅子に積んである布団を物色しています。

「オレンジのは?」

キリッとした口調です。

「え、パパ使ってるよ」

娘は無言で私の布団を剥ぎ取り始めました。まるで羅生門の老婆のようだ。眠い頭でそんなことを思いながら、抵抗せずに娘に布団を取られるがまま、ちょっと寒くない?

私の布団をゲットした娘は無言で去っていきました。襖も閉めないし居間の電気もつけっぱなしだよ。なんなんだよ。

トイレに行って電気を消して和室に戻って襖を閉めて、別の布団を出してからまた横になります。

5時でした。朝の5時。

そこから7時半の目覚ましで起きるつもりでまた寝ました。なんとなく目が覚めたら7時28分。ダルいのでしばらくそのままです。

娘はガッツリ寝ているようです。ヒトの睡眠はさんざん邪魔するくせに、自分は悠々と寝てやがる。腹立つわ~。

昨日買ったお惣菜があるので娘の分は特に用意しません。糠床の糠がずいぶん減ってしまったので足さねば。私は炊きたてご飯を食べます。ちょっと硬いな。水加減間違えたかも。

ダルさがまったく抜けない状態で出社です。微妙に能率は落ちていますが、その分はExcelの関数や自分で作ったツールに頼るなどして乗り切ります。手作業でやると時間がかかるうえに間違いが発生してしまうような作業こそコンピューターにやらせるべきなので、なるべくそうするようにしています。周囲から見るとゆっくり動いているように見えるわりに仕事が進んでいる時はだいたいそういう感じです。

帰りもダルい。ダル過ぎる、とか思っていたら電車が遅れています。急いで帰る必要もないので平気なのですが、電車が混んでるとヤダなあ。混んでいない電車に慣れすぎて、混んでる電車には乗りたくない気持ちが強いです。

幸い、そこまで混んではいませんでした。助かった。座れました。すぐに爆睡です。

スーパーに寄るのはやめます。ダルいのです。帰って横になりたいです。それなのに駐輪場から出した自転車の後輪の空気が抜けています。無料の空気入れでエアー充填。なにをやってもダルい。

帰宅しました。家の中、真っ暗。寝てんだな。でもどこで寝てるかわかんねえよ。

しょうがないのでしばらく様子見です。椅子に座ったまま寝そうだよ。

寝てました。

娘が起きてきました。急いで声をかけます。薬だけ飲んでもらわないと。娘、眠そう。機嫌、悪そう。なんか食べるかとか聞くのも面倒だからクスリだけ飲んでもらえばそれでいい。

薬を飲んだ不機嫌な娘が部屋にドスドス帰っていきます。私は何か食べるのか。作るのも面倒だけど買いに行くのはもっと面倒だ。うどんがあったから茹でるか。キノコとホウレンソウを入れて玉子とじにするか。

意外といい感じに出来上がりました。

いちおう娘に食べるか聞いてみるか。

「玉子とじうどん、食べる~?」

返事はありません。しばらく待ちます。部屋の中で動いている音が聞こえます。起き上がったかな。

ドカッ。

部屋の扉が開きました。食べるようです。

私の分は少しだけ取り分けて味見です。やさしいお味に仕上がっています。

娘は無言で完食でした。やさしいお味、娘にもよかったようです。食後にヨーグルト、こちらも無言で完食。今日はお風呂には入らないそうです。了解です。

食べる前より少し穏やかな雰囲気の娘は部屋に戻りました。すぐにまた喋り始めています。ですが、あまり攻撃的ではありません。食べてよかったんだろうな。

◇ ◇ ◇

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高島利行
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