見出し画像

寝坊の朝と作業の昼、雨の夜

深夜、熱くて目が覚めました。布団を重ねているのがよくないのか、ひょっとして熱か。いや、布団だな。減らします。敷布代わりの毛布も外しました。これで眠れるかな。いや、まだ熱いな。あ、娘は起きてきた。

ガガッバン、ドスドスドス、ガタッバン。

トイレですね。

様子を伺います。

ガタバーン、ドスッ、ババーン、ドスドスドス、ガッガガッババン。トストストス。

娘は何をするにも音がでかいのです。夜中じゃなくても常に静かにしてくれと言うのですが、できないんですよね。静かに扉を開けたり閉めたり静かに歩いたり静かに電気のスイッチを入れたり消したり、そういうことができません。なんでもかんでも力任せに、バーン、バン、ドスンドスン、ガラガラッ、ガンガンッ、というふうになります。本人が意識しているしていないの問題だけでなく身体の使い方の問題もあるようです。小さな子供の頃から変わりません。これから先もずっとこうなのだろうと思います。

娘が和室に戻ってしばらくしてから私もトイレへ。これで少し熱っぽいのも下がるかな。ダメっぽいな。風邪薬飲んで冷えピタ貼るか。

ここでようやく時計を見ました。2時半でした。

次に目が覚めたのは目覚ましが鳴る前です。また娘の足音で起こされました。娘の部屋で寝てるとコレがツライんだよなあ。和室だとこれが無いからいいんだよなあ。

ウダウダしていたら寝てしまいました。目覚ましで起こされます。うう、今日はツライから目覚まし切ってもう少し寝るよ。

起きました。50分ぐらい。20分ぐらい寝たのか。ちょっとスッキリ。いい感じでしょうか。ああ、でもまだ寝てたいなあ。どうしようかなあ。

もう一度スマホの時計を見て「7時50分」ではなく「8時50分」であることに気がつきました。

寝過ごした。

慌てて飛び起きます。娘の食事も用意しておかないと。自分の朝食は食べている時間はないな。ご飯は夜のうちにセットしておいてよかった。炊けてる炊けてる。キッチンにコップがふたつ。牛乳を飲んだ痕跡、あ、また味の素入れてる、やめてよ、本当に。

娘の寝ている和室の襖をガラッと開けます。

「薬飲んで」

娘は布団をかぶって寝たふりをしています。

久しぶりに布団をはがしました。

「なにすんだ」

怒りモードですがそこまでではありません。朝のトイレのドスドスというあるきかたの雰囲気でそうじゃないかと思っていたとおりです。

「いいから、薬だけ飲んで」

「いやだ」

「持ってくるね」

用意した薬と水を持ってきます。

娘はまるで二日酔いのおっさんが持ってきてもらった水で胃薬を飲むような、そんな身振りと表情です。くりまんじゅうみたいに可愛くはないよ。おっさんっぽいよ。

娘はごく稀に薬を捨てます。今日はなんとなくそんな予感がありました。だから、娘がしっかり飲んでいるところを見届けておきたかったのです。

また寝るという娘をそのままに急いで娘のお昼の食事を用意します。サラダとイワシの缶詰とキムチ納豆、娘のためにキムチと納豆を買ってきたのですが、娘はキムチをパッケージから取り出したりはしないのであらかじめ別の器に取り出して納豆と混ぜておきました。これなら食べるでしょう。

全部にラップをして、すでに私は遅れています。食べている暇はないので慌ただしく出勤です。

往路は爆睡。あやうく電車も寝過ごすところでした。

今日中に終わらせたい単純作業を午後に回したのが失敗でした。眠気に苦しめられます。余計なミスをしないよう、エクセルで機械的に集計できるように元のデータに項目を足したりなんだり。最初からこうしておけば早かったな。

復路も爆睡、ひとつ前の駅を過ぎて目が覚めました。危なかった。

雨なので会社の置きガッパを持ち出しました。駐輪場で羽織ります。簡単な造りですが無いより全然ましです。手袋も今日から冬用のごついのに変えたので少しぐらいの雨なら平気です。

スーパーには寄らずまっすぐ帰宅。

娘は寝ているようです。いや、起きていました。キッチンにコップが沢山ある。でかいペットボトルのジャスミン茶とスポーツドリンクが空になってる。飲みすぎじゃん。

「なんか作って」

了解です。

「あ、そういえばまた牛乳に味の素入れて飲んでたけど、マジ本当やめてね、絶対やめて」

娘、薄ら笑い。ヒトの話を聞いてねえな。

「牛乳に味の素は合わないから、まずいからね、やめてね」

「やんないよ」

本当かなあ。全然信用出来ないよ。

それはさておき、夕食は昨日買っておいた牡蠣のバター醤油焼きです。大根の葉と油揚げの味噌汁も用意しますがこれは娘は飲まないだろうなあ。あとはサラダで。

昨日買っておいた加熱用の牡蠣は冷蔵庫の中で娘に見えない場所にしまってありました。見える場所においておくと「お、牡蠣だ」と思った娘が生で食べる危険があるからです。「加熱用って書いてあるだろ」という常識は娘には通じません。あったら食べる、それだけです。

いい感じに焼けた牡蠣、娘に「パパも食べるから全部食べないでね」と念を押してから出します。そうしないとものすごい勢いで全部食べてしまったりします。娘に思いやりの心とかシェアの概念とかは期待するだけ無駄です。

案の定、ものすごい勢いで食べていました。少し残してもらった牡蠣をお代わりのご飯に乗せフライパンに残ったバター醤油をかけました。娘の好きな食べ方です。太りそうだけどな。

◇ ◇ ◇

書籍『シネシネナンデダ日記』発売中です。


いいなと思ったら応援しよう!

高島利行
いただいたサポートは娘との暮らしに使わせていただきます。ありがとうございます。