見出し画像

「ドリアン食べたよ」「ええッ!?」

昨夜、娘の寝ている部屋に置いたドリアンの匂いが夜寝る時も朝起きた時も家の中に充満しています。素晴らしい。これこそが幸せなんだと力強く思います。ありがとう、ドリアン。

私の朝食はオムレツとサラダとコーヒー。久しぶりに作ったオムレツは火が強すぎたようです。修行が足りない。

その後に起きてきた娘の朝食もオムレツとサラダ。今度の火加減は先ほどよりかなりいい感じでした。そうか、これぐらいでいいんだな。

「ドリアン、臭かった?」

「臭いよ」

娘も私も嬉しそうです。幸せのドリアン。食べるのがもったいないほどの。

「今日も食べないから。明日食べるから」

「明日食べる」

ワクワクが抑えられません。ありがとうドリアン。

娘は昨夜は完熟睡眠でクスリもブッチしています。クスリ飲まないぐらい完熟睡眠って珍しいんだよなあ。これもドリアンパワーか。

「ドリアンさあ、臭いって聞いてたけど、パパ、あんまりそう思わないんだよね。完熟しすぎたマンゴーみたいな匂いっていうかさあ」

もちろん「タマネギの腐ったような匂い」も混ざってはいるのですが、メインは「完熟しすぎたマンゴー」の気がします。とにかく美味しそう。期待は膨らみます。

洗い物を片付けたりなんだりしてお昼。昼食は磯辺焼きと低脂肪乳。年明けは餅ばかりですが量は控えめ。

散歩ついでに買い物へ。外は軽く雨が降った痕跡が。その影響で今日は寒い。駅前に向かいます。お店はまだ閉まっているところも多い。1月中旬にオープンするパン屋さんはここか。あんまり近くないなあ。パン屋さん、もっと近くにあればいいのに。

近所の飲食店はますます営業が厳しいようで廃業するお店も多いです。近所で成立しているのは、コンビニ、ドラッグストア、病院、美容院といった感じ。今日散歩した駅前では新規の飲食店も見かけますが、少し離れると減る一方でしょうか。これからさらに社会の高齢化が進んでいくとして、飲食店や専門小売は難しいのかもなあ。お客さんがいないわけではないのでしょうが、通販や大型店に奪われる一方というか。自分の場合はそれ以前に「消費意欲が減衰」しているので客にもなれないというかなんというか。

そんなことをダラダラ考えながら歩いていたら目標の歩数を超えたのでいつものスーパー、ではなく別のスーパーへ。けっこうお客さん入ってるな。なんだかんだで食品は強いな。消費意欲が減退しても食べないわけにはいかないからな。

帰宅途中で(元)妻に電話。

「(年末年始は)行かないって言ったじゃん」

あらかじめ喧嘩腰。

「いや、そうじゃなくてさ、ドリアン買ったんだよ。丸ごとのドリアン。臭くてさあ。娘ちゃんとふたりで喜んでるんだけど、食べに来る、ドリアン?」

「だから行かないって」

「もうさあ、家んなか臭すぎて最高なんだよね。元旦にアーケードのある商店街で見かけてさあ、その話を娘ちゃんにしたら『買ってきて』って言うから昨日買ってきたんだけど、臭くて臭くて娘ちゃんとふたりで笑いっぱなし」

とかなんとか一方的に話していたらこんなことを言われました。

「ドリアン食べたよ。箱根に行った時に鉄板焼きのところで」

「ええッ!?」

「覚えてないの?」

「全然覚えてない」

「鉄板焼きが高かったからそれで頭一杯になってたから……」

「鉄板焼きが高かったのは覚えてる」

「あそこで食べたよ、ドリアン」

「……全然覚えてない。それはともかく、ドリアン冷凍できるみたいだから、明日食べる時に余ったら冷凍しとくね。じゃ」

そうかあ、ドリアン食べたのか。全然覚えてないけど食べてたのか。

夕食はたらこパスタとローストビーフとロールパンにしました。ロールパンには臭いブルーチーズを添えて。

「ドリアンも臭いけどブルーチーズも臭いね」

「んあ」

「そういえばさあ、さっきママに電話したら正月は行かないって言ったじゃんって怒られたよ。相変わらずだよね。でさあ、ドリアン食べに来るかって聞いたらさあ、『箱根でドリアン食べたじゃん』って言われたんだけど、箱根行ったの覚えてる?」

「覚えてない」

「あ、そう」

さすが娘は私の上手で箱根に行ったことも覚えていませんでした。まあそりゃそうか。そりゃそうだよね。

「ドリアン、明日食べようね」

「ドリアン明日食べる」

今年に入ってからずっとドリアンで幸せなのも明日で終わりかと思うとちょっとさみしい気もします。でもそれはそれ。明日のお昼すぎ、ついにドリアンを食べるつもりです。

その後、夜になって箱根でドリアンを食べたこと、薄らぼんやりと思い出してきました。食後のデザートで選んだんだったかな、たしかそんな感じかな。

いいなと思ったら応援しよう!

高島利行
いただいたサポートは娘との暮らしに使わせていただきます。ありがとうございます。